- 角川書店 (2003年6月25日発売)
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感想 : 66件
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Amazon.co.jp ・本 (594ページ) / ISBN・EAN: 9784043405060
作品紹介・あらすじ
20年前の夏の午後、ふと足を踏み入れた洋館で出会った不思議な少女・美宇。黒猫、博識の英国人紳士。その奇妙な洋館の扉からトオルは時空を超えて、「物語」の謎をひも解く壮大な冒険へと走り出した-。
みんなの感想まとめ
冒険と成長をテーマにした物語で、主人公のトオルが不思議な洋館で出会った少女・美宇とともに、時空を超える壮大な旅に出る様子が描かれています。読者は、夏休みのワクワク感と切なさを思い起こしながら、トオルの...
感想・レビュー・書評
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2025/8/27読了(再読)
夏休みが始まるときの冒険に乗り出すようなワクワク感と、終わるときの寂しさ切なさとを思い出させる、夏に相応しい小説。脳内BGMは、前者はアブラゼミかミンミンゼミ、後者はヒグラシかツクツクホウシの鳴き声。そう、昔は今みたいにクマゼミが喧しくはなかった。――って、蟬のことは措くとして……。
難解、癖強めな印象のある瀬名秀明だが、本作はその点(比較的に)ライトで読み易い。まぁ36章の展開は、初読時にはアタマの中で『?』が大繁殖したが、元よりそういう効果を狙っての展開だったのだろうし。あとは作中で語られる“物語”論。物語を“生み出す”側は、そういうことも色々考えているんだなぁと、出来上がった物語を有り難く“消費する”一方の自分は、少し申し訳ない気にもなったりするのである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読。どうしようもなく好きだ。
理屈の通らないところもあるし、そんなのあり?ってところもあるし、ストーリーも描写も、決して完成度の高い作品とは言えないとは思う。
思うのだけれど、やはりどうしようもなく好きなのです。
夢見がちな少年期のわくわくするような冒険譚であると同時に、大人な自分が忘れがちな、あの頃空想した自分が主人公の物語。瀬名さんが今も追い続けている「物語」についての原型が、この作品にはすべて詰まっていると思うのです。普段は行かない通学路のさらに先で巡り合った謎の博物館と謎の少女美宇。友人啓太と異性鷹巣との人間関係。時間を超えて出会う遺跡発掘家のマリエットさんに、古代エジプトの聖牛までもがからみ、亨の小学校最後の夏休みは彩られ、忘れられない記憶を残す。そしてその記憶は、読者の僕にもまた、自分が少年期だった頃の風景を思い起こさせるのです。 -
小説家志望の小学生トオルがミュージアムのミュージアムという全てのミュージアムに通じている場に踏み込んだことより始まる物語。そこに小説の意味を問う作家と、19世紀のエジプトで活躍する考古学者の物語が絡み合う。
ミュージアムはありとあらゆるものが集まっている。しかしただ単に集めて並べているだけでなく、そこに見せ方の工夫が為されている。その見せ方によって物語が生まれる。物が語るから物語。そのことを思い知らされます。
エジプト考古学者の話は亨の冒険に関わるものなので、それが多重的に描かれるのは判ったのですが、作家のパートでメタ・フィクション的構図を示された時、これは物語が創られることの意味合いを説明するにしてもちょっと興醒めだなと思っていました。わざわざ説明しなくても冒険を通じてそれが見えてくるだろうと。
しかし終盤の展開に至り、なるほどこれは必要な要素だったのだと膝を打ちました。これは物語を紡ぐ人たちへの応援歌にもなる物語だし、物語を読む楽しみを再確認させてくれる物語でもあります。
いやでもね、そんなこと全部無視して「小学生最後の夏休みの冒険」というだけでも充分面白いんですけどね。 -
自分は決して理系の人間ではない。
だから、『パラサイト・イブ』も『BRAIN VALLEY』も中学生の頭には、ポカンの一声だった。
だが、文庫本570ページに及ぶ長編を食事も忘れ、文字通り高一の夏休みの二日間飲まず食わずで読み切ったのは、生涯この作品が最初で最後だろう。
その作品が『八月の博物館』である。
終業式帰りに「ミュージアムのミュージアム」という奇妙な館を見つけた小学生・トオル。
エジプトに魅せられた十九世紀の考古学者オーギュスト・マリエット。
小説とは何かを問い続ける理系作家。
三つの話がそれぞれにスタートし、やがて“物語”の名の元に“同調”する。
不思議な少女・美宇と黒猫・ジャック。謎の紳士リチャード・ガーネットに満月博士。
幼馴染み、啓太と鷲巣。恋人の有樹。
ハッサン、カンピュセス、カーとバー、そしてアビス。
メタフィクションという言葉がある。だが、あくまで“物語”を神聖視し、出会った“物語”と生み出した“物語”、そして“物語”の中に生きるということを、ここまでファンタジックに書ける作家は、瀬名秀明しかいない。
それは理系作家としての顔ではなく、ドラえもんのSF(すこしふしぎな)感性に触れてきた、物語作家としての顔が為せた作品である。
物語にははじまりとおわりがある。
終わってしまえば、その後には何も続かない。
でも、あの八月の二日間。
