しのびよる破局 生体の悲鳴が聞こえるか (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043417124

感想・レビュー・書評

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  • 世界がどこに向かっているのか、すごく気になります。この本は考えるべき事を教えてくれます。民主主義が最良のシステムではない。代替案はないのか、人間ってなんでしょうか?知性ってなんでしょう?この本は自分たちに現実を突きつけ、考えることを迫ります。多くの人に読んでもらいたいと思った。

  • 初読。経済的繁栄がすべてではないと政治家は言ってくれない。資本主義が欠陥のあるシステムだと実業家は指摘してくれない。マスコミは勝者にしか寄り添ってくれない。辺見さんの批判が信頼できるのは、他者を切りつけるだけでなく、自分をも切り刻んで自ら血を流すところだ。そんな彼も死への行列に入っていて、遠からず彼を失う日が来るのだと思うと、泣きたくなる。

  •  マルクスの『経済学・哲学草稿』には「モノの価値増大は人間価値の低下なのだ」と理解できる記述がある。モノの価値増大とは労働者が商品をより多くつくるということである。日々、他社との差別化と称して、工場の効率化を推し進める先には労働者人数の最小化がある。単純に考えると労働者は自分の首をしめながら働いているわけだ。資本家は人間(労働者)を売り買いできるモノとしかみていない。西洋型利益優先主義の先に未来はないといえる。

  •  末期資本主義という言葉にガツンと頭を殴られたような気がする。
     資本主義はこれ以上良い方向には向かわないのだろうか? 社会システム、価値観、文化の昨今は指摘の様に人間性からは遠のいている。
     人間とはなにか、人間とはどうありべきなのかの哲学的な問いから、方向性を見失わないように、辺見氏の使命かのように語られている。
     カミュ「ペスト」が読みたくなった。

  • オススメの理由
    日々目まぐるしいスピードで便利になっていく世の中で、私たち人間が失っていくものに目を向けたことがあるでしょうか。
    本書で紹介されるカミュの『ペスト』の一節ですが、<これから悪いことが起きるというのはじつはまちがいであって、いままさに起きているのだ、しかしそれが見えないのだということです。日常がコーティングされてしまえば、今日は昨日のつづき、明日は今日のつづきというイナーシア(慣性)がつねに支配していくでしょう。日常というのは楽観と鈍感と無思慮で、継続、維持されている。>日常生活で奇妙な現象・事物にあったとしても、それが数日、数週間続くと慣れてしまう。この”慣れ”というものが恐ろしく、まして自分が生まれる前から存在していたものは水や空気の様にあって当然のものと捉えてしまう。
    毎日新しい物が開発される環境で、その物がどのようなものなのか考える暇もなく使いこなすことを要求され、可視化されたものが評価される世の中で目に見えないものへと思索を巡らす機会はとても少ないと思います。本書を読むことにより”見ようとしないと目の前にあっても見えないもの”を見つめる。
    人によって感じ方は違うと思いますが、私にはこの本が社会や人間の事を考えるきっかけとなったので是非お薦めしたく思います。

    推薦者のページ
    http://booklog.jp/users/a22i4u

  • 文章(今回は「語り」か?)全般はあいかわらずバランスがとれていて、かっこいい。でもその中に推測が入りがちで、いろいろ危うい。

  • 今がどういう時代なのかを考える糧にはなると思います。無論、本書の内容を無条件で肯うわけではありませんが。

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