覆面作家の愛の歌 (角川文庫)

著者 :
制作 : 高野 文子 
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1172
レビュー : 94
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043432028

感想・レビュー・書評

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  • 本作品の内容以上に、著者の覆面作家発足当時の担当編集者であった大多和伴彦さんの文庫解説に胸を打たれた。
    シリーズ二作目となるとこの文庫の第1話「覆面作家のお茶の会」に秘められた著者の思いやりが披露されています。とても良いお話です。ぜひお読みになる事をお勧めいたします。

  • 覆面作家シリーズの第2弾。キャラクターの心模様はより深く、シナリオはより幅広くと物語の面白さは高まってきて、とうとう中長編、そして死人が!と相成る本作。…なのですが、ごめんなさい、その渾身の長編がちょっと肌に合わなかったです。いつも通り人物描写にはぐいぐい引き込まれるのですが、あの、率直に申し上げてトリックが…。難解と言うより、いささか理屈に寄り過ぎたような印象を持ちました。

    元々自分自身に謎解きより物語自体を楽しみながら読む傾向がありましたので、北村先生の作の中でもとりわけ軽妙なこのシリーズでこの仕掛けはちょっときつかったかも。3巻のハチの話の方がしっくり来るのですよねえ。

    でもやっぱり面白いのですよ。解説にまでほろりと泣かされるだなんて。

  • 2作品目で、ちょっと何かわかってきた。
    殺人も子供の誘拐も全く大したことがないかのように、
    ゆるーく流れるストーリーの中で、
    折にふれ交わされるお嬢様と岡部くんの
    言葉遊びのような浮世離れした会話に
    読者は魅かれているのだと。

    ぷりっとした寒天を薄味のシロップで食べながら、
    たまにこりっと塩味の豆を楽しむ感じとでも言おうか。
    あんみつもフルーツみつ豆も邪道ね、
    とでも言うような高潔さが、そこにはある。

    それはそれで一つの好みとして理解できるし、
    一種のミニマリズムとして悪くない趣味だと思う。

    だが、なんだろう、もうちょっと毒と言うか、刺激が欲しい。
    心太に辛子というのは好きではないだが、
    みつ豆に塩昆布ではほっとしてしまうし、
    もっとぴりっとくるわさびか山椒のような刺激。
    その欲求は、多分に私自身の性格の悪さからくるとしても。

    とはいえ、現実としては、
    みつ豆にわさびも山椒も似つかわしくない。
    私の好みは黒蜜がけのフルーツみつ豆だ。

  • ミステリー雑誌の編集者をしている岡部良介は、ペンネームが<覆面作家>という美しい女性新妻千秋の担当者。

    ある日、良介の会社の『推理世界』のライバル誌『小説わるつ』の担当者、静美奈子が新妻に原稿を書いて欲しいと現れる。

    話しを聞くうちに良介と新妻は、ケーキ屋に嫁いだ静の同級生の話になり、ある事件を調べることに…。

    <覆面作家シリーズ>第二弾。


    新たなキャラクターと先の読めない事件、両方楽しめました。

  • 二重人格美人作家とその編集者のコンビが、今日も今日とて事件に首を突っ込む。
    前巻は身近な事件だったが、今回は殺人や誘拐など、本格的な事件になっている。
    ミステリ部分以外、コンビ2人の距離感もなかなかに面白い。

  • お嬢様相変わらずかわいい。
    双子の関係も面白いです。
    北村さんの話は、確実に登場人物が成長していく感じがしていいです。

  • 覆面作家シリーズ2作目。新レギュラーが登場して世界が広まったり徐々にメインキャラ勢に恋愛のお話も絡んできたり。

  • 覆面作家2作目。円紫さんシリーズよりこっちのほうが断然好み。

  • 2003年3月20日読了。以下、過去の日記から抜粋。

    シリーズ二作目。三篇収録。ラスト一篇表題作がやや長め。
    今回は新たに女性編集者静さんが登場する。
    なかなかのバイタリティであっという間に場に溶け込む。
    物語とは関係なく、これが働く女性なのかと思った。
    仕事をただ待つのではなく、情報収集に余念がなく、
    これだと思った相手にはひたすらアタックする。
    その強引さすらも憎めない、魅力的ですらある。

    めずらしく、あとがきがついていた。
    読んでみて、納得した。
    きっとこの人が静さんのモデルさんなのだ。
    北村氏はこの人が本当に好きだったのだ。

  • 色の名前が随所に出てきて嬉しかったです。鮮やかで綺麗。
    お嬢様の二重人格さに吹いた。

著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。高校教師を務めるかたわら、89年『空飛ぶ馬』で作家デビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞、09年『鷺と雪』で第141回直木賞、15年には第19回日本ミステリー文学大賞を受賞した。エッセイや評論、編集の分野でも活躍している。近著に『八月の六日間』『太宰治の辞書』『中野のお父さん』など。

「2019年 『覆面作家の夢の家 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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