- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043170029
作品紹介・あらすじ
二十三歳の医学生エルネストは、親友アルベルトと共に中古のバイクに乗って南米大陸縦断の旅に出る。金も泊まるあてもなく、喘ぐバイクでアンデスを超え、船倉に隠れて密航し、いかだでアマゾン川を下る。様々な出会いと別れ、そして初めて目にする過酷な現実。この旅の記憶が、エルネストの運命を変えた-。青年ゲバラが綴った真実の記録。
感想・レビュー・書評
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若き医学生の頃のゲバラの南ア大陸横断放浪日記。友人と二人、ボロバイクにまたがって出かけた自分探し。どこにでもいる普通の学生だった彼を革命家に変える芽を吹かせた旅だった。南アの過酷な現実にあっても、無銭の彼らに暖かく接した人々が、ゲバラの心の中にいろいろな思いを抱かせたのだと思う。ゲバラと友人のアルベルトの無鉄砲さが可笑しくなんとも魅力的。日本の若い人に読んで欲しい。不況だ就職難だと真面目もいいけど、時には旅に出ようよ!続編の2度目の旅行記から続いてゲバラの足跡を追っていきたい。本書原作の映画も良かった。
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随分前に映画を観ていたので、本も読みたくなって手に取った。
ゲバラの青年時代の親友との旅の様子が日記を通して想像できてよかった。
ロードムービーがもともと好きだし、何より実際の記録なのが新鮮。
後に革命家になるだろうことはまだわからない医学生としてのゲバラは若いのに考えとか頼もしいと思ったり無邪気そうな姿も窺えた。 -
医学生のエルネストと生化学者のアルベルトはハンセン病の研究仲間だった。1951年、わずかな荷物と中古のバイクで二人は南米横断の旅へ。艱難辛苦の道中でたどり着いたハンセン病療養所で、過酷な状況におかれた患者たちと心を分かち合う…。「いつか何かのきっかけで僕らがハンセン病に取り組むようなことになるとしたら、その何かとは、どこへいっても患者が示すあのやさしさであるに違いない」。後にキューバ革命の中心的存在となるチェ・ゲバラが青年時代に綴ったみずみずしい記録。
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かの有名な革命家エルネスト・"チェ"・ゲバラがまだ医学生だった頃の南米旅行記。
若々しい好奇心や感受性、若者特有の行動力で、楽しいことや辛いこと、色々なことを体験し、様々な人たちと出会い、感じたことを率直に、ときにユーモアを交えて綴っている。
この本を読んでいると、例えば貧しい農民や労働者、共産主義者、病人など社会的に虐げられている者たちとの出会い、南米の実情を肌で感じたことなど、何が彼を突き動かし、彼にあの壮大な事業を成し遂げさせるに至ったかについての片鱗を見つけることができるかもしれない。しかし、この本においてそれと同等、もしくはそれ以上に価値を持っているのはやはり、この本が、彼が一人の若者としてその好奇心と感受性で感じたことを素直に記した青春の記録だということなのではないかと思う。
いまやイコンと化したチェ・ゲバラの人間的な部分を垣間見ることができて、新鮮な感じがした。また、偉大な革命指導者として歴史に名を残すことになった男が、自分と同じような年でこんな大冒険をして、こんなことを体験して、こんなことを感じてたんだということには、とても刺激を受ける。この本に出会えて良かったと思った。 -
読みにくい。読みにくいが、これは訳のせいかもしれないし、そうではなく日記が原書となっているからかもしれない。
しかし読み進んでいくとそれはもはやどうでもよくなる。抑圧された人々を見、ゲバラは自身の中に信念を打ち立てていった。附記では珍しく内面を曝露していて、その激しさに思わず身震いをした。詳しくは書いていないが、先進的な思想を持つ、道中を共にしたアルベルトの影響もまた受けたのだろう。 -
同名の映画の原作でもあり、映画からこの作品を知った人も少なくないかもしれません。著者はキューバ革命におけるゲリラ指導者としてあまりにも有名なチェ・ゲバラ。題名の通り、医大生だった若きエルネストが友人アルベルトとともに愛車「ポデローサ2号」にまたがって、ラテンアメリカを旅したときの記録です。
1952年1月にアルゼンチンのブエノス・アイレスを出発した二人は、およそ7カ月間をかけて南米大陸の西海岸沿いをベネズエラのカラカスまで北上します。お金もなく、バイクはポンコツ。しばしば持病の喘息にも苦しめられながらの長旅。これはフィクションではなく「ダイアリー」。淡々と書き連ねてはありますが、1950年代のラテンアメリカの空気感と、そこを走破する迫力がひしひしと伝わってきます。
ゲバラ自身が序文に記しているように、この「果てしなく広いアメリカ(南米大陸)」をさまよう旅は、想像以上に彼自身を変えてしまいました。旅をするということが、人にとってどれだけ大きな糧になり得るのか、改めて考えさせられもする一冊です。 -
読み返すの何度目だかわからない。
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「エルネスト・チェ ゲバラ」の青年時代を自らが綴った自伝的作品『モーターサイクル・ダイアリーズ』を読みました。
先日、「沢木耕太郎」の映画エッセイ『「愛」という言葉を口にできなかった二人のために』を読んで原作本を読みたくなった作品のひとつです。
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この旅が、青年「エルネスト・チェ ゲバラ」の未来を変えた--
二十三歳の医学生「エルネスト」は、親友「アルベルト」と共に中古のバイク「ポデローサ二号」に乗って南米大陸縦断の旅に出る。
金も泊まるあてもなく、好奇心のままに1000キロを走破する無鉄砲な計画だった。
喘ぐバイクでアンデスを超え、船倉に隠れて密航し、いかだでアマゾン川を下る。
様々な出会いと別れ、そして初めて目にする過酷な現実。
この旅の記憶が、「エルネスト」の運命を変えた―。
青年「ゲバラ」が綴った真実の記録。
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南米における、歴史や文化、そしてその時代に生きる人々の生活や置かれた状況について知識が、あまりにも乏しく、、、
臨場感ある場面が頭に描けなかったので、今ひとつ作品に入り込めず、感情移入できなかったですね。
ドキュメンタリー作品は、特にその傾向が強いと思いますが、やはり一定の知識がないと愉しめないですねぇ。
それでも「エルネスト・チェ ゲバラ」の魅力ある人物像を感じることができたし、この後「エルネスト・チェ ゲバラ」が歩む将来を予感させる作品でしたね。
そして、医者の免許を持っていたり、ひどい喘息持ちだったりと、これまで知らなかった「エルネスト・チェ ゲバラ」の素顔を知ることができた作品でした。
「エルネスト・チェ ゲバラ」への興味は深まりましたね。 -
ゲバラの若い頃に行った南米旅行記。旅行と言っても泊まるあてもない奔放なバイク旅。そのバイクも前半早々に故障してしまいあとはヒッチハイクメイン。でもチリの大自然を2人乗りで走破とかもはやサバイバルじゃんとか思いながら読んでましたね。私たちは彼のその後を知ってるから革命を成功に導いたすごい人というイメージが強いと思うけど、この本はそんな彼の若気の至りというか青春みたいなのを感じさせてくれます。
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若き日のゲバラとその友人・アルベルトの、バイクとヒッチハイクと密航による南米旅行記。
描写の端々から、革命に至る切っ掛けが伺える。