- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043400065
作品紹介・あらすじ
美しい森の中で大自然に帰るように死ぬ-という幻想が、人人を青木ヶ原に引き寄せる。しかし現実には、遺体を野ざらしにする死に方は、列車へ飛び込んだ轢死体と何ら変わりないむごい姿をさらす。変死体解剖三十四年の経験をもつ著者が、樹海で白骨化した死体の語る真実、首つり自殺の落とし穴、一酸化炭素中毒の恐怖、家族の苦渋など、自殺死体から読みとったメッセージを明かし、自殺大国となった日本の現状に警鐘を鳴らす。
感想・レビュー・書評
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交通事故死を上回る自殺死者数。「名所」である青木ヶ原樹海の話から始まる本書は、自殺者の無残な死に様を伝えてくれる。最後の章は自殺とは違う方向性の文章となり、少し違和感が……逆に文庫版あとがきは良かった。
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死体は美しいものではなく、リアルそのものであるよと。とつとつと語られるエッセイです。上野さんはとても有名ですね。
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政治が悪い、行政がだめだ、教育がなっていないなどと他人のせいにするのではなく、社会的最小単位は家庭なのだから、各家庭から一斉に出直さないと日本は立ち直れないのではないだろうか。人は無限の力を有しているのだから、やればできるのである。
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あまりに有名ですが、元監察医である法医学者のエッセイ。
例えば樹海で何か薬を呑んで眠るように……なんて考えても、
過剰服薬だけでは
なかなか死ねるもんじゃなくて(普通、呑み過ぎたら吐くよ)
意識朦朧としたまま凍死するとか、
あるいはフラフラの状態で縊死に漕ぎ着けるとか、
第二段階に到達しないと死は訪れない、ハズ。
で、そこを首尾よく超えたら乱歩の「虫」よろしく、
後はジワジワ腐敗という名の死神に蝕まれるワケで、
自殺に妙な美しい幻想など抱くべきではない、
死体は皆、無惨なもの――という一貫した主張には深く頷いた。
ただ、現場を捌く人の苦労や遺される者の悲しみを考えたら
自殺なんか出来ないだろう、いや、してはいけないのだ、
って言われると、そこは、ちょっと、ウーンと唸ってしまう。
同意見半分、同時に、
どうしても死を選ばずにいられない人の気持ちもわかる気がするので。
難しい問題です。 -
タイトルもいい、テーマもいい。なのに肝心のテーマに沿った内容が自慢話と思い出話の中に果てしなく埋もれている。編集者はどこだ?
テーマに沿った話は1/3程度。消化不良。 -
図書館で「衝動借り」してしまいました。
ふつうのお医者様でなく「監察医」を選ぶ方は、ちょっと特殊というか、理解の範疇を越えた感性の持ち主という気がしていましたが、著者の上野先生は魅力的な方で、考え方にも共感できました。
いちばんの教訓は、「自殺は自分のためにも、そのほかのひとのためにも、絶対してはいけない」ということです。 これがこの本を書かれた目的だとおっしゃっていますので、その意味で効果的だと思います・・・
ちょっと電車の中でタイトルが見えるのをためらってしまう本ですし、夜ベッドで読むとうなされそうな内容でもありますが、読んでよかったとおもいました。 -
本当に辛い思いをしている人に
私はそれでも「頑張れ!」とは言えないし
言いたくもない。
でも、生きていくことをやめてしまう前に
その勇気があるのなら
その環境から逃げて欲しいなとは思う。
やっぱり生きていて欲しいもん。
‥って
なんだか本の感想じゃなくなっちゃったけど
ま、いっか。。 -
一気に読んでしまった
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平成15.8.25 初版 476
美しい森の中で大自然に帰るように死ぬ――という幻想が、人々を青木ヶ原に引き寄せる。しかし現実には、遺体を野ざらしにする死に方は、列車へ飛び込んだ轢死体と何ら変わりはないむごい姿をさらす。変死体解剖三十四年の経験をもつ著者が、樹海で白骨化した死体の語る真実、首つり自殺の落とし穴、一酸化中毒の恐怖、家族の苦渋など、自殺死体から読みとったメッセージを明かし、自殺大国となった日本の現状に警鐘を鳴らす! -
上野さんの本は相変わらず面白い