冬のオペラ (角川文庫)

著者 :
制作 : おーなり 由子 
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 875
レビュー : 90
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043432059

感想・レビュー・書評

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  • 名探偵と名乗り、普通の事件の依頼は受けない。そんな事務所があゆみの勤める不動産会社の入ったビルの2階に入った。けれど、世に名探偵を必要とする事件は滅多に起きない。だから名探偵は神出鬼没なフリーターとして生計を立てている。そんな名探偵が気になって仕方がないあゆみ。名探偵の記録係に立候補して、数少ない事件を名探偵の耳となり目となりまとめていく。

    短編2つ、中編1つの連作集です。探偵との出会い、最初の事件、さらなる出会い、そして・・・ とつながっていきます。コージーなミステリかと思いきや、最後はとても深いテーマに。切ないというか、なんともやりきれない思いになりました。冬の京都に出かけたくなります。

  • 我が偏愛する山口祐一郎さんがドラマで巫先生を演じたのを機に、昨年読了。自分が「名探偵」であることを知ってしまった巫先生と、それを見守る若き助手、あゆみちゃんの物語。
    やはり表題作が群を抜いています。あまりに哀しい真相を見届けることになるあゆみちゃんの澄んだ眼差し、そして巫先生の言葉の端々に、作者の優しさが託されていて、何とも切ないのです。
    あ、ミステリの技巧を期待して読むと少々肩透かしを食らうかも知れません。これは、事件に関わる人々の滑稽さも醜さも真摯さも哀しさも遍く柔らかく照らし出す、水晶の光のようなお話達ですので。

  • 名探偵とその記録者のお話です。
    語り手は記録者。
    そのため、名探偵がどのようにして謎を解いたのかは書かれていません。
    謎を解く過程は、謎を解いた名探偵にしか判りませんから。
    よって、この小説は、謎解きの場面が非常にあっさりしており、ミステリー好きには物足りないかもしれません。
    でも、わたしはこの小説が好きです。
    名探偵がアルバイトをして生計を立てている姿を思い浮かべてくすりと笑ったり、名探偵の名探偵ぶりや知識の量に感嘆の吐息を漏らしたり。
    地図が出てきたのも斬新でした。
    読んだ後に感じた満足感は、言葉で表しきれません。

  • カンナギさんがかっこいいーー!渋いーー!!
    「名探偵」(※探偵ではなく!)をやるために
    アルバイトをして生計を立てているというのも
    なんだかお茶目で可愛い。
    しかも大真面目に。
    なんて素敵なんだ。

    事件の内容は、あっさりしていたり複雑だったり様々。
    でもやっぱり「名探偵」という設定がなかったら
    こんなに魅力的な作品にはならなかったのではないでしょうか。

  • 古本屋で105円で購入〜。
    北村さんの書かれる文章は爽やかな風が吹いておるのです。
    かなりお好みですわ〜♪

  • 本当に切なかった。事件も巫先生も。
    しつこいですが北村さんの日本語のきれいさとユーモアセンスが好きすぎて…!もちろん話も謎も登場人物ももうなにもかもが面白い。大尊敬です本当に。

  • 「名探偵」巫 弓彦。シリーズ化してほしいのに、この1冊で終わりなのかな?哀しくも残酷な三つの事件を「名探偵」巫 弓彦が解決する。切なくなるお話ですね。名探偵なのに、バイトしているのは笑えるけど。

  • 巫冬彦の放つ1つ1つの言葉の含蓄が堪らない、北村ミステリーの中でも余韻の味わい深さはかなり上位でしょう。

  • 全体的にせつない感じがしていいです。
    「名探偵」巫 弓彦ファンの私は、シリーズ化を強く希望しています。

  • 悲しい性なのですねぇ、名探偵も。
    こういう力のある説得はいいですね(笑)

著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。高校教師を務めるかたわら、89年『空飛ぶ馬』で作家デビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞、09年『鷺と雪』で第141回直木賞、15年には第19回日本ミステリー文学大賞を受賞した。エッセイや評論、編集の分野でも活躍している。近著に『八月の六日間』『太宰治の辞書』『中野のお父さん』など。

「2019年 『覆面作家の夢の家 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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