エリザベート 愛と死の輪舞 (角川文庫)

  • KADOKAWA (1998年8月28日発売)
3.55
  • (25)
  • (22)
  • (48)
  • (6)
  • (4)
本棚登録 : 368
感想 : 32
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784043445011

作品紹介・あらすじ

時代は十九世紀。公爵冢令嬢エリザベートは、その美しさゆえ黄泉の帝王トートに魅入られてしまう。皇妃エリザベートの生涯を幻想的に描き、ウィーンと宝塚でヒットとなった舞台の小説化。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

切ない愛の物語が描かれるこの作品は、十九世紀の公爵令嬢エリザベートと黄泉の帝王トートとの幻想的な関係を通じて、人生と死のテーマを深く掘り下げています。エリザベートが抱える死への欲望と、トートが彼女の愛...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 舞台からだけでは読み取れない背景やシーンが、翻訳・演出に携わった小池氏自身により加筆されているので、宝塚版を観劇する上でイメージを補強したいという方にはおすすめ。
    「エリザベート」は割と史実に忠実なお芝居だと思っているが、バイエルンのポッセンホーフェンというところで、ヒロイン・エリザベートは少女時代を過ごした。緑深いその土地をいきいきと走り回る様子、フットワーク軽く変わり者の父との関係など、彼女の生涯を語る上でのバックグラウンドが本書では少し補足されている。
    他にも、読んでよってほぉーーとなったところがいくつか。例えば結婚翌朝、早くも婚家の窮屈さに耐えきれずエリザベートが自身にナイフを向けるくだりがある。結局思いとどまるのだが、そのあとに狂言回し・ルキーニのこんな台詞が入る。「またしても閣下は、エリザベートを生きながらえさせた」ーーーー私にはエリザベート(以下シシィ)が一人で、強い意志を持って生き抜く決心をしたように見えていた。したがってこの台詞にはややひっかかりがあったのだが、実はここでも、トートとシシィの間には夢うつつでの交流があったらしい。これは舞台を観ただけでは一切わからないことだが、それも本書では描写がある。
    また晩年、苦悩するルドルフを突き放したのも、台詞のやりとりだけでは解りづらいがただ冷たいだけではなく、彼女は彼女で思うところがあったようだ。親子間のすれ違いを意識すると辛かった。

    トートという存在に対する解釈は諸説ある。見る人によっても違うし、ウィーン版や東宝版、各国の演出によっても趣きが異なるという。「黄泉の帝王」という設定は、宝塚が大人の事情で後付けしたものだ。トートもキャラの名前というわけではなく、ドイツ語で「死」を意味する単語である。彼は事実上、死という事象そのものの権化、擬人化だ。
    トートはシシィの人生の節目や、彼女が絶望に突き落とされた時、身近に死を意識した時などに出現し、誘惑しようとする。セオリーに従って見れば、トートとシシィのやりとりは、シシィ自身の内面の葛藤と解釈するのが自然に思える。
    宝塚版はこれまた事情で、トートが「生」の権化のような少女に禁断の恋をし、その愛憎によってストーキングし続けるという展開に主軸を置いた。黄泉の帝王は概念に止まらず男性という性別を与えられ(ドイツ語のTodはそもそも男性名詞だが)、人のように意思を持ち、一人の女を振り向かせるために能動的に行動する。
    本書を手に取る前、レビューで「トートが情熱的だった」「恋に苦しむ姿が印象的だった」などのコメントをよく目にした。だから読めばトートとシシィ、二人の登場人物はより独立したもののように感じるのだろうかと思っていたが、意外にもむしろ逆だったように思う。
    恋愛仕立てにはなっているが、「死」そのものであるトートと「生」を諦めないエリザベート、対極にあるようであり、彼らはやはりコインの裏表のような存在なのだなという思いが強くなった。不思議と自然にそう思った。

    最後に。他の方が既におっしゃっているように、小説として楽しもうとすると肩透かしをくらう本書。後半やや失速してきて、先生自身の後書きからも察するように執筆がちょっとしんどかったのかなというのがなんとなく伝わってくる。歌詞がそのまま台詞になっていたり、流石にこの言い回しを面と向かって吐かないだろ……と面白かったですが。情景描写もミュージカル上の演出が入り混じっているのでト書きっぽく感じてしまう部分もあるかも。

  • 宝塚の公演を観た後に読んだ。
    死んでしまいたいと思っているエリザベートに死神のトートが手を差し伸べる。
    トートはエリザベートの死=愛が欲しい。
    すごく切ないストーリーだけど、実話を汚すことなく、違和感なくトートが入り込んでるなぁと思う。

  • ウィーン版、東宝版、宝塚版のすべての舞台を観ていたからこそ、楽しく読めたのかな、という印象。舞台未鑑賞なら、わかりづらいであろう部分が多かった。
    後半がやはり尻すぼみ。
    2015.08.12

  • 宝塚の「エリザベート」を見て原作を読んでみた☺
    この本ではミュージカルでは理解できなかった情景なども細かに書かれており、楽しんで読めました。

  • 花組公演に向けて予習。観劇したら印象も変わるだろう。

  • ミュージカル「エリザベート」のノベライズ。
    舞台も見たことはないし、内容も知らなかったので、どんな話だろうと読んでみた。
    小説としては?というところもあるけれど、見たことのない舞台が目にうかぶようなところもあって、楽しめました。
    去年舞台やってた様で残念。舞台もみてみたいな。

