レフトハンド (角川ホラー文庫 57-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 378
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  • Amazon.co.jp ・本 (486ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043464012

作品紹介・あらすじ

製薬会社テルンジャパンの埼玉県研究所・三号棟で、ウィルス漏洩事件が発生した。漏れだしたのは通称レフトハンド・ウィルス、LHVと呼ばれる全く未知のウィルスで致死率は100%。しかし、なぜ三号棟がこのウィルスを扱っていたのかなど、確かなことはなにひとつわからない。漏洩事故の直後、主任を務めていた研究者・影山智博が三号棟を乗っ取った。彼は研究活動の続行を要請、受け入れられなければウィルスを外へ垂れ流すと脅かす…。第4回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  •  わたしの六月はゾンビ月間・・・で6月中に読み終えられなくてやっと読了。
     感染すると左腕だけが抜け落ち活動する様になる奇病を扱ったSF。
     設定がしっかりしており、舞台装置は面白いのだが、折角の魅力的な舞台が全然活かされていない展開な印象。
     ちょっと厚めの本であるが、ページ数を思いっきり減らして、閉鎖された施設を舞台にレフトハンドの脅威を避け如何に生き延びるかというスタンダードな話の方が活きたと思った。
     謎で引っ張る割に、ご都合的な真相も残念。
     原作無視気味の実写映画化で面白くなるパターンかも…。

  • なんというジャンルなのだろう。ホラーコメディ?くだらない笑いもありつつ全体的にはホラーという、あまり読んだことのないお話でした。と言っても安っぽいわけでもないし、ちゃんと読めました。

  • そういう終わり方。感染すると左腕が抜け落ち人を襲い徘徊をするウイルス、レフトハンドウイルスに魅入られていく津川さん。1人で大暴走してヒヤヒヤ。主人公はたしかに主人公していたけれど最後にまさかの人も主人公格に。キーマン。何度も何度も同じ単語が繰り返されるので思わず数えたくなった。微妙に違いはあるけど最初と最後が同じようなシーンでぞくっとした

  • 再読。

    最近すっかり脳科学方面に作風が変わっている(といってもこの作家さん、寡作なんですけど)中井拓志の第1作。

    B級映画っぽい、なんだろうバイオホラー、なのか?
    「人間の腕から左腕が心臓もろとも引っこ抜けて自走する」というトンデモなウイルスの設定が面白い。

    実写化しないかなぁ、と初めて読んだ時からずっと思っているんだけど。無理かなぁ。

  • けっして読みやすい物語ではない。
    難解な部分もかなり多く、登場人物たちの心理描写も独特の表現がされておりわかりにくい。
    研究者とはかくも自分勝手な存在なのかと思ってしまうほど、影山や津川の思考や行動は極端だ。
    研究はすべてのことに優先される。
    例えそれが人類の生存を脅かすウィルスだったとしてもだ。
    研究用に一株のウィルスでもいいから残したいと思う研究者。
    すべてを隠蔽するために、人間社会の未来を守るために、根こそぎ消し去ろうとする会社や国。
    もしもウィルスがどこかに保管されてしまったら、いつ何時、再び漏洩し社会を恐怖のどん底に突き落とすことになりかねない。
    危険性を十分に承知したうえで、それでもなおウィルスを守ろうとする影山たちの考えは、やはり理解しにくかった。
    終盤での展開には驚かされた。
    人間を宿主として成長し、やがて宿主から離れ自立し、宿主を食い散らかして生きていくもの。
    宿主と共生し、宿主を殺すことなく生きていくもの。
    どちらも想像すると吐き気がするほど気味が悪い。
    津川の選択が新しい道を切り開くのか。
    それとも、やはり闇に葬られてしまう存在になってしまったのか。
    国と研究者の戦いは、肝心の責任問題は棚上げにされたまま続いていく。
    それでも最後まで読み通したのは、LHVの秘密が知りたかったからだ。
    LHVはどこで生まれたのか。
    何故三号棟でその研究がされるようになったのか。
    何のためにLHVを研究していたのか。
    こういった分野に興味がある人にとっては面白い物語ではないだろうか。

  • 中井拓志

  • まさか、と思ったが読んでる最中は夜の暗闇がちょっとだけ怖かった。始めに正体バレてるのに、どうやって最後までひっぱるんやろう?って思っていたが、意外と最後は良かった。

  • ちょうど映画のRECを見た後だったこともあり、情景がよくわかりなかなか楽しめた。

    ただもうちょっと長く読みたかったなというのが正直な感想。最後からさらに後半分くらい読みたいくらい。
    続きとかあればいいのにな。

  • 個人的には、彼の【アリス―Alice in the right hemisphere 】よりも、好みでした。
    アリスの方が評価とか高いみたいなんですが。

    話としましては、バイオハザード系ホラーです。
    感染した人たちの、「レフトハンド」への描写がなかなかグロくて素敵です。

    中井氏の小説はアリスでもそうでしたが(アリスの時は脳の仕組み?まわりの話でしたが。ヒトの意識が世界を作っている、といった概念的なお話)今回も「カンブリア紀」の話の詳細があり、雑学まで増えるようなカンジです。
    複雑で難しい文章も多く、ナナメ読みしてると理解はできませんがきちんと読めばすんなりと入ってきます。

    最初に、ジャパンテックという、舞台となっている会社のロゴマークが書かれているのですが、それをすっかり後ろのほうまで忘れてしまい、後で伏線として出てきた時には「やられた!」と思いました。

    ラストの終わり方がなんとももにょもにょですが、とてもおもしろい小説だと思います。
    どのページも真っ黒で(赤川次郎の本などは、会話が多く文章のしたの方まで書かれていないページが多いため、「白い」なぁと思うです)、読み終わるまでに時間がかかり、おなかいっぱいフルコースってカンジでした。
    いや、普通にかなり分厚い本でもあるんですけどね。

  • 研究所でバイオハザードが起きて、感染すると左手が脱皮するお話。
    まさに左手だけバイオハザード。

    メインの主人公と思ってた人が端役だったり、何か好転するわけでもないお話。
    これを読んだ後は、カンブリア宮殿を見る度にこの作品を思い出すことうけあい

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