- KADOKAWA (1973年10月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (516ページ) / ISBN・EAN: 9784043224012
作品紹介・あらすじ
独裁者が語る恐るべき政治哲学・技術は、現代政治の虚構を見抜く多くの有力な手掛かりとなる。狂気の天才が、世界制覇の戦略と思想とを自ら語った、世界史上稀有の政治的遺書。
感想・レビュー・書評
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難解な本。一つの事柄に溢れる感情がテンコ盛り!
長い長い書き言葉に耐えきれず、斜め読み。
なぜヒトラーは歴史に残る通り、極端なまでの政治思想を持つに至ったかについて書かれている。有名なミュンヘン一揆の失敗により、国家反逆罪で有罪判決を受けたヒトラー。裁判では自らの責任を認めた上で、その弁舌で裁判を演説の舞台とし、自らを弁護した。その裁判は終始、ヒトラーに同情的であり、感動すら巻き起こした。
ともあれ、有罪となったヒトラーはリンツ刑務所内で本書を口述筆記した。刑務所では建物内を自由に歩き、面会も制限がなかったそうだ。
彼はドイツの没落を嘆き、ユダヤ人を憎み、民主主義、共産主義を否定した。
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上巻読み終わりました。帰ってきたらヒトラーを読んで本人の事を知りたくなったのですが……。あまりにも難しく読みやすい場所は人種批判と共産主義批判の場所のみ、『我が闘争』は下巻まで読み切れるか…?
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高評価を付けるとファシストと勘違いされそうなので星は3つ。
アドルフ・ヒトラーが起こした歴史的大罪と自決による責任回避行動を振り返って「人類史上最悪の悪魔」「史上最高のペテン師」などと本書を批判することは容易であろう。だが、発刊当時(1925~1926年)のドイツ(当時ヴァイマル共和政)の国状を考えるとまた見方は変わってくる。第一次世界大戦の敗戦後、パリならびにロンドン協定の賠償金に喘ぐドイツ。自信を無くし未来も見えない中で、極めて論理的に理路整然と国家の将来を説く綺羅星の如く登場したのがヒトラーである。正否は別とし、圧倒的な知識量と天才的発想で課題と対策を提示し超一流の演説術で国家論を語り、彼は彼の語る政策を実現し、大衆は日に日に良くなる生活を実感する。ドイツ国民は自信を取り戻し、彼に従っていれば大丈夫という雰囲気が醸成されて圧倒的なナチス党支持・ヒトラー崇拝に大衆が傾いたのである。
本書を読めばわかる通り彼の主張は複雑怪奇で論理の飛躍が多い。歴史解釈の間違いも散見される。しかし読み進めていくと感情むき出しに力強く(そして偏狭に)シンプルな主張を繰り返す。それが「アーリア至上主義」だ。大衆は、おそらく側近も、ヒトラーの語る国家論は半分も理解できていなかったであろう。しかし実績を残し強い国家を実現していく彼の主張は正しいに違いないと思い込み、理解できる「アーリア至上主義」という部分、すなわち人種差別を受け入れ実行していくのである。
我々はヒトラーが画家の夢破れた偏屈者であることを知っている。しかし当時のドイツ国民は、それまで無名であったことが功を奏し、突如現れた救世主に飛びつき希望を託した。言葉がどれほど影響を及ぼし1人の人間が大衆をこれほど煽動できる事実を学ぶ良い教材である。 -
まず、アドルフ・ヒトラーの生涯について。
1889年にオーストリア北西部に生まれ、青年期に画家を目指してウィーンに移住するが挫折し、この頃に反ユダヤ的・民族主義的思想を強める。第一次世界大戦ではドイツ軍に志願し従軍。敗戦後、ミュンヘンで政治活動を開始し、1920年にドイツ労働者党(後のナチ党)に参加、1921年に党首となる。1923年のミュンヘン一揆で逮捕され、獄中で『わが闘争』を執筆。その後、経済危機を背景に支持を拡大し、1933年に首相に就任、翌年「総統」として独裁体制を確立し、再軍備と侵略政策を推進。1939年ポーランド侵攻で第二次世界大戦を開始し、初期に西ヨーロッパの大半を制圧したが、対ソ連戦でモスクワ侵攻に失敗して戦争は長期化。1943年スターリングラードで決定的敗北を喫し、1944年ノルマンディー上陸を許し、戦局悪化の末、1945年ベルリンの総統官邸地下壕で自殺した。
本書は、上記の通り、ヒトラーがランツベルク要塞拘置所に収容されていた間に、後にヒトラーの片腕となったルドルフ・ヘスらを相手に口述したものである。
