- Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043463015
感想・レビュー・書評
-
内容(「BOOK」データベースより)
近未来、ゴミに溢れた横浜ベイブリッジで少年の死体と一本のカセットテープが発見された。いま、再開発計画に予算を落とそうと、会議室に集まる人々の前でそのテープが再生されようとしていた。耳障りな雑音に続いて、犬に似た息遣いと少年の声。会議室で大人たちの空虚な会話が続くなか、テープには彼の凄絶な告白が…。弱冠23歳の著者が巨大な嘘を告発する新黙示録。第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。
日野日出志かジョージ秋山の絵で見たいような、陰惨で且つとっても美しい悲話です。捨てられた少年が、捨てられた少女を守る為にあらゆることを犠牲にしていく姿が胸を打ちます。グロテスクな描写の連発でドン引きする人もいるかと思いますが、それを凌駕する悲しさです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
嫌いな人にはただグロイだけだろうし、映像化したらただの13日の金曜日になってしまいそうだけど、この強烈な描写には圧倒される。いろいろと分からない事が一杯なんだけど、そこを想像してみるのも、野暮と言うものか。
-
沙藤一樹先生が4月の文学フリマで
久々に新刊を出されると聞いて、テンションが上がった状態で再読。
軽く読めるのに何度読んでも読み終わった後に
この世界から抜けにくい。
グロ耐性があるのと、それに到るのに理由(もしくは必要性)があるので
描写から受ける嫌悪感ない。
ただただ、精神的にキツイ。 -
第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。正直、特に面白いと思ったわけではない。すごい作品だと思った。テープの語りの必死さと会議室の無関心さが、絶妙だった。どういう人生を歩めば23歳でこんな作品が書けるのか、とも思った。才能を感じる。
-
内容は
ベイブリッジのゴミの山の中に捨てられた少年が
死ぬ時に自分の声を吹き込んだテープの内容。
食べ物がなく、ありとあらゆる生き物を食べる様
たとえば、蛾などを潰して中から出る茶色の汁を
利用して丸めて作る「虫団子」をはじめ、
数年後に死ぬまでの壮絶エピソード。
そのテープの合間合間の、会議室の大人の関心のなさ。
そして、最後の語り口がズシンとくる。 -
衝撃を受けました!少年の語りで進んでゆく切ない話。苦手な方には描写が少し気持ち悪いかも。
-
台詞が多かったので、スラッと読めました。
所々、表現が怖い所もあったけど、人は生きる為ならここまでするのかと実感する1冊だと思います。 -
グロ耐性ある方だったつもりなのに、グロが痛々しすぎて冷や汗。
でも、切実な叫びが良かった。 -
沙藤一樹さん特有のグロさが生まれた作品。グロいのが苦手な人はキツいかもしれません。が、ボリュームが少ない分、ササっと読めます。