古代史で楽しむ万葉集 (角川ソフィア文庫)

  • 角川学芸出版 (2010年4月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784043268023

作品紹介・あらすじ

新元号「令和」決定!
『万葉集』1200年目のベストセラーに。

『万葉集』研究の第一人者であり、新元号の見識も高い中西進による著作。
天皇や貴族を取り巻く政治的な事件を追い、渦中に生きた人々を見いだし歌を味わう。防人の歌、東歌といった庶民の歌にも深く心を寄せる。歌集を読むだけではわからない、万葉の世界が開ける入門書。

みんなの感想まとめ

万葉集の歌が生まれた背景や歌人の人物像を深く掘り下げ、古代の歴史を通じてその魅力を伝える作品です。著者は、万葉集の時代背景や歌の由来を解説し、政治的事件や人々の感情に寄り添いながら、歌が持つ意味を豊か...

感想・レビュー・書評

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  • 本のタイトル通り、万葉集の時代背景や歌人の人物像と歌とを、事実と考察と筆者自身の豊かな想像力で解説している。万葉集の入門口。堅すぎず、しかしけして飛躍しすぎないバランスだと思います。

  • 解説書とエッセイの中間という感じで、万葉集、もしくは古代史をある程度知っている人向けです。
    私は古代史の知識がほとんどないので、初めて聞く人物名が多く(しかも名前が似ている人が多い)、読み進めるのに少々苦労しました。
    ですが無駄のない美文で綴られる古代史には読み物としての満足感がありましたし、有名な歌でも中西さんの解説が入ると見え方が随分変わったりして、とても楽しい読書体験でした。
    万葉集の読解を深めたい人にはぜひおすすめします。

  • 入門書を求めていた自分には大変読みやすく、面白く読めた。
    以下、解説より
    ーー本書は優れた万葉集入門であるが、同時に古代史概説とでも呼びたいような性格をも有している。それはまるで中国の正史を読むような、簡潔で格調高い文章で綴られている。逆にいえば、古代の歌集を読み解くことが、そのまま古代史たりうるという、詩と重層する歴史を有したことについて、わたしたちはもっとホコリを抱いていいのかもしれない。
     簡潔な正史の風韻は、万葉集の大歌人たちにも及んでいる。ーー

    地の文で時代を追って政情、大歌人の立場、心情などを語り、その著名な歌の意味を読み解いていく。このスタイルが、歌を読みつけない自分には理解しやすかった。
    歌ばかり並んだ本では挫折しがちだが、代表的な歌をポイントで取り上げられているので、丁寧に読むことができた。
    古代から奈良末期へと時代が下がるにつれ歌の質が変わっていく様子も理解できて良かった。歴史という大きな物語の中の歌のことであった。

  • 万葉集の歌がどのように生まれたのか、古代の歴史をひもとくことでその背景と由来を語る。天智帝から持統帝の時代に起きた有間皇子や大津皇子の悲劇、大伯皇女の悲しみ、高市皇子と十市皇女の悲恋、穂積皇子と但馬皇女の激しい恋など、愛と哀しみが自分の心をみつめることにつながり、数々の歌が生まれた。柿本人麻呂は、律令国家へと歩みゆく日本の青春を天皇賛歌に託して歌った。しかし、出来上がった藤原京や平城京は理想とは遠く、やはり権謀術数と人間の醜さが渦巻いていた。そして、大伴旅人や家持は歌に救いを求めた。その救いは、苦しい生活を強いられた民衆にこそ必要だった。だからこそ、無名の人々の歌には家族や男女の愛があふれている。

  • 高岡市立図書館
    著作集31
    910.2/181/31

  • 万葉集の解説書としても、歴史の解説書としても、少し物足りない印象。
    ただ、万葉集、とりわけ悲恋の歌を通して著者が皇子や皇女を見た章を興味深く読みました。
    また、教科書からはこぼれ落ちる苦しい庶民の生活への言及も興味深かったです。

  • 元号の決定に重要な役割だったとされる筆者。万葉集研究の大家による古代史。

    万葉集の歌そのものより背景となる歴史を語る1冊。歌はそれほど多くは出てこなく、また歌の解説は少ないので、単に歌の鑑賞のためなら他の本を当たった方が良い。

    ある程度、万葉集を読み込んだ人向けの内容のように思う。

  • 古代史を紐解きつつ、そこから万葉の世界を分かりやすく描いてくれる興味深い内容。

  • 令和の発表と共に、早速図書館へ。この桜の表紙の文庫本は所蔵が無く、中西進著作集31巻を貸し出してもらった。
    「万葉の心」「古代史で楽しむ万葉集」「増補 万葉の花」の3作品を読めることに。…なかなか分厚い。いざ、万葉の世界へ。
    読了。
    万葉集と聞くと、たおやかで雅な印象を受けてきたが、日本の黎明期、策略と血塗られた戦いの時代だったのだということを思い知らされた。
    日本語が美しいと思いながら読み進んでいった。額田王に対する著者の推測、私も同感だった。万葉集の力強さを感じた。

  • 万葉集の歌の解説もあるが、古代の歴史、壬申の乱などよく知ったエピソードを交えて説明してあるのでわかりやすく楽しめた。

  • 最近、古典に興味持ち、文庫本を読み漁っているのですが、角川ソフィア、読みやすいです!
    それに加えて、本書は、万葉集の代表的な詩歌と、それが詠まれた背景は書かれており楽しく読めます。

    「中大兄が万葉に残す歌は少なくてその心情をさほど伝えてはいないけれども、九州の地に死した母帝の亡骸をいだいて大和に帰るとき、

    君が目の 恋しからに 泊てて居て かくや恋ひむも 君が目を欲り

    と母をしたっている。(中略)
    大化以後はまことに古代史における一大転換の時であった。それなりに新時代の誕生は輝かしくはあったけれども、一面それは血と非情を代価として得た輝きであった。その非情の歴史の中に非情たり得ないのが人間だからである。この人間にささえられて、万葉集は芽ばえた。」(p.49)

    この解説を読んで、以前ニュースで、3.11の震災について、被災地の方々が川柳を読む会を開いていたことを思い出しました。
    そのニュースでは、震災の辛い経験を川柳に載せることで、辛さが昇華されるのだと、心理学者が解説をいれていました。

    辛い時、美しい詩歌に載せてうたうことができる文化を持つ日本人。
    それを理解できり日本人で良かったな、と思いました。

  • 万葉学者中西進先生による『万葉集』のガイドブック。

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著者プロフィール

中西 進(なかにし すすむ)
1929(昭和4)年東京生まれ。東京大学卒業、同大学院修了。文学博士。
筑波大学教授、国際日本文化研究センター教授、大阪女子大学学長、帝塚山学院学院長、京都市立芸術大学長などを歴任。全国大学国語国文学会会長、日本ペンクラブ副会長、奈良県立万葉文化館館長なども務める。
「万葉集」など古代文化の比較研究を主に、日本文化の全体像を視野におさめた研究・評論活動で知られる。読売文学賞、日本学士院賞、大佛次郎賞、和辻哲郎文化賞ほか受賞多数。
主な著書に、『万葉集全訳 注原文付』全五巻(講談社文庫)、『中西進 日本文化をよむ』全六巻(小沢書店)、『古代日本人・心の宇宙』(NHKライブラリー)、『中西進と歩く万葉の大和路』(ウェッジ)など。

「2022年 『万葉秀歌を旅する 令和改装版 CD全10巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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