死体は知っている (角川文庫)

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レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043400027

作品紹介・あらすじ

ゲーテの臨終の言葉を法医学的に検証し、死因追究のためとはいえ葬式を途中で止め、乾いた田んぼでの溺死事件に頭を悩ませ、バラバラ殺人やめった刺し殺人の加害者心理に迫る…。監察医経験三十年、検死した変死体が二万という著者が、声なき死者の声を聞き取り、その人権を護り続けた貴重な記録。

感想・レビュー・書評

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  • ゲーテの臨終の言葉を法医学的に検証し、死因追究のためとはいえ葬式を途中で止め、乾いた田んぼでの溺死事件に頭を悩ませ、バラバラ殺人やめった刺し殺人の加害者心理に迫る…。監察医経験三十年、検死した変死体が二万という著者が、声なき死者の声を聞き取り、その人権を護り続けた貴重な記録。

  • 元東京都監察医務院長で医学博士である著者が、2万体という変死体の検死を通じて得た所見を綴った本
    人は死ぬとどうなるのか。なんらかの外力が働くと痕跡が残るのか、その他いろいろ興味深く読むことができた

    ただ、著者の創作小説も含まれていて、これも確かに経験に基づくものなのだろうが、実話と創作が明確に分かれていないように感じたのは残念

    【参考図書】
    ・「直角の死角」(山田宗樹)
    ・「死体は生きている」(上野正彦)
    ・「死体は語る」(上野正彦)

    【引用】
    考えてみると、よくもまあ、これらの危険(幾千幾万という発病の危険や災害事故自殺他殺など)をかいくぐり六十年間も、元気に生きてこられたものだと自分自身感心してしまう。生きているのが不思議に思えてくる。だからこの幸運に感謝せずにはいられない。(P10)
    顕微鏡の倍率をいくら上げても、霊や魂は見えてこない。いや、目を閉じなければ見えないものもあるのかも知れない。(P36)
    老人の自殺は、身内から冷たく疎外されたための孤独が主因であるから、一人暮らしの老人よりも三世代同居の老人のほうが、自殺率は高い。(P61)
    推定という言葉は、事実が明瞭でない場合に、推し量って決めることをいうのであるが、素人の推定と専門家の推定には、本質的に大きな差があるのである。(P189)
    (推定の)結果は素人の判断と同じであるが、そこに至るまでの過程は、専門家としての知識が十分働いているのである。(P196)
    自分の仕事でも、このように言えるか。それだけの自信はあるか。死とは、生まれる前の状態と同じで、ナッシングなのだろうか。しかし、心が通じあっている場合にはたとえ肉体が滅びても心の中で、その人は生き続けている。死とは一時的な別れにすぎないのだろうか。(P206)
    だから私は、死ぬときには寂しくも悲しくもない。それらの人びと(自分が検死した死者)との再会を楽しみにあの世とやらに旅立って行きたいと思っている。(P208)

  • 監察医としての実体験を元に書かれた本なので、ものすごい説得力と、自分の知らない世界を知る好奇心をくすぐられまくりの一冊。ましまろさんは無知なので、そんな制度があることも知らなかったし、全国にあるわけじゃないことも知らなかったし、知的好奇心満たされまくりでおもしろかった。一番心に残ってるのは高齢者の自殺の要因。周囲に誰もいない孤独ではなく、家族が近くにいる環境で感じる孤独が哀しくて仕方ない。あと二冊上野さんの本を買ったのでゆっくり読みます。

  • 友達におすすめされた本。グロくて面白いって言われて期待して読んだけどこれは物語じゃなくて解説本だったので残念!残念ながら全く好みではなく説明書を淡々と読んでる感じ。

  • 死体の涙が印象深い

  • 監察医という立場から、事件を追う。
    複数のショートストーリーの中で特に気に入ったのは、【黒い砂】
    死体の症状から、事件の全容、犯人の心境まで読み抜くのは、ある種の爽快感がある。

    私は誉田哲也のストロベリーナイトを始めとした姫川シリーズの國奥先生が好きで、検死に興味を持ちました。

  • 死体の状態から、どのような状況で死に至ったかを知ることができる。
    それによって真相が明らかになる。

    「死」と向き合う仕事はすごく怖そうだと思うが、著者は真正面から向き合っている。
    死と向き合うことで、亡くなった方を尊重できる。
    わかっているけど、怖い。そう思う人が多いんじゃないかと思うだけに、著者はすごいという月並みな感想が出てくる。

    なかなか考えさせられる本だった。

  • 一気に読めた。内容も簡易。量が少ない。

  • 「死体検死医」とあわせて読みました。
    興味深く読めましたが、上記2冊の内容が若干かぶってる。

  • 「死体は知っている」3

    著者 上野正彦
    出版 角川文庫

    p36より引用
    “いや、目を閉じなければ見えないものもあるのかもしれない。”

    法医学者である著者による、
    死者とその死因にまつわるエピソードを綴った一冊。
    著者の豊富な経験を元にした実例と、
    まるでノンフィクションの様な短篇が収録されています。

    上記の引用は、
    魂の重さと題された項の締めの一文。
    本当に大切な物は目に見えないとは、
    星の王子様の中で使われた一言だったでしょうか?
    死を科学的に分析する法医学者であったとしても、
    感傷的な考えを持たざるを得ない、
    理屈で分かる事の出来ない事が、
    まだまだこの世には数多くあるようです。
    事実は小説より奇なりを地で行く様なエピソードが多くあるので、
    リアルさを追求される方に。

    ーーーーー

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著者プロフィール

1929年生まれ。医学博士。元東京都監察医務院院長。59年、東京都監察医務院監察医となり、84年に同院長に就任。89年に退官後は法医学評論家として執筆、テレビ出演など幅広く活躍。

「2018年 『死体が教えてくれたこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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