ラヴレター (角川文庫)

著者 : 岩井俊二
制作 : 北川 悦吏子  谷口 広樹 
  • KADOKAWA (1998年3月20日発売)
3.55
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  • 204レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043441013

ラヴレター (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • これはだいぶ前に読んだ小説で、本棚の中で主張してたように見えたから(笑)再読。
    映画もとても好きな作品。

    ふたりの藤井樹、樹(男)を愛する博子、そして博子を愛する秋葉、の物語。
    博子が勘違いから送った手紙がきっかけで、過去と現在を行き来しながら物語は進んでいく。

    残酷な面もあるかもしれない、と思った。
    自分の恋人が自分を選んでくれた理由が、もし「初恋の人に自分が似ているから」だったとしたら?
    そしてそれを、その人を失ってしまったあとに知ったとしたら。
    もう訊けないことだから許せるのか、それとも答えを知れないから引きずるのか。ということを、自分に置き換えて少し考えた。

    岩井俊二監督映画の独特な透明感が好きなのだけど、文章からもその要素は溢れてた。
    思春期をノスタルジックに描くのが本当に上手な人だと思う。

    ラヴレターって、自分の想いを相手に押し付けるものではなくて、相手を敬うものなのかもしれない。
    例えば「元気でいてくれたら嬉しいです」これだって立派なラヴレターだ。
    相手に直接届くことだけが、全てじゃなくて。

  • この作品を知ったきっかけは、大学のとある講義で、小樽はこの作品の効果で海外からの観光客が増えた~的なことを聞いたからだったと思います。
    というわけで、気になってたので読んでみました♪

    なるほど。
    確かにこれは、遅れて届いたラヴレターのお話なんだと思います。
    私がそれだと感じたのは、もちろん渡辺博子と藤井樹とのやりとり…の方でなく、中学時代の藤井樹が図書カードに残したモノの方でした。

    巻末収録の北川悦吏子さんによる解説は非常に興味深いですが、私はそれとはまた違った見解です。
    あの頃の藤井樹は、やっぱり彼の気持ちなんか全然知らなくって、「同姓同名のこんな奴がいて、こんなことがあって…」って思い出すことは出来るんだけど、きっと気になる存在とかではなかったんじゃないかなーと思います。
    彼女にとっては、もう戻らない青春の日々の中にいた思い出の人、という感じがするのです。
    一方で博子にとっては、彼のことはまだまだ思い出には出来ないですもんね。
    なんだか博子の肩を持つような考えになってしまうのは、私も過去にやきもちをやいてしまうタイプ、ということなんだろうかなぁ。笑

    読む前の先入観が、とにかく切ないとか悲しい恋の物語とかそんなイメージで、読了後はいい意味でそれが裏切られたなと思います。
    けっして底抜けに明るい話ではないんだけど、どこか爽やかさを残すような、照れるような、くすぐったいような…なんかそんな後味の物語でした。

    文章で読むのと映像で観るのとでは、また違った感想を抱くのかもしれないので、ぜひ映画も観てみようと思います☆

  • この映画、好きだったなぁ。
    久しぶりにBSでちょっとだけ見たら、ものすごくストーリーを読みたくなって、図書館で借りてみた。
    小説でもおもしろかった。
    小説しか読んでない人には映画も見て欲しいな。


    雪山で死んだフィアンセ、藤井樹の三回忌に、渡辺博子は想い出に封印するかのように、樹が中学時代に住んでいた小樽に手紙を出す。ところが、今は国道になっているはずの住所から返事がくる。天国の彼からの手紙?博子は再び返事を書き、奇妙な文通が始まる。もうひとりの藤井樹は何者なのか?二度と戻れないその場所から、大切な何かがよみがえってくるのだった。

  • 2012/12/6 読了
    もし恋愛が、激しく燃え上がるような情熱的なものか、静かに、でも優しさに包まれたものかの2つに分かれるならば、この作品は後者に属すると思う。恋人を亡くしてしまった女性が、ひょんな事から昔の彼を知る女性と文通をすることに。彼の記憶を辿りつつも、もうこの世にいない彼を追憶することから離れようとする彼女の姿は、悲しいけれど静かに心を打たれる。そして、全体を通してとても爽やかな印象を受けた。

    小説としてもさくっと読みやすい。けれど、内容的に淡白というか、何か捻りを加えても良いのではとも思った。

  • 真のヒロインは、失った恋人に宛てて手紙を書いた彼女ではなく、彼にまつわる記憶をたどりながら、過去を取得していった彼女の方だったと気づいた時、この物語の本質が少しわかったような気がした。死んでもなお、残された世界に自分の温度を残した彼が、羨ましいなあ。

  • 久しぶりに温かさと切なさに溢れた作品に出会えた、という気持ちになりました。

  • 映画を見てから小説を読んだ。小説ならではの要素は少なく特段、映画から伺えない内面描写などはない。観る前に読んだ場合ただのネタバレなので本来の姿である映画を楽しむのがいいと思う。

  • 岩井俊二の映像が大好きで、以前衝動的に買った本だ。彼の描く水彩画のような儚い世界がなんとなく好きなのである。
    小さな偶然が日常に波紋を与え、そして収束していく。ハッピーエンドでもバッドエンドでもない物語だ。では、出てくる人たちはなにも変わらないのか?それは違う。
    本当に変わっていくこと、そして残っていくことに壮大なストーリーも仕掛けも設定もいらない。ささやかな日常のちょっとした出来事の積み重ねが、私たちを変えていく。本作に限らず、岩井俊二の作品に触れると、そんなところに気づかされ、日々が愛しくなる。
    こんどは映像でも見たいと思う。

  • ひと目惚れって信じますか?
    -あなたのひと目惚れを信じます。

  • 1日で読んでしまいました。
    映画の存在は知っていましたが内容は全く知らなかったので
    どうなるのだろうと楽しみながら読み進めることは出来ました。

    岩井俊二監督の映像作品は沢山見ていますが
    小説はリリィシュシュのすべてに続いて2作品目だと思います。
    場面の描き方が良くも悪くも映像作家的で
    ビジュアルがありありと目の前に想像出来る感じでした。
    そして場面展開も映画的な感じでテンポが良かったです。
    ストーリーは結局何が言いたいのかは曖昧なのですが。
    ちょこちょこ挟まれる中学生の頃の描写が自分の中学生の頃のようで
    それもまたノスタルジーを感じさせてくれました(男子校でしたが)。
    でもこの小説の描写って今のようなデジタル化社会ではあり得ない
    アナログ的な良さがいっぱい詰まっているんですよね。
    別に今が悪いというわけではないですがこれを今の中高生が読んだら
    全然違う印象を受けるんだろうなぁと想像します。
    (手紙という媒体にせよ、図書館のカードにせよ)

    映画では樹と博子を両方とも中山美穂が演じているということで
    今度見てみたいなと思います。

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