アンネ・フランクの記憶 (角川文庫)

著者 : 小川洋子
  • KADOKAWA/角川書店 (1998年11月1日発売)
3.69
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043410033

アンネ・フランクの記憶 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 途中から著者とともにアンネフランクについて知る旅に参加しているような気分になりました。ドイツとオーストリアは訪れたことがあるので街並も想像しやすかったです。それは決して"楽しい旅行"ではありませんでしたが、アンネフランクという人物をいままでのイメージであった「ナチスの被害者」としてではなく、ひとりの少女として向き合わせてくれる有意義な旅行でした。著者の人物・建物・景色etcの描写がとても素晴らしく、著者のみている世界を飛び越えてアンネがみていた世界も感じることができました。

    思い返してみると小学生の頃図書館で、アンネフランクの漫画版の伝記を読んだのが彼女との初めての出会いでした。しかしその時は「かわいそうな女の子」という印象しか持てず、彼女の文才や豊かな感受性には気づくことができませんでした。だからこそ今回の旅に出発して、著者がもっているアンネに関する豊富な知識を得つつ、アンネの新たな一面をみつけることができてよかったです。

    偶然にも私の祖母はアンネと同級生。誕生日も一ヶ月ほどしか変わりません。今日祖母の横顔を見つめながら「ああ、アンネも生きていたら私の歳くらいの孫がいたのかもしれないなぁ」と考えてしまいました。祖母からは戦時中の話を何度も聞いたことがありますが、同時代にヨーロッパでアンネが生きていたと考えるとなんとも不思議な気持ちになりました。

  • 小川洋子さんが、ものを書くということの力を見出す源となった、アンネ・フランクの日記。そのアンネの足跡を辿ってゆく旅の記録。小川洋子さんの視線から、アンネを捉え直すことができて、とても興味深い。日記をもう一度読み直そうと思う。

  • 写真とかあるわけじゃないのに、想像できる
    中学の頃朝の読書タイムの時、こればっかり読んでた

  • 6/22読了。小川さんと一緒にアンネの記憶をめぐる旅をしてきた気分。文章から「言葉を綴るのが好きな少女」だった小川さんのアンネへの思い入れの深さがひしひしと伝わってくる。アンネの日記をもう一度読み返したくなった。

  • やっと『アンネの日記(完全版)』を読むことができたので、勢いで小川洋子さんのアンネ本も。時間も距離も越えてアンネを「“ほんとうの”友だちだと勝手に信じてしまった」小川さんのアンネを訪ねる旅の記録。「特別に大事な古い友人、例えば長年文通を続けてきた才能豊かなペンフレンド」の死を悼むような想いで旅に出た小川さんの切実な気持ちにそれだけで胸がギュッとなる。

    作家として「どうして小説を書くようになったのですか」と質問されるたびに途方にくれてしまうという小川さんが、自分の中の書きたい欲求を遡っていくとき辿り着くのがアンネの日記であること、アンネを真似て日記を書き始めた少女時代からいつのまにか作家になり、何冊も本が出版されるようになってもやっぱり「書くこと」について考えるとき小川さんはアンネへの感謝の想いでいっぱいになること、本文前の序文に書かれたそれらの言葉のほうが私には本文より泣けました。

    たとえば『人質の朗読会』という作品などに顕著に小川さんのその「なぜ人は小説(物語)を書くのか」「なぜ人は物語を求めるのか」という探求の姿勢が現れていると思う。私もこの年になってようやくアンネの日記と向き合って、その答えが全部この1冊に詰まっていたことを実感しました。

    アンネの隠れ家やアウシュヴィッツの見学だけでなく、日記にも登場するアンネの親友ヨーピーことジャクリーヌや、アンネの日記を保管してくれたミープさんらを訪問することも旅の目的には含まれている。彼女たちがまだ存命してくれていて良かった。そしてアンネが架空の人物ではなく実在したことを、彼女たちに会うことによって小川さんも実感されたのではないかと思う。

    戦争の愚かさ、人種差別など大きな問題以上に、一人の少女としてのアンネの魅力、アンネに対して感じる親近感、彼女の記した日記がそうであったように、この旅の記録からも大事な友達を失った一人の女性がその足跡をただ辿ろうとしただけで、それ以上の大義名分は感じない。そこがとてもいい。

    たとえばどんなに声を大にして、戦争はだめですよ、人種差別もだめですよ、と実感もなく正論を説かれるより、たった一人、大事な友達を戦争や差別によって奪われた、その悲しみや悔しさのほうがきっと大きくて、戦争や差別をなくしたいという強い気持ちに繋がる気がする。二度とアンネを死なせたくない、だからこそ『アンネの日記』はこれほどまでに読み継がれたのでしょう。

  • たいていの人は、「アンネの日記」を教科書とかで読んでると思う。田野倉もその口で、それから文庫を買って読んだ。その後、完全版の文庫も出たので、それも読んだ。この本は、「アンネと友達になってる」気がしている作者が、アンネの足跡を追っている紀行本。けれど、ただの紀行本ではない。オランダやポーランドに未だ残る戦争の爪あとが、当時書かれたアンネの日記と重なる時、何故だか泣きそうになった。

  • ある経験を機に再読。
    先に読み返しておくべきだったかな?そうするとその経験も変わったものになっていたやもしれませぬ。
    まぁともかく日本での受容に対する色んな見方が存在するという解説が一番衝撃的というか、目から鱗というか。解説含めて多くの人が手に取り、沈思すべき本であります。

  • 小川洋子が大きな影響を受けている、アンネの日記にまつわる紀行エッセイ。

  • ミープさんの佇まいに、私も心が震えた。

    また、規則正しさの怖さ。

    小川さんの文学にいかにアンネの叙述が影響を与えているか認識した。

  • 「アンネの日記」に続いて、小学生ぐらいの頃に読んだ。その後、大学生ぐらいになってから「博士の愛した数式」を読んで、同じ小川洋子さんが書いたものだと知った。そう思って読んでみるとまた違った感じがありそうなので、もう一度読みたい本。

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