偶然の祝福 (角川文庫)

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  • 角川書店
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レビュー : 277
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043410057

感想・レビュー・書評

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  • 『涙が落ちて、それが宝石になる』

    わかっていることと理解していることは違う。このままじゃダメだと思っているのに、手を繋いだまま崖に向かっていってしまう。視野を、視野を広くしなくては。物語は誰かの視界を介して複雑に移り変わっていく。見ているものは一つなのに。それは赤く、丸く、重く、薫。リンゴを見てあなたはなにを一番に思い浮かべるのか。

  • 作家をめぐる弟、犬、子供、恋人にかかわる7つの短編。
    どれもが、適度な湿り気とざわざわした感じと、少しの光を兼ね備えた小川洋子の世界。
    航空会社の嘔吐袋を収集していた伯母さんと失ったものをあるべきところに戻してくれるキリコさんが印象的だった。

  • 小川洋子の最果てアーケード以来の連作。
    読みやすいけれど、相変わらず主人公の現実とは僅かに隔絶された感覚がしんどい。

  • 久々に小説に酔う、という体験をした。
    時差ボケで気持ち悪い、というのと似ていて、自分にとってまるで異世界であるSFやファンタジーの世界に入り込むのとは違った、例えばアメリカなどの海外と日本を行き来すると生じる体内時計のズレのような感覚。

    村山春樹さんの「ノルウェーの森」を読んだときも感じて、これは現実の話なんだけど、ある種私の知っている現実ではない。
    いわば、統合失調症の人が見る世界のよう。
    ノルウェーの森も、この作品も、どこにも「統合失調症」なんて出てこないけど、複数の世界を生きるかのようなこの感じは、統合失調症の人特有の世界の見え方な気がします。

    読んでいてこの小説は、すごく静か。驚くくらいに音がないです。
    事実だけを見ると波乱万丈な人生を送っている "私" ですが、どこか現実とは遠いところで生きているかのよう。
    生きにくさを抱えながらも、「書く」ということがいつも人生の危機から彼女を救ってくれていたように思います。それから、いつでも逃げ込める空想の世界が。

    朝起きて、何か夢を見たみたい、と感じるのと同じ読了感。不思議な、小説でした。この世界を作り出す小川さんの力がまたすごい。

  • 2015*12*28

  • ほぼ内容忘れちゃった。
    ただ、小川さんって
    読み終えて気持ち良かった
    ってのだけ残ってる…

    失踪者たちの王国
    盗作
    キリコさんの失敗
    エーデルワイス
    涙腺水晶結石症
    時計工場
    蘇生

  • この主人公の女性は、会話するときはどんな内容なんだろうか。返事ぐらいしかしないのかな。不思議ちゃん。お子さんが幸せになるといいなぁ。小川さんは既読感があまりない。ストーリーが思いもよらない展開をしたりするから。そこが面白い。

  • なんとも言えない。
    とても読ませる文章だし、気持ちになにか残ってるけど言葉に出来ない。
    注意深く読まないと章が変わった時どこにいるのか分からなくなる。
    アポロが助かって良かった。

  • 読んだ時の環境も影響しているのかもしれないが一貫性が感じられなくて読んだ後があまりすっきりしなかった。

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著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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