言葉のレッスン (角川文庫)

著者 : 柳美里
  • 角川書店 (2001年6月発売)
3.19
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  • 本棚登録 :74
  • レビュー :6
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043437061

言葉のレッスン (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 柳美里 「言葉のレッスン」

    それではお体に気を付けてください。
    お会いできる日を楽しみにしています。
    さようなら。

    このような平凡な言葉にも、その言葉の背後には血が滲む個人史や、ひととひととのつながりの不思議さがある。

    こう締めくくられている本書は、柳美里曰く、内なる世界を描いた他作品とは異なり、彼女の外へと向けられた視線で描かれている。

    そのため取り上げられている言葉は、本や映画以外にテレビ番組、新聞、手紙などが多い。
    描かれている内容も、内面の心情というよりは、他者との関係性の中で起こった事、会話が中心だと感じる。

    もちろん他者との関係性はどの作品にも関連する事だが、それとは違いよそよそしさというか、何かフィルターをかけて語られているような感じがする。

    だからこの本に関しては、柳美里自身の言葉というよりは、柳美里と関連のあった他者の言葉に惹きつけられた。
    しかし、この「言葉の選択」をしたのは彼女自身であるから、やはり言葉を選ぶセンスを感じてしまうし、より私好みであるなと実感する。


    p.114 柳美里の高校の同級生Nさんの手紙

    美里が「変わってないね」と言ったとき、時間の針が少し元に戻った様な懐かしさを感じました。でも帰り道に、美里の言葉は、女子大生であることにうかれていた私を見て、何も成長していないという意味なのではないか、と思ったのです

    p.232 柳美里の祖父の友人、孫基禎さんの言葉

    努力しなさい。
    さみしい、つらいと思うと、努力できなくなる。
    さみしいと思うより努力しなさい。
    それは走ることも書くことも同じじゃないかね?

    P.246 岸田秀「母親幻想」の一節

    やさしい母親が、そのやさしさを子供に押しつける。
    子供は母親のやさしさに圧迫されるのですが、それがやさしさであるだけに表立って反抗できない。

  • 本の一小節やチラシ、事典や手紙などからそれにちなんだショートエッセイを書くという面白い表現方法です。
    読後は共通して思わず唸ってしまうような思考をせざるえなくなります。またそれがいい。何か苦手な海外作品も読みたくなってきました。

  • 柳美里(ユウミリ)_土浦市出身、在日韓国人、貧乏、28歳で芥川賞受賞、脅され中止したサイン会論争、プライバシー騒動、そして美人…マスコミが騒いでいたことは何となく知っていたけど果たして一体どんなこと書く人なのか?、どんな人なのか?という興味があったので読んで見ました。この本はエッセイです。

    柳美里さんの唯一の趣味であるという言葉の採集、そうしてひろい集めた言葉から柳美里さんがイメージしたエピソードや思い出にまつわる人々の人生の断片が描かれています。

    とりわけ私が印象に残ったのは、あとがきですが、それまで”私”の内なる世界を小説で描いてきたが、このエッセイでは”私”の外へ、外へと視線が移動したという一文でした。

    柳美里さんは、これは私の空想ですが、コミュニケーションが思うようにとれない孤独をずっと抱えている人なのではないかと感じました。
    想いを完璧に伝えられる言葉なんて無い訳で、例えば”悲しい”と発したときに果たしてどれだけ正確にその悲しみが他人に伝わるかということですが、大抵の人は大体伝われば良しとします。でも柳美里さんはほとんど理解されないか下手すれば誤解が生まれることが多い気がします。感受性の強さか回転の速さかだと思いますが、要するに周りが話しについて来れないんじゃないかと思いました。

    そして最後にエッセイは次のような言葉で締め括られていました。
    平凡な言葉にも、背後には血の滲む個人史やひととひととのつながりの不思議さがある―
    小説は共同体や、あるいはあなたのことでないとしたら、何も書いたことにはならない― 

  • 初めて読んだ柳美里さんの本。雑誌に載ってるコラム集なので読みやすかった。

  • つきささる

  • あたし的にはボチボチ☆

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