私は(穏健)リベラルの政治信条で、外交安保的には国際協調主義のスタンスだが、歴史を知ること、殊に、現在我々が住む世界に間違いなく大きな影響を与えたヒトラーの思想(例えば、ヒトラーがいなければ、イスラエルという国はおそらくできていなかった)を知ることは大切だと思い、今般本書を手に取り、一通りページを繰ってみた。
全体は、上巻の「Ⅰ民族主義的世界観」と下巻の「Ⅱ国家社会主義運動」に分かれており、上巻では、自らの体験や思想形成の過程を辿りながら、民族概念、国家観、反ユダヤ主義、社会ダーウィニズム、指導者原理、プロパガンダ戦略などのナチズムの核心概念が網羅され、下巻では、その後の具体的な戦略・行動に繋がる、運動の組織論、宣伝戦略、権力獲得の方法論、議会制批判などが述べられている。
上巻のポイントは概ね以下である。(尚、ヒトラーが何を考えていたのかという視点なので、批判的解釈は加えていない)
◆人類の歴史は、創造し秩序を築く人種(民族)と、破壊し溶解させる人種(民族)の間の闘争である。文化を生み出し、国家を作り、技術と芸術を高める力は、優れた人種の血に宿るのであり、アーリア人種は最も優れた創造的人種である。国家の使命は人種の純粋性を守ることであり、国家とは単なる領土や制度ではなく、その使命を守る仕組みでなくてはならない。よって、政治制度や経済制度は目的ではなく、人種の保存のための手段に過ぎず、婚姻・教育・衛生・法・芸術学問は、いずれも人種の純粋性の維持に資するものでなくてはならない。
◆ユダヤ人は、金融・報道・文化・政治を支配して社会を腐敗させ、民族共同体を破壊する存在である。ユダヤ人は、普遍的価値や平等を掲げ、民族の結束を解体する力を持つ。国家の再生のためには、ユダヤ人の影響を排除することが不可欠。問題は個々人の善悪ではなく、民族の生存に有利か否かであり、この戦いはそれを守るための戦いである。
◆議会制民主主義は、無能な多数による支配である。政党間の妥協は国家の力を弱め、危機に対応することができない。国家には強力な指導者が必要であり、この指導者は民族の意志を体現し、迅速に決断できなくてはならない。国家の力は、統一された意志と行動の速さによって決まる。
◆大衆は複雑な理論よりも、単純で感情に訴える言葉に反応する。政治運動には宣伝が不可欠であり、敵と味方を明確にし、繰り返し強調することが重要である。プロパガンダは嘘ではなく、真実を大衆に理解させるための方法である。
(下巻のレビューに続く)
(2025年12月了) -
誰がどう考えても間違っているとしか思えないことがなぜ起きるのか知りたい。そういう意味で、いつか読まなければならなかった本。
ユダヤ人への憎悪。ドイツとドイツ民族(?)が生き残るためには、領土を広げ、敵を殲滅する必要がある、という認識。混血は民族を弱める、劣等者は子孫を残すな、という考え方。優秀な指導者が決め、大衆はついてくればよいという政治手法。ホロコーストにいきつくいくつかの曲がり角。
主張はあるが、理由がない。たとえばユダヤ人は悪。アーリア民族(?)が偉大。その証明は行われない。これは驚いた。ナチスは誤った理由から出発したので、誤ったところに行き着いたのだとぼくは思っていたのだ。その理由はこの本に書いてあって、現代という歴史的な高所から見渡せば、その理由の欠陥が見えると思ったのだ。これはどうにもならない。論拠があれば論破できるが、根拠のない主張は無敵だ。しかも大衆は考えなくて良い、と「優秀な指導者から」免責されている。責任も指導者がとってくれる。大衆は安心して心地良く、誰か憎めばよい。
論拠がないのだから、「ユダヤ人」のところは容易に別の言葉に置き換えられる。中国人とか韓国人とかに置き換えてみれば、どこかで聞いたような話になる。ナチスは死んだ犬ではないのだ。
言論を封じてはいけない、異論を弾圧してはいけない、差別をしてはいけない、という理由は、おそらくここにある。場合によってはいささか行き過ぎに思えることもある自由の決まりごとの多くが、実はナチスへの安全装置なのだ。しかもそれはまったくのところ完全ではない。ナチスドイツにだって、ナチスに反対する人々はいたのだ。
その結果、あの時代に起きたことを考えると、暗澹たる気持ちになる。せめて、ぼくは片棒を担がないようにしよう。せめて、せめて。 -
この本の内容や思想についての評価は正直出来ないと感じる。(肯定否定で論じることがタブーでは?とも感じる)
彼の政治家としての活動内容については、当然否定するが、政治家としての素質は天才的と認めざるを得ない。