『八月の博物館』に出会った時のトキメキは、ずっと忘れない。 -
中学生の頃、初めての本格小説だったと思います。
2つのストーリーが並行し、「早く学校の話にならないかな」と思ったのを覚えています。
なんか壮大で瑞々しく、そのあと何回か読み返しました。
また読もうかな。。 -
3度目の再読。
最初は大学生の頃。
次は社会人になってすぐ。
そして今。
3つの(4つの?)物語が交わって加速する後半は毎回没頭する。
夏休みと冒険と謎解きが合わさって「これぞ物語」って感じ。夏休み中であることがミソ。
エジプトに行ってみたくなる。
博物館や美術館の面白さに気づく。
物語に入り込みたいときに読みたい本。
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この本を読んで、国立科学博物館に入り浸った大学時代。
未だに、フーコーの振り子の前でぼーっとするのが大好きです。
久々に読み返し中。 -
ファンタジーSFの大長編。小学生の亨、エジプト考古学者のオーギュスト・マリエット、そして私。この3人の主人公が綿密に絡み合う物語は絶品である。特に亨視点での物語は純粋にファンタジーとして面白い。エジプト考古学に関する描写もかなり詳しく、相当な手間がかかっているように思える。ラストシーンはメタフィクションの応酬で内容が難しく、人によってはかなり困惑すると思う。しかし多くの読者が亨少年の大冒険を読み、彼の「小学生最後の夏休み」に共感・懐古できるのではなかろうか。
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不思議な博物館に迷いこんだ少年・亨、創作に行き詰まった作家、19世紀の考古学者の三人の視点で物語が進んでいきます。
不思議な博物館は、今までの世界中のミュージアムとつながっていて、そこから亨と、博物館で出会った不思議な美少女の冒険が始まるのです。
そこに、作家の物語、エジプト考古学者の物語が絡んできて、現在と過去、虚構と現実が入り乱れて、壮大なストーリーに、夢中になってしまいました。
エジプトの遺跡の事等全く知識がないので、読んでもほとんど意味が分からず、またミュージアムのカラクリも、ご都合主義というか、行き当たりばったりで設定変わっていってるような…いまいち、まとまりがないように感じる部分もあったのですが、博物館やところどころに挟まれるエジプトの描写が魅力的で、引き込まれました。 -
20年前、学生時代にBrain valleyが好きだった。その流れで読んだ気がする当作。
当時はエジプト冒険譚として楽しめたんだと思う。
40代の今読み返すと、情景描写が多くて、長さを半分くらいにできるんじゃないかと感じてしまいました。これもタイパの時代だからなのだろうか。 -
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設定は魅力的だけど、詰め込み過ぎ感がありもっとジュブナイル寄りで充分だと思う。同級生との関係性とかあっさりし過ぎててる。
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『盗まれた記憶の博物館』に『アダプテーション』を混ぜた感じ?ちょっと難しい書き方してるけど話は面白い。
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読み進めるのが難しい本でしたが、ストーリーは良かったです。小学生の頃の気持ちを思い出した気になりました…好奇心とか異性との接し方とか?笑 夢があるというか、映画ドラえもんのような話でした。でもこのタイプの話は中々ない…出会えないです。
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博物館に行きたくなった
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素敵なタイトルに惹かれて購入。
博物館を展示する博物館という発想は面白いし、博物館、美術館好きなら楽しめそうだなと思いましたが、ちょっと説明がくどいかな~。
いろいろ博物館を紹介したい気持ちは分からないでもないけど。
その内容とあわせて「オーギュスト・マリエット」の伝記的な要素、タイムトリップ、現在、過去、未来と時間軸の移動とちょっと内容盛りだくさんにしてしまった感があり、ラストまでストーリーを引っ張っていくリズムが乱れたように感じました。正直読みにくいです。
作品中に出てくる「見せ方の工夫」をもっと工夫してほしかった。
映像化したらけっこうおもしろそうなので、映像化に期待します。
「アイーダ」が出てくるとは思わなかったので、目からうろこ!でした。 -
少年と作家と考古学者という奇妙な組み合わせが物語を通してひとつになっていくのが素晴らしい。小説を書くということの難しさを知った。
今までのSF小説とは違い、書くということ、言葉の力と言うものに目を向けた瀬名さんにしては珍しいとも言える作品。 -
久々に小説を読んで挫折。
三つの場面を統合できませんっ!なおかつ作家の苦悩の部分が筆者ご本人の苦悩とシンクロしてしまい読んでて痛い…
せっかく夏がくるからそれらしいものと手にとったのに残念…夏・美術館という組み合わせは最高にワクワクするのになぁ…
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著者プロフィール
瀬名秀明の作品
