不夜城 (角川文庫)

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本棚登録 : 1644
レビュー : 180
  • Amazon.co.jp ・本 (533ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043442010

感想・レビュー・書評

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  • 世の中では「勧善懲悪」物が昔から人気がある。だが、現実的に善は必ず勝つのか?というと、あまりそうではない気がする。むしろ負けてるのではないかとすら感じる。だからこそ、滅多に無いからこそ、勧善懲悪話はうけるのである。
    翻って、この小説には良い奴等ただの一人も存在しない。悪い奴らだらけである。先ほどの話からすると、より現実的なのである。それが、勧善懲悪ばかりはびこる中で逆にこの本を輝かせている理由でもある。
    北野武監督の映画と同様に、悪い奴しか出てこないこの小説はめっぽう面白い。よりリアルに感じるからだ。

  •  彼らは互いの「決して人を信用しない」ことを信頼し、それをもって深く通じ合っていたのだと思う。

  • ほお~、なかなか面白いじゃないの。ラストがよかったな。
    やっぱり、愛することって命がけなのね~。。。

  • ずっとひとりで生きてきたし
    これからも一人で生きていく
    誰も信じないし誰も愛さない。
    誰も眠らない城では
    夜中だって皆が生き残るための戦略を練ってる。
    俺もあいつも、命がけで。

    一瞬でも一緒に生きていけるかもって思った相手の顔を
    石でぐちゃぐちゃにつぶして東京湾に沈めるのは
    どんな気持ちなんだろうと思った。
    自分がつぶした顔と、生きているときの顔と
    どちらを思い出すんだろうと問うまでもなく、
    もはや顔をつぶしてしまったから
    彼女は顔のない顔で闇の中から見つめてくるという。

    嘘と裏切りしか出てこない本。
    でもきっと私の世界も大差ない。
    私の中では至上の恋愛小説。

  • 出てくる奴らがどいつもこいつもクソ野郎で面白かった。

  • 推理小説のようなスピード感と緊張感。異国の地歌舞伎町に来た中国そのほか堅気でない人々が、なにを頼りに生きるか。金か、血縁(義兄弟の)か、愛か。愛だろ、愛。で終わるかと思いきや、最期はハードボイルド。人間もサバンナの動物なんだと。すごいスピードで読めます。

  • この作品はもう10年以上前に読んでいた。映画もビデオで観た。とにかく最高に面白かった。馳星周の作品は出たらすぐ買って読んだ。しかし、この作品以上のものは残念ながらなかった。

    最近ようやく三部作の最後の章が文庫版になり、読み直してみたくなったのだ。


    今読んでみても、あの時読んだ衝撃は失っていない。

    3日間しかない中での疾走感。小蓮との後半、絶望へ向かっていく想いの描写。壮絶であり、同時にくる切なさ。これだけ心を震わせる小説はそうそうあるものではないと思う。

    ただ、無駄な過激さは少し邪魔な気もする。

    著者がここで描きたかったのは自分だけのエルロイ「ホワイト・ジャズ」なんだと思う。LA四部作で一番最高に面白い作品。その一番美味しい想念をデビュー作にもってきたのは、自分の実力をまず示す必要があったからかもしれない。エルロイのほうも壮絶だが、乾いている。著者は陰湿で粘着質なアジアにクライムノベルを持ち込んだのだ。

    とにかく、エンターテインメントとして一級の作品。

  • 小蓮(シャオリェン)というキャラクターの強烈さ。最後まで裏切り続け、その中のギリギリの愛?信じながらも裏切る、本能的な哀しさ。カタルシスのない小説。本当の意味での孤独。センチメンタリズムに陥らない。

  • 新宿を舞台にした、アジア人マフィアの抗争。
    主人公含め全く共感できないが、熟読してしまった。
    自分の生きている環境とは違い過ぎておもしろいのかもしれない。

  • 歌舞伎町を舞台にしたアジア人の抗争ということもあり、なんだか龍が如くをイメージしながら読んでしまった。人種を超えた欲望が渦巻いている新宿で、台湾とハーフである主人公の健一は半々と揶揄されながらも、裏の世界で生き抜いている。人が人を信用するということにおいて、登場人物の殆どが、人種や国籍、家族といった血のコミュニティに強い拘りを持っている事に、どこか違和感を感じてしまうのは、自分が日本に生まれ、日本人として生きているからなのだろうか。
    作品自体は展開にスピード感もあり、面白かった。作中の情欲やグロテスクさにどこか軽さを感じてしまう点を、読みやすさと捉えるか、エンターテイメントと捉えるか。

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プロフィール

1996年、『不夜城』でデビュー。これまでに吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞、大藪晴彦賞ほかを受賞。

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