覆面作家の夢の家 (角川文庫 き 24-3)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043432035

感想・レビュー・書評

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  •  「覆面作家」というペンネームの作家というと構えてしまうのだけど、これがとてもステキなお嬢さんである。家の中では清楚なお嬢様、外に出るとそのままの姿でちょっと男っぽい口を利くきびきびとした、でもちょっとぼけた女性。魅力的な彼女が探偵役をつとめる連作ミステリ。
     一応今回は殺人も起きるので、ミステリの名に恥じないんだけど、ちっとも血なまぐさいものところがない。省略の多い文章で、最初はちょっと読みにくかったんだけど、いつものようにきらきらと輝くようなステキな文体で、なれてくるととっても気持ちがいい。全体が、ちょっとした恋物語としても読めるようになっていて、連作をまたがる恋物語の結末が、なかなかいい感じである。
     ミステリとしてみれば、実にさりげない謎が多い。でも、つまらないというのではなくて、人間心理のちょっとしたところをついた解決がなるほどと思わせる。先ほど書いた殺人事件についても、誰がどうやって、という部分よりも、なぜ、という部分で「なるほど、そういうのあるよな」と納得させられてしまった。だけど、さわやかなミステリと言うよりも、ミステリ的な趣向を織り込んださわやかな短編小説中って感じが強くて、推理小説とか嫌いって人でも、楽しく読めるのではないかと思った。

  • シリーズ完結。お嬢様のキャラクターがあまりに漫画チックなうえ、十年以上前の作品のため服装がダサいことに違和感を覚えつつも全シリーズ読んでしまったのは、謎がしっかりしているのと良介の人物像が魅力的だったから。ラストが微笑ましい。

  • もう何度も読んでいる。はずなのにラストシーンしかいつも思い出せないのはなんでだろう。

    続きがあったらもちろん読みたい。
    でもこれ以上のハッピーエンド、私は見たことない。

  • 覆面作家シリーズ完結編。
    前回は主人公の二重人格に少々違和感を感じてしまったけど、
    今回は2つ目の人格も魅力的やったし、
    恋愛もハッピーエンドだったので満足満足。

  • 「覆面作家と謎の写真」収録

  • 高野文子の挿絵目当てで買った本、まんまとはまってシリーズ3冊目、完結編。こういう文章を破綻無く書ける人の頭の中が覗いてみたい、と、普段ミステリーは読まない身としては、考える。

  • 9月23日には読了。

    覆面作家シリーズ完結。お嬢様がかわいいよ。

  • なんという恋愛小説。良介の言動はどう見ても超絶イケメンで、行動力が素晴らしい。しかし千秋さんはこの巻でほとんど小説書いてないじゃんとツッコミたくもなる。最後の話のニヤニヤ感はやばい。

  • ひゃー面白かった!
    痛快な本格ミステリでした。

  • 覆面作家シリーズです。
    NHKのドラマで、ともさかりえが主演していました。

    これが私と北村先生の諸作品との初めての出会い。
    ああ、結構面白いなと思って色んな作品を買い漁るキッカケになった作品です。

    ミステリーですが、読み手を若年層に絞ったのか、非常に読みやすい言葉が並んでいます。
    (円紫さんと私シリーズとは対照的です)

    これはこれで面白く、簡単にすらすらと読めるのでオススメです。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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