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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784043417032
作品紹介・あらすじ
くずきり、するめ、ホヤ、プリン、コンソメ……そしてゆで卵。食物からはじまる男と女のそぞろ哀しく、妖しい出会いとエロスを描く、どこまでも不埒で無常な性愛小説。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
食物をテーマにした短編小説集は、男と女の哀しみや妖しさを描き出し、独特のエロスを纏っています。その中でも、特に表題作は1995年の地下鉄サリン事件に基づいた体験を中心に据え、記憶や死、性愛が重なり合う...
感想・レビュー・書評
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硬ゆでにしたゆで卵は、半熟にはない悪臭がする。その臭いをどこで感じたのか。地下鉄に乗っていたとき、半透明の液体の入った袋を…。
食べ物が出てくる短編小説集。表題作は比較的長いが、それ以外は4~5ページの長さで、それぞれ主人公が女性であったり、若い男性であったりするが、視点を少しずらしたりという書き方であり、私小説と行ったたぐいであろうと思う。
巻末には、文庫本版用に、「多分誰も解説を書いてくれないから」と本人が解説を書いている。その中で私小説であるようなことをほのめかしているので、たしかにそうなのだろう。
文庫で4~5ページという短さから、どうしてもどれがどうだったかわからなくなるし、印象に残っても他の作品とごっちゃになるという欠点がある。
全体にあえて純文学っぽく書いているのだろうし、その中でもストレートなストーリーでわかりやすいタコの話、劇団員で偽家族を演じるマスクメロン、不倫の末に少年自然の家に泊まってしまうエビフライ、自分に似た痴漢のおっさんが捕まるまでのキイチゴ、そして人の肉を食ったというひとなど、印象に残るものも有れば、文章をこねくり回してよくわからないもの(終盤数作)などもあり、バラエティには富んでいる。
一方で、表題作からも、性的な話によりすぎており、さらには少々露悪的なところがすんなり受け入れられないものもあり、かなり読者は選ぶのではないか。
高尚な本ではないです。ただ、面白くないと思う人は仕方がないかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あらすじ
日本中を震撼させたあの朝、「俺」は何を見て、何をしたのか…。死と性愛、記憶とにおいが重奏する、どこまでも不埓で無常な物語。地下鉄サリン事件の現場に居合わせた著者の実体験に基づく問答無用の話題作、ゆで卵。ほか、くずきり するめ ホヤ プリン ゲンゴロウ コンソメ ハンバーガー-食物からはじまる男と女の、そぞろ哀しく、妖しい出逢いとエロスを描いた傑作小説21篇を収録。著者による自作解説つき。 -
地下鉄サリン事件の現場に遭遇した辺見庸の、おそらく体験に基づく創作を筆頭に、食べることをめぐる短編小説を集めた作品。
辺見庸が地下鉄サリン事件について書いてるのを読みたい、と思って手にとってみたが、あの事件についての記述としては視点が異様で、最近の言葉(?)で言えばわりと「不謹慎」というやつなのだが、そうした流されない視点でものを見て書けるということが、(良くも悪くも)彼の特技なのであろう。
ただ、彼の性的な描写(あるいはジェンダー描写)はあまり好きにはなれないので、個人的にはそこまで良くなかった。
辺見庸の作品は好きだが、短篇集はあまり好きではないのもあり、全体の半分ぐらいで読むのをやめてしまった。 -
ゆで卵のみ読んだ。そんな気分になるのか。
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表題作のほか、「くずきり」「プリン」「ゲンゴロウ」「するめ」「ハンバーガー」「タコ」「スパゲッティ」「ホヤ」「マスクメロン」「スズメ」「コンソメ」「エビフライ」「キイチゴ」「ピザパイ」「ステュウ」「シリアル」「BLT」「ひと」「水」「ホットケーキ」の短編21作を収録。1995年3月20日の東京地下鉄サリン事件の現場に居合わせた体験を軸にした私小説の表題作が抜群に優れている。後は玉石混交。
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中学生の時、学校の図書室でこの本を読んだのだが、今になってもう一度読み返してみると、その妖艶さ、というのか、作品の持つ雰囲気を新たに感じることができた気がする。それがなくとも中学生の僕は、この本を切欠にねじ曲がってしまったような気がしているのだけれども。
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食べること、生きること、性。
五感が刺激される。
「美味しそう」って思わせるわけではないけど、
食べ物のイメージが、臭いが、文章から強烈に伝わってくる。 -
タイトルと冒頭で食べ物系のエッセイ?と思い。
ちょっと読んでグロい小説?と思い。
二ヶ月ごしくらいに読了。
食品にまつわる短編集でした。
冒頭の「ゆで卵」は、グロい、グロい、と思いながら読んでいたら、なんか、こういう形で伝えたいことがあったのだなと思った。
しっくりきたというか。
不快感というか、つきつけられたものは、無意味なものじゃなかった。
グロテスクではあったけど。
ルポっぽい。
とか、頭の悪いことしかかけません。
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ぽくぽく。
ぽくぽく。
短編集。
なんか良い、話があった気がするんだけど、はっきりと思い出せない。
感想は読後、すぐに書くべきだね。 -
「もの食う人々」が面白かったので読んでみました。・・・好みの問題ですけど、あんまりでした。
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エロスと食べ物の融合というより、元々この二つは本質的に同じものなのだと思わされた。好みの文体です。
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ホヤ、くずきり、コンソメの話が印象的。独特な妖しさがあり好きなひとにはたまらないと思われる一冊。
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食べ物をタイトルに持ってきているのに、どちらかといえば食欲がなくなる。ゆで卵をたべる「ぽくぽく」という音は楽しそうなのだけどね。
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ぽくぽく
古いゆで卵は硫黄のにおい。
サリン事件で倒れていた人の顔の記憶。まるで笑っているように倒れた被害者。その後の古いゆで卵のような女の におい。
作家は、ジャーナリストです。
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ゆで卵を食べる時の音って、どう表現しますか。
本全体の内容はちと照れます。 -
辺見庸が単なるジャーナリストの枠には収まり切らなかったことを証明するような本書。なんと≪小説≫なのであります。
著者プロフィール
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