アイデン&ティティ 24歳/27歳 (角川文庫)

  • KADOKAWA (1997年11月21日発売)
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レビュー : 107
  • Amazon.co.jp ・マンガ (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043434015

感想・レビュー・書評

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  • 100625(a 100708)

  • アイデンティティー(identity)という言葉を辞書で調べますと、「自己同一性」と書かれています。
     中学生の頃だったでしょうか、英語の問題を解くときにidentityを辞書で引きました。しかしそこに書いてある「自己同一性」というのを読んで、さっぱりとその意味が通じません。意味を調べるために辞書を引いたのに、その意味が全く通じません。もしかしたら辞書が間違っているのかもしれないと思うくらいでした。
     そしてその数日後、父親に、「おい、identityってどういう意味だ?」と聞かれましたが、分かったような分からないような気分で、とりあえず「“自己同一性”っていう意味だよ」と答えました。父親は「それじゃわかんねえだろ。」と聞き返してきましたが、私自身理解していないので、それ以上答えることも出来ないので、「だから、自己同一性だってば。」と同じ事を繰り返してその場を濁しました。
     それからというもの、identityという言葉を見るにつけ、聞くにつれ、一体「自己同一性」とは何だろうと自分に問いかける日々が続きました。テレビ朝日の『朝まで生テレビ』などを観たときも、「○○としてのidentityは・・・」とパネリストが話しているを聞くと、ただただ“自己同一性”という言葉だけが逡巡していきました。
     そしていつの頃からか、identityの意味がわかるようになりました。しかしそれは、“自己同一性”という単語を頭で理解したのではなく、様々な経験をつんでいく中で、肌でその言葉の意味を実感して分かったように思います。

     このみうらじゅんの『アイデン&ティティー』は、帯にもありますように、「本物のロックを探す」ロックグループが、自分の目指すロックを探しながら、自分自身を探す物語です。情けない思いをしたときも、くだらない経験をしたときも、いつもボブ・ディランやジョン・レノンが現れて、自分自身を探すための啓示を授けてくれます。そして自分が愛する恋人もまた、自分を守ってくれる大きなグレートマザーとして存在している・・・。
     自分の思いを貫くとき、時に周りと衝突を起こしてしまうことがあります。しかし、その衝突を避けて自分を曲げてしまっては、自分自身を探すことは出来ない・・・。時には失敗することで、情けない思いをすることで自分自身を見出すことも多いのではないでしょうか。
     この物語を貫くテーマを象徴する言葉、

    「やれることをやるんだよ、だからうまくできるのさ」

    というのは、いつも自分を勇気付けてくれます。物語の主人公は20代ですが、いつになってもこの自分探し、つまりidentity探しは続くのでしょう・・。
     自分自身を探し続ける方へお勧めの一冊です。

  • 27歳のうちに読み返しておいた。やりたいことをやるだけとはいかなくなってしまってる。

  • バンドをやってる全ての人の聖書たる本。
    コミックという枠を超えた素晴らしい本。
    自分もバンドやってるので、泣けました。

  • 魂をすり減らすように描くみうらじゅん

  • ロックは見苦しい。だからカッコイイ。

  • 映画にもなった、中身はコミック

  • 主人公・中島は理想を追ってばかりで大人になれない.周囲と上手くやっていって,大人になっていく友人たち.彼らに取り残されたような気分になり焦る.いったい自分が何者なのか悩む.

    僕は彼に自己投影してしまう.そして,胸が暴れだす.こんな熱い本はなかなかない.

  • やらなきゃいけないことをやるだけさ
    だからうまくいくんだよ♪

    煩悩に満ちた日常や社会と、ぼやけたままの自分の理想のロックとのギャップに悩み続けた主人公中島。
    ボロボロになってたどり着いたのは、かけがえのない彼女との交際を通じて気付いた愛という結論だった。誰もが持っていそうで持っていないアイデンティティ。
    でも自分は、彼女からの無償の愛のおかげで、本当のロックをやりたい、というアイデンティティを貫いて生きることができる。

    その愛を伝えるため、叫び歌うことがロックだと、心の師であるディランから中島は教わり、悟るのだった。

    この原作をモデルにした映画を見たのは大学一年だったか高校3年だったかよく覚えていない。

    ロックとはカウンターカルチャーでなくてはならないのか?ロックとは満たされていては奏でられないのか?そもそも一体何がロックなのか?

    僕は音楽にそれほど造詣が深いわけではなかったが、音楽だけでなくあらゆる文化に浸透したロックという「思想」に何かあやふやなものを感じていて、この映画がその疑問への一つの答えになったことは確かだ。

    そしてその原作を、高円寺の古本屋の100円の棚でふと目にした。ためらうことなく僕は本を手に取り、胡散臭い髪型の店主のもとへ向かった。

    自分らしいロックを求める。日本語にするとクサイ愛。それでも歌謡曲では歌われ続け、カラオケでいくら歌っても相手に届くことの無い現代の「愛」。「愛してる」と言うときは「愛してる?」と聞かれた時の弁解のため。肉欲だけの自分じゃない!と焦って弁解するための「愛」。

    ディランの語る「愛」は多分それではないし、自分が信じる「愛」を伝えたい!ともがきつづける3年後の中島を描く続編が描かれていた。

    ジョンとヨーコの間の「LOVE」の意味とは何なのか・・・?

    あくまで一つの解釈であり、生き方、考え方にすぎないものではあるけれども、僕はこれを書いたみうらじゅんに共感を覚えてしまった。

  • 2008.12.23買取

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著者プロフィール

みうらじゅん●1958年京都生まれ。武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー。

「2018年 『仏像ロケ隊がゆく 見仏記7』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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