この本の内容ではなく、この本を足がかりのひとつとしてアドルフ・ヒトラーという人物やあの時代について考えることが必要であると感じた。
追記:文章の構成に一貫性がなく、論理における具体性はほとんどないため、単体での読解は非常に困難である。(言い方を変えると非常に読みにくい。)
主張は強いが論拠は薄っぺらい。しかしながら、言い方は悪いがこんな本でも大衆の心を引きつけるには充分だったのだから、教養というものがいかに必要か考えさせられる。 -
大雑把な内容
1、ヒトラーは芸術家になりたかった。
2、ヴィーンでの彼の苦労そして成長。
3、何故反ユダヤ主義者になったか。
4、ドイツは新しい領土を獲得すべきだ。
5、ヒトラー、第一次大戦に参加する。
6、宣伝はバカな大衆にのみ行え。
7、第一次世界大戦での犠牲は無駄だったのか。
8、腐った世の中を変えるために政治家になってやる。
9、ドイツ労働者党への入党。
10、アーリア人種は素晴らしい。
11、ユダヤ人は寄生虫だ。
12、ヒトラーの政治活動。 -
演説の天才といわれるだけあって、大衆心理の分析や政情に対する持論などを自信と説得力に満ちた言葉が延々と並んでいる。独特の言い回しに加えて、「大衆への宣伝は単純化した一つの主張を徹底的に繰り返さなければならない」という法則に従って同じ論に帰結することがらを繰り返し述べているため、ページを読み解くのにパワーがいる。
あえてこの本を手に取るような人は、書いてあることが全て事実だと思ったりそのまま真に受けたりする人はいないだろう。ヒトラーの主義思想の片鱗がわかる資料として価値がある本。悪を見極め悪から身を守るには、悪を知らなければならないのだと改めて思った。 -
昔、読んだ時はナンとなく難しい内容だと思い込んでいたんだけど。
最近、本棚にあった、この本を何気なく開いたら、とても分かりやすく、感情に響いてくる文章で、引きずり込まれるように夢中になって一気に読んだ。
ちょうど石原莞爾の『最終戦争論』や、片山ナントカ?の『未完のファシズム』を読み終えた直後であり、北一輝 の『日本改造法案大綱』を読んでる最中だったせいかもしれない。
または、リフレーションに関する本をいろいろ読んでる最中だったからかもしれない。
一言で言うなら、ヒトラーは天才だ。
どういう天才かと言えば、メディアと大衆を操る天才。
昔、電通から内定もらった先輩と飲んでたとき、彼が、電通に入社して富士山に登るまでに『聖書』と『我が闘争』を徹底的に読んでおけと先輩から薦められて今読んでる最中だ、と話していた。
『聖書』は世界一のベストセラーで、そこには、売れる要素やキャッチーなフレーズや、ようするに宣伝広告のエッセンスが詰まっている。
そして『我が闘争』には、いわゆる「B層」を操る魔術が詰まっている、ということだ。
ヒトラーに比べれば、安倍のショボい人気なんて、やっぱりボンボンにすぎない。
安倍ボンボンがやろうとしている日本国憲法の改悪案99条には
「緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる(後略)」
とある。
これは、ナチスの全権委任法と同じ。
全権委任法は全5条から成る。
前文:
国会(ライヒスターク)は以下の法律を議決し憲法変更的立法の必要の満たされたのを確認した後、第二院の同意を得てここにこれを公布す
①ドイツ国の法律は、憲法に規定されている手続き以外に、ドイツ政府によっても制定されうる。本条は、憲法85条第2項および第87条に対しても適用される。
②ドイツ政府によって制定された法律は、国会および第二院の制度そのものにかかわるものでない限り、憲法に違反することができる。ただし、大統領の権限はなんら変わることはない。
③ドイツ政府によって定められた法律は、首相によって作成され、官報を通じて公布される。特殊な規定がない限り、公布の翌日からその効力を有する。憲法68条から第77条は、政府によって制定された法律の適用を受けない。
④ドイツ国と外国との条約も、本法の有効期間においては、立法に関わる諸機関の合意を必要としない。政府はこうした条約の履行に必要な法律を発布する。
⑤本法は公布の日を以て発効する。本法は1937年4月1日と現政府が他の政府に交代した場合、いずれか早い方の日に失効する。
日本国憲法の改悪案99条も、ナチスの全権委任法も、非常事態に立法府が行政府に立法権を委譲する法律である。
しかし、安倍のようなバカボンボンには、ヒトラーがやったようなことは到底できないだろう。
途中で、お腹が痛くなって、投げ出すだろう。
