ショカツ: REAL POLICE STORY (角川文庫 さ 34-5)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043451050

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  • 警察小説
    見習いが主人公でベテラン刑事について事件を追う
    見習いはいろんなことが勉強になっていたよう
    ベテランの聞き取り、いろんな情報筋など
    地道な捜査により解決へ向けて・・・
    いまいち盛り上がりにかけた感はありましたが
    警察小説としては楽しめました

  • 読まなかった

  • 二月最後の日曜日の午後、五歳の少女が、バレエスクールに向かう途中、頭にボウガンを撃ち込まれ、意識不明の重体になった。すぐに緊急配備が発令され、管内の交通の要衝に警官が配置された。巴橋交差点に急行した城西署の捜査主任、赤松作造は、風采の上がらない、一見どこにでもいそうな中年男。だが、彼は独特の動きで最新の捜査計画の間隙を縫ってゆく…。

  • 研修生として配属された、都内城西署に配属され、主に窃盗を担当する老練赤松刑事の下に配属された主人公が、配属直後に起きた、ボウガンを使った子供の殺人未遂事件を追う。

    大きな筋も一応ミステリなのだが、小説の主題は「警察での生活」という日常的な話である。老練刑事の捜査の、良く言えば奥深い、悪く言えば察しを要求して実質を教えない、よくわからない研修生と同じ気分を読者も味わわされる。

    そのよくわからない状況で、小説の中盤では老練刑事の「過去の恩返し」的な全くわからない内部の事情がダラダラと続けられるので、ミステリとして読んでしまうと、盛り上がりに欠けると言わざるをえない。

    そこを乗り越える読み方としては、やはり「刑事の日常」を楽しむように読むしかないわけで、そうなってくると、最初のボウガンの話は正直どうでも良くなるんだよね。

    トータルの話としては、よく出来た推理小説というところだが、刑事を描く小手先のテクニックで逃げすぎたかなと。それなら、主人公の研修生や、老練の赤松刑事がもう少しピンチに追い込まれるなど、緩急の急の部分を導入したほうが良かったのではないかと思う。

  • 僕が刑事になるための実務研修に派遣された先で指導担当になったのが、赤松主任だった。
    刑事らしからぬ物言いや態度に最初は戸惑うが、やがてベテランの刑事の凄さを知ることになる。
    華やかな捜査、時間との戦いのような捜査、そして地道な捜査。
    ときにはネタモトを明かせないような、それでいて信憑性の高い情報を手に入れる赤松に僕は驚く。
    5歳の少女が狙われた事件には予兆があった。
    しかし、それを見逃したのは交番勤務の警官であり、すでに証拠品は破棄されてしまっている。
    幸いにも5歳の少女の命は助かったが、結局犯行をエスカレートさせた犯人は次の犠牲者の命を奪う。
    集まる情報の中から犯行につながるものに注目する。
    それは刑事の長年の勘のようなものだろうか?
    聞き込みにまわる場面にも、赤松のベテランらしい味がよくでている。
    聞くべきことは聞くけれど、けっして相手を見下したような態度は取らない。
    「犯罪者は、強盗事件を起こそうとして、強盗事件を起こすわけじゃない。
    ただ金が欲しいだけのことだ」
    ベテランらしい味わいのある深い言葉だ。
    ここに赤松の刑事としての矜持がこもっているような気がする。
    読みやすかったけれど、物語としてはどうなのだろう?
    淡々と捜査記録を読んでいるような感じがした。
    もう少し展開に緩急があれば・・・と思った。

  • この作者の作品は初めてだが、期待以上の内容だった。なによりまず、リアリティが大変高く感じられる。別に私自身警察の内情に詳しいわけではないので、本当なのかどうか判断できるわけではないのだが、リアルに感じさせるような技術が高いと感じるのだ。他に類を見ないような警察署内の描写の細かさや、さりげない会話など、非常に綿密に計算された内容であると感じた。その意味で異色といえるのではないかと思う。
    元警察官と聞いて納得。他の作品も俄然読みたくなった。

  • 実務研修の為に城西署に派遣された見習い刑事の主人公と、ベテラン刑事・赤松のコンビが、ボーガンによる通り魔殺人事件を捜査することになります。

    先に読んだ「刑事部屋」よりも、こちらの方が捜査方法についてより一層具体的に書かれています。
    例えば、証人や疑わしい人々を「虱潰しにあたる」と言いますが、それがどのように行われるのか、また、所轄と本庁の捜査方法の違いや、警察捜査の限界などなど。
    そもそも警察は何をやるところなのか、何をすべきなのか、私自身が見習い生になった気分で大変勉強になりました。

    本作品は、ストーリーよりも捜査活動の方に重点が置かれいる為、普通なら冗長になりがちですが、どれもが興味深い内容だし、まるでドキュメンタリーの様でとても面白く読めます。
    正に、元警察官の作者ならではの作品。
    警察小説に興味のある人は一度読んでおくといいかもしれません。

  • 元警視庁の警部補であった作者が書いた捜査小説。
    すでに退職したと思われる視点人物の刑事が研修中に遭遇した傷害事件、そして彼の教育を担当したベテラン刑事の姿が描かれる。
    派手さは無く淡々と進む印象がありますが、そこがかえって本物の捜査を彷彿とさせます。非常に面白かったです。

  • 城西署の赤松作造捜査主任
    ボウガンによる5歳の少女重傷事件
    仕事をする時は、自分の物差しを引っ込めて、相手の物差しを見抜く。その目盛りが計れるようになれば一人前。

  •  疑いや引っかかりがあれば何度も足を運んだり、所轄の顔利きや足を使っての地道な捜査がよく描かれてました。
     一見地味な職務ですが、実際の捜査もこんな感じなんだろうなと思わされました。

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