  • 生きているエリザベートの愛を手に入れようとするトートが想像以上に感情をさらけ出していて、黄泉の帝王だけれどどことなく可愛らしく感じた。
    最終的に辿り着く結末は決して可愛らしくはないけれど、それだけに切なかった。

  • さらっと読めました。事あるごとにエリザベートを死なせたい・愛してもらいたいと迫るトートの執念が凄い。
    ミュージカルの小説版だからなのか、小説にしては文章がぎこちなかったり、ちょっと違和感がある部分もありました。
    舞台もいつか見てみたいものです。

  • ミュージカルの小説版。
    ハプスブルク家終末期の美貌の王妃、エリザベートの物語。
    冥界の王でありながら生きたエリザベートに愛されたいと願ってしまったトートが切ないです。
    ミュージカルが見たくなりました。

  • 旅先に持参し、エリザベートとフランツ・ヨーゼフが婚約したバート・イシュルで読みました。
    フランツ・ヨーゼフの別荘であるカイザー・ヴィラが正面にある部屋で、エリザベートとトート(死)閣下の恋の行方を追っていました(笑)

  • 宝塚歌劇団が上演するミュージカル「エリザベート 」について1996年初演にあたり小説化した本。
    このような本があることを初めて知って読んでみました。
    宝塚の舞台の小説化って、聞いたことがない、というか、この本で初めて知ったし、この本以外ないのでは?(私が知らないだけかしら?)

    約30年前、宝塚で初演される際、ウィーン版原作とは異なり死神を主役に変更した(女性俳優のみが在籍する宝塚歌劇団では、演目の主役は必ず男役と決まっているため)のですが、死神というキャラクターが主役として観客に受け入れられるか、上演前には、かなり懸念されたらしい。
    初演の準備に忙しいだろうなか、演出家(小池氏)自らノベライズするのは大変だっただろうな、と思い、ノベライズしたいと思うほど小池氏にとって思い入れが強い作品だったんだろうな、そして、そんな思い入れの強い作品だから、観客にも全体ストーリーを理解し受け入れて欲しいという思いで小説化されたのかな、などと思いながら読みました。

    あとがきで、小池氏が「舞台で上演されていること即ち三次元の世界を、全て二次元の紙の上に文字で押し込めるのは想像以上に難しく」と書かれていましたが、文字だからこその情報も多く、宝塚の舞台は映像でも見てよく知っているつもりでも、こうして文章で読んで初めて場面の繋がりや心理など理解できた部分がたくさんありました。

    宝塚で成功したので、東宝でも上演されるようになり、こちらはまた違う(ウィーン版に近い?)ようです。
    近々東宝版を観る機会があるので、この本とは違う部分も含めてとても楽しみです。







  • ミュージカルでは書かれていなかった登場人物たちの心情も書かれていてよかった。
    あの人が皇帝じゃなかったらよかったのに、、、のところが切ない。。

  • 今年実施される予定の東宝版のミュージカルを観たいと思っていたため、予習のために読み始めました。
    劇中歌以外はほとんど予備知識無しで読みました。

    とても面白かったです。
    個人的に大好きなお話だなと。

    シシィが最終的になんだかんだで皇帝フランツを愛するのか、
    ずっと見守って愛してくれていた黄泉の帝王トート=死を愛するのか、どうなるのだろうと楽しみながら読めました。
    あっという間に読み終わった感じです。
    そして、目の前に舞台も広がったし、
    実際の情景や表情が繊細に浮かぶようで不思議な感覚でした。

    ずっとシシィに振り回される黄泉の帝王が本当に可愛らしくて……!
    一途な想いが本当に可愛くて、ついトートを応援してしまいました。

    民衆の想い、
    フランツの想い、
    ルドルフの想い、
    トートの想いを受けて
    どんどん美しく強く、でも孤独になっていくシシィ。

    切なくて、美しいストーリーだなと思いました。

    魂の自由を求めるシシィは気高くてとてもかっこいい……
    私もシシィの大ファンになってしまいました。


    舞台を観る前でしたがとても読みやすかったし、
    各キャラクターの心情が細かく分かったのがとても良かったと思います。
    舞台を観るのが本当に楽しみになりました!!(チケット取れますように…!)

  • 帝国劇場でエリザベートを観劇した帰りに買いました。エリザベートの世界観をもっと深く知りたいと思い購入しましたが、劇中では描かれなかった登場人物たちの細かい心情が書かれていたので、わたし的にはとても満足しました。エリザベートの世界に浸りたい時に読みたいと思います。

  • ウィーン旅行中に読みました

  • ミュージカル「エリザベート」大好きです。でも活字にするとなんだかラノベを読んでいるかのよう(笑)トート様好きです。

  • 黄泉の帝王トートに魅入られたエリザベート。ハプスブルク家の皇后となったエリザベートにトートは次々と困難をぶつける。確固たる意思をもち死へ反抗してきたエリザベートが最期に選んだ道とは。

    宝塚舞台の小説版だそうで。
    宝塚大好きな友達にオススメされました。
    まあ、私も好きだけどね、宝塚。
    所々映像が想像できて不思議な気持ち。
    小説として目立った違和感はないけれど、やはり舞台の様子を想像できる。
    なんとも不思議な感覚です。
    舞台が見てみたくなったね。

  • オーストリア、ウィーンなどを舞台とした作品です。

  • 東宝版ミュージカルの再演に備えて(笑)予習用に購入しましたが、結局通しで読んだのは観劇のあと。舞台を思い出すにはとても良いけれど、歌の部分までカギカッコつきのセリフになっているので、小説としてはぎこちない部分があります。

全26件中 1 - 20件を表示

小池修一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×