ヒトラーは扇動の天才であり、広告の天才であり、彼の分析は恐るべき鋭さだ。彼はすばらしく明晰で、すぐれた戦略家で、行動力もあった。
ただ、ユダヤ人虐殺が、結果的に、彼を殺した。
大衆の間にくすぶる差別意識をうまく利用して扇動する手法をサル真似したのが、石原慎太郎とかいうサルなんだけど、あまりにサルすぎて話にならない。
慎太郎とかいうアホを見てると、ヒトラーが述べた通り、日本民族はサル真似しかできねえ低級な民族なんだと、つくづく悲しくなる。 -
この本を読み終え
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
ビスマルクのこの言葉は真理だと思いました。
当時のドイツの状況は現在の日本と合致する部分が多いです。
敗戦の誤った自虐主観、近隣諸国との緊張、歪んだメディア、
いじけた平和主義、行き詰った経済。
ユダヤという言葉を、韓国・中国と読み替えれば、ここに書かれ
ている内容が恐ろしいほど、しっくりと心に入り込んできます。
思わず拍手を送りなくなる自分がいます。
ですが、私達は歴史を知っています。
この書に踊らされた大衆が恐るべき独裁者を生み出し、
それが未曾有とも言える破壊の嵐を生んだ事を。
この本は現代の日本人が、読むべき一冊だと思います。
それにしても、この本は難解で読み辛い。
原文を直訳しているからかもですが、1つの文章に複数の
主語述語が散らばっていて、内容の把握に骨が折れます。
誰もがストレスなく読めるような意訳版を出して欲しいですね。
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話がまわりくどくて読み進めるのが辛かったです
もう少しシンプルに書いてくれると助かるのですが… -
読むのが苦痛になる本。というのも、彼ヒトラーの主観が強くて、怒りや僻みや妬みのようなネガティブな心象をエネルギー源にした鬱屈した意見を延々とぶつけられ続けるからだ。ポジティブで力づけられる要素以上にネガティブ要素を強く感じてしまうのは、既に私が歴史的帰結を知ってしまっているからなのだろう。
きっと当時のドイツではむしろこの怒りと熱さは共感を持って迎えられたのだろう。
また影を裏に控えた強いナルシシズムも文章から透けて見える。
更に文章自体も繰り返しや飛躍が多く、テンポが死ぬほど悪い。読みにくいったらありゃしない。構成も良くないし文学的な良さは皆無。
こうすべきだ、という主張に対し、都度その根拠を説明しているようでいて、その根拠がかなりあやふや。ベースとなる論理にはソクラテスやプラトンらしさを強く感じるが、古代ギリシャ思想のネガティブポイントである非科学性であったり差別性である部分が完全に見落とされている。
ヒトラーは演説の天才だったというが、それには本を通さない、対面で使える洗脳的なノウハウや、主張を受け入れざるを得ない時代背景の要素が大きかったに違いない。本書を読んだだけでこの意見を鵜呑みにできるかというとかなり疑わしい。
下巻に進みたくない…。
本の出来としては★1だが、ヒトラーの人柄を知るという貴重な歴史的情報源であるため、総合判断として★3を与えたい。 -
当時には新鮮・斬新だったであろう思想が描かれている。また、同じ言葉を繰り返し使って読者への意識付けを考えていることが感じ取れた。
戦争責任はヒトラーにありとしているドイツ国民が本書を読んだ上でそう言っていたのであれば、問題だと感じた。総統になる以前に執筆された本書でも過激な思想は変わっていないように思う。 -
行いは評価されるべきではなく、何故そこまでユダヤ人排除に拘ったのかが理解はできなかった。でも演説等による人心掌握のセンスには学ぶものがありました。
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ナチ好きヒトラ−好きの方は必読。
長いけど面白かった(・ω・) -
第6回ビブリオバトル全国大会inいこまオンライン予選会2で発表された本です。チャンプ本。
https://www.youtube.com/watch?v=eGLUEJBQCwg
2021.2.7
2021.3.14開催の第6回ビブリオバトル全国大会inいこま決勝に進出。 -
311-H-1
文庫(小説・エッセイ以外) -
天才なので、学べるものが多くあります。思考様式は、ずいっと単純化して考える人のようです。
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うーん、さっぱり分からなかった。
著者プロフィール
アドルフ・ヒトラーの作品
