心臓狩り (3)異形の領域 (角川ホラー文庫)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043461073

作品紹介・あらすじ

心臓移植によって〈シャーマン〉の力を得た雅之。そんな彼に、禁断の行為を繰り返した果てに〈羅刹〉と化した秀人が襲いかかる。さらに秀人の体には、もっと大きな秘密が隠されていた──! シリーズ堂々の完結!!

感想・レビュー・書評

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  •  エンターテイメントとしてなかなかだと思う。そりゃあ大傑作「ソリトンの悪魔」に比べたら驚きも興奮もイマイチだが、ジャンルも違えば3ケ月連続発売ということで狙っているところも違うんだろうし、これはこれで良いと思う。買っただけの価値はあったしね。
     まあ、SF的な設定はあっても、薀蓄にプラスされる発想の飛躍が(過去の作品に比べれば)あまりなく、知的興奮度は低めか(でもこの作品にはバランス的に丁度良いのか?)。物語もごく限られた人間の中で終結してしまうのでスケール感はあまり無い。敵の怪物度がもう一つ突き抜けていない。その辺りがやや不満点。作者のポテンシャルの高さを知っているだけに惜しい感じ。でも、バトル自体はそれなりに楽しめた(最後はちょっと…だけど)。舞が魅力的なので子供っぽい主人公の行動も分からなくもない。

  • 梅原氏の新作が久しぶりに出るので、旧作を押さえておこうと読んで見たのだが、評判通りの凡作だ。あちこちで戦ってるうちに終わってしまった。B級の格闘漫画みたい。小説としての魅力を出そうとした。出せなかった、のかな。この言い回しは癖になる。前作の「カムナビ」も評判は良くなかったが、提示されるトンデモ仮説にはワクワクしたものだ。

  • スリリングでスピーディな展開はよかった。
    けど、臓器提供者の記憶に導かれるサスペンスと思っていたのに、最後まで、臓器提供者から継承された超常能力バトルでした。
    求めていたのとは違ったかな。

  • 最後まで消化不良で終わった。そもそも対立軸が見いだせず、異能を持ちながらも、非常に狭い世界で戦っていることに意味が見いだせず、それなりに敵役として登場した相手も尻つぼみ的に早々と戦線から離脱、最後に異国の異能者との関連を示唆するのみで話が唐突に終わってしまう。多分に続編を期待している向きが見受けられるが、これでは続編を出してもらっても読む人がいるか疑問である。最後の最後に悪役としても魅力になかった敵役に、さらなる異能を付加して話が少しは展開するかと思ったが、その異能もあまり役に立たなかった。次回作こそは、名作、ソリトンの様な作品を期待したい。

  •  うーん、こんなとこで終わっちゃうの? が、一番の感想。
     きれいに終わっちゃいるけれど、自分としてはもっとトンでもないどんでん返しを期待していた(勝手に)。もしくは続編がないと物足りない。
     また、雰囲気というかセンスが昭和臭く感じられたような?

  • 終焉――異能力――心臓――人格――無意識。人の定義、その曖昧さ。

  • やっぱりシリアスになりきれなかった雅之。
    最後の場面なんか、本当なら怖い話だと思うんですが・・・。
    シャーマンの話とか人類の進化の過程まで言及していて、
    なかなか興味深かったのに。
    ちょっともったいない感じがします。
    一応表面的な出来事はまるく収まったようですが、
    雅之が実際に対面した人々は氷山の一角で、
    シャーマン一族の全体像は謎のまま。
    更には世界中にいるらしいシャーマン達や「神」のような存在も、
    会話にチラッと出てきただけで終わっちゃった。
    そっちの方が気になる。
    大きなテーマ・・・人類の進化などを背景にしながら、
    自分の体と心の(人知を超えた)変化を、
    舞さんの存在だけで納得できてしまう雅之に脱力しました。
    人間やっぱり、人類全体とか漠然としたものよりも、
    身近な出来事の方が大事というのは真情だと思いますけども。

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著者プロフィール

1960年富山県生まれ。1993年『二重螺旋の悪魔』でデビューし、各方面から絶賛を浴びる。続く第2作『ソリトンの悪魔』で第49回日本推理作家協会賞を受賞。その他の著書に『カムナビ』『サイファイ・ムーン』『心臓狩り』がある。

「2018年 『テュポーンの楽園 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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