もの食う人びと (角川文庫)

著者 :
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レビュー : 444
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043417018

作品紹介・あらすじ

人は今、何をどう食べているのか、どれほど食えないのか…。飽食の国に苛立ち、異境へと旅立った著者は、噛み、しゃぶる音をたぐり、紛争と飢餓線上の風景に入り込み、ダッカの残飯からチェルノブイリの放射能汚染スープまで、食って、食って、食いまくる。人びととの苛烈な「食」の交わりなしには果たしえなかった、ルポルタージュの豊潤にして劇的な革命。「食」の黙示録。連載時から大反響をよんだ感動の本編に、書き下ろし独白とカラー写真を加えた、新しい名作文庫の誕生。

感想・レビュー・書評

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  • ものすごく好きな本。
    辛いと思う部分はありながらも、率直に書かれていて、
    読んでいて、とても気持ちのいい本。
    貧困、犯罪、病気などの中でも、食べることは尽きないことであり、食べるものがいかにその人を表しているのかも表れていると感じた。特に、ソ連崩壊の影響を受けている地域では、とてもリアルに人々の生活や苦悩が描かれていて、衝撃を受けた。

  • 人は何かを食べて生きている。世界中の人々の「食べる」という行為を描写しながらその奥にある文化や宗教や価値観や生活その他すべてを浮き上がらせていく。辺見庸さんの文章が好き。

  • 世界には色んな状況の色んな人が、色々な感情を持って生きているのだなと実感出来る。ただ厳しい状況を説明されるより、その状況の飯を食うことは生々しい感覚が伝わりやすいように感じた。

    チェルノブイリで放射線を気にしながらも現地のものを食い酒を飲む姿は圧巻。「諦めで疑いを乗り切る。今日の日をそうしてつなぐ。そのような生き方もある」。今の自分自身の状況とまるで違う人達なのに、なんかわかる気がする。

    元祖「ハイパーハードボイルドグルメリポート」といった感じで、スラムや刑務所など色々な意味でハードな状況に興味のある人にはオススメです。

  • 「もの食う人びと」辺見庸著、角川文庫、1997.06.25
    366p ¥720 C0195 (2020.06.23読了)(1998.08.11購入)(1997.09.25/3刷)

    【目次】
    旅立つ前に

    残飯を食らう
    食いものの恨み
    ピナトゥボの失われた味
    人魚を食う
    ミンダナオ島の食の悲劇
    食と想像力
    胃袋の連帯
    うどんの社会主義
    ベトナム銀河鉄道

    塀の中の食事
    食とネオナチ
    黒を食う
    敗者の味
    サーカス一座の意味ある空腹
    菩提樹の香る村
    様々な食卓
    魚食う心優しい男たち
    聖パンと拳銃と
    大観覧車で食べる

    モガディシオ炎熱日記
    麗しのコーヒー・ロード
    バナナ畑に星が降る
    この王様のこの食事

    兵士はなぜ死んだのか
    禁断の森
    チェロ弾きの少女
    美しき風の島にて

    儒者に食事作法を学ぶ
    背番号27の孤独な戦い
    ある日あの記憶を殺しに
    あとがき  1994年5月 辺見庸
    文庫版のあとがき  1997年5月 辺見庸
    解説  船戸与一

    (「BOOK」データベースより)amazon
    人は今、何をどう食べているのか、どれほど食えないのか…。飽食の国に苛立ち、異境へと旅立った著者は、噛み、しゃぶる音をたぐり、紛争と飢餓線上の風景に入り込み、ダッカの残飯からチェルノブイリの放射能汚染スープまで、食って、食って、食いまくる。人びととの苛烈な「食」の交わりなしには果たしえなかった、ルポルタージュの豊潤にして劇的な革命。「食」の黙示録。連載時から大反響をよんだ感動の本編に、書き下ろし独白とカラー写真を加えた、新しい名作文庫の誕生。

  • 高校生の時に読んで激しい衝撃を受けた。
    今読み返しても、やはりとても強く揺さぶられる。
    しかし、当時は遠い話に思えていた貧困、戦争、放射能汚染などが、20年ですぐ身近になってしまったこともショックだ。
    それなのに、未だに戦争中の過ちを認めずにいるこの国。
    残留日本軍に家族を食べられた方たち、従軍慰安婦の方たちの苦しみ、怒り、悔しさを私は飲み込んで自分のものにして生きていきたい。

  • 2020.4.29 読了。
    「食う」を切り口に世界をリポートするノンフィクション。読み終えるのに約8年程の年月がかかってしまいました。
    一話一話は短いものの、重く、暗く、濃い話が多く、一話読んでは積読を繰り返していました。もちろん、全部が全部陰鬱な話ではありません。中には「魚食う心優しい男たち」のように明るい話もあります。 最初の話からかなりショッキングで吐きそうな気持ちになりながらも、でもこれは読み遂げなければならないなと感じていました。世界に起きていたこれは事実だから、目を背けてはいけないなと。

    時代は違っても今はまた違う国で同じような事も起きてたり。ここで悲惨な事が書かれてあっても、今は安定していて、観光目的で行けたり。
    日本も戦後はここに書かれていても不思議ではない状況だったんじゃないかなと思います。今でも食糧自給率40%くらいのくせに、大量の食物を廃棄している私たち。何かあったらあっという間に干あがっちゃいますね…

  • 齋藤孝さんの本で取り上げられていたご縁で読んでみました。
    なんだこの襲ってくる圧倒的な何かは。上手く説明が出来ないけど、食というテーマが貫かれているからこそ、浮かび上がってくる様々なこと。こんなものしか食べれないんだ、可哀想、という薄っぺらい感想に留まらない色々な思いがわいて出てきます。的確な言葉がみつからなくて悔しい。辺見さんすごい。

  • 食に対する著者の探究心
    世界中での様々な食の在り方にすごく衝撃を受ける
    文が非常に上手いため読みやすい
    海外に行きたくなる作品

  • 日本は食に恵まれている。長年の飽食に慣れ、だらしなくなった舌と胃袋をいじめるために旅にでる著者。食べ物に感謝したくなる本です☆

  • ニュースで聞いていたことはただの単語でしかなかったと思い知らされた。背景や人の動き、著者の心情、もちろん食べ物もとにかく細かく記されているから、とても生々しく感じることができ、呼んでいるだけで胸がドキドキした。見たこともないのに、記された人たちの顔が迫ってくるような迫力もあった。

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著者プロフィール

1944年宮城県石巻市生まれ。早稲田大学文学部卒。70年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、編集委員などを経て96年、退社。この間、78年、中国報道で日本新聞協会賞、91年、『自動起床装置』で芥川賞、94年、『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞受賞。2011年『生首』で中原中也賞、翌年『眼の海』で高見順賞、16年『増補版1★9★3★7』で城山三郎賞を受賞。

「2021年 『月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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