RIKO ‐女神の永遠‐ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1317
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043428014

作品紹介・あらすじ

男性優位主義の色濃く残る巨大な警察組織。その中で、女であることを主張し放埓に生きる女性刑事・村上緑子。彼女のチームは新宿のビデオ店から一本の裏ビデオを押収した。そこに映されていたのは残虐な輪姦シーン。それも、男が男の肉体をむさぼり、犯す。やがて、殺されていくビデオの被害者たち。緑子は事件を追い、戦いつづける、たった一つの真実、女の永遠を求めて-。性愛小説や恋愛小説としても絶賛を浴びた衝撃の新警察小説。第十五回横溝正史賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 1995年初版。第15回横溝正史賞受賞作品。

    RIKOシリーズ三部作の第一作。30年前の作者のデビュー作だが、今なお読み応えがある。

    男性優位の警察組織で、放埓だけれども、芯を通して生きる女性刑事・村上緑子(リコ)。彼女のチームは新宿のビデオ店から1本の裏ビデオを押収。そこには男が男を犯すという残虐な輪姦シーンが。やがてビデオの被害者が殺されていく。真相に迫る中、少しずつ明るみになることに驚愕を隠せない。

    警察推理小説の部分は事件が複雑で、更に主人公緑子の奔放な恋愛・性愛を織り交ぜて1つのストーリーに組み立てている。

    デビュー作にして作者の才能や力量が惜しみなく発揮されている作品と言える。話の展開は、ジェットコースターに乗ったように冒頭部分はゆっくりだが、途中で高速になりそのまま読了となった。

    読了後に作者は女性ということを知って合点したのは、女性ならではの恋愛・性愛の描き方をしているという点だ。性愛小説や恋愛小説という面でも成功している。

  • いやあ面白かった。
    セックスのことばっかり書いてある小説は大嫌いなんだけど、これは例外。事件のえぐさを際立たせるように描かれているおかげかもしれないし、ジェンダーが根底に敷かれているから、官能小説ばりの性描写に不快感がないのかもしれない。
    「あばずれ」の素質は誰にもあるかもしれなくて、ただ貞淑たれ、清楚たれと自他の抱く、刷り込みのような「夢」が理性というブレーキになるか、汚い、気持ち悪いという負の感情になるだけで、愛されたい・望まれたいとの欲求のただ率直な裏面になるんだろうと思った。
    決して品の良い物語ではないので勧めづらいけど、これは面白いよ。このあと第二弾、第三弾と続く。

  • 主人公に全く感情移入ができなかったのに
    読むのをやめられない。。。そんなストーリーでした。
    どなたかが書いてらっしゃったけど
    早い段階で、犯人がわかってしまうのが残念です。
    ですが、2、3と続編があるようなので
    やはり読んでみたいです。^ ^

  • 男尊女卑上等な警察組織で逞しく生きる女刑事 緑子
    面白かった
    扱う事件は残忍で巧妙
    被害者心理に漬け込む卑劣な手口
    それに挑む緑子の奔放さには呆れるばかり
    主人公に全く共感できないのに面白く読めるのは凄い
    次作も引き続き期待したい

  • 柴田よしき作品2作目。『聖なる黒夜』を読んで、錬や麻生に会いたくて購入するも、出てこなくてがっかり。
    何とお盛んな女性だろう・・・と若いときの私だったら呆れているだろう。もう20年以上前の話、アパートを女3人でシェアしていた。そのうちの一人は、モテ期で、3日連続で3人の男性を日替わりで食べてた。あの時、ため息と呆れた・・・のを思い出した。でも今は・・・気持ちはわかる。力で抑え込まれたら男には勝てない。だから、気持ちだけでも相手に飲み込まれず、反抗しながら抱かれている。
    この前後に読んだ、五十嵐貴久著『交渉人』シリーズや西村健著『地の底のヤマ』でも警察内部の人間関係の難しさというか、事件を解決した刑事への他の刑事からの嫉妬というのが描かれていたが、そういう内部の軋轢というのもあるのだなぁ。警察官なんてただでさえ迫力があるのだから、一般人だったら震え上がってしまいそう。
    この作品に出てくる麻里のように、勤続年数が長い女性社員には世渡り上手が多い。勤務中は笑顔を絶やさず、掃除やお茶汲み、花の水換えなどの雑用を、さりげなくきっちりこなす。日本の封建的な職場社会において好かれるということはどういうことか知っている女性。道化であることを恥じとせず、いつもにこやかに微笑みながら、あまり頭は良くないが真面目で優しい女性を演じている人。賢いから自分をチャかせる。彼女たちは、とても我慢強いと感心する。私はまだまだ修行が足りない・・・というか、たぶんバカだから頭ではわかっていてもそうできない。ちょっと爪の垢でも煎じて飲まなきゃ。

  • 愛してる愛してる愛してるってぇ~そんな連呼しなくていいよ~ってウンザリ(^^;;愛してるじゃなくて、愛して欲しいの~の、緑子ちゃんなのね。事件が、もっと全面に出てれば良かったのになぁ。でも、出てくる男がカッコ良さげだから·····許す!シリーズなので、一応ちゃんと全部読みます。柴田サン、こういうの好きだよね(笑)もっとハードボイルドな女刑事が良かったなぁ。

  • 女性が男性社会で戦うことの厳しさ、性差というものをえげつなく描いている。
    共犯者については読んでいく途中で想像した通りだった。
    事件の内容より、緑子の内面描写が印象的だった。

  • 評価は4.

    第15回(1995年) 横溝正史ミステリ大賞受賞

    内容(BOOKデーターベース)
    男性優位な警察組織の中で、女であることを主張し放埒に生きる刑事村上緑子。彼女のチームが押収した裏ビデオには、男が男に犯され殺されていく残虐なレイプが録画されていた。第15回横溝正史賞受賞作。

  • 面白くて一気読みした。主人公に同調はできないけど、周りの男達の身勝手さに閉口させられる。自分が好きならば相手も当然自分のことを好きで、好きだから彼女をどう扱ってもいいと思っている男、そういう輩が実際に存在するからタチが悪い。
    事件自体もショッキングなものだけど、それ以前にRIKOの経歴が凄まじくて衝撃的!

  • 他のひとのプレビュー見たら リコはめっちゃ評判悪くて コテンパンだけど わたしは りこ キライじゃないよ むしろ好きかも。
    ストーリーも面白かった

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著者プロフィール

 小説家、推理作家。
『RIKO-女神の永遠』で第15回横溝正史賞。
 猫探偵正太郎シリーズ、花咲慎一郎シリーズ など。

「2021年 『猫日記 Cat Diary』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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