玩具修理者 (角川ホラー文庫)

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  • 角川書店
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レビュー : 304
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043470013

作品紹介・あらすじ

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。親に知られぬうちにどうにかしなければ。私は弟を玩具修理者の所へ持って行く…。現実なのか妄想なのか、生きているのか死んでいるのか-その狭間に奇妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。

感想・レビュー・書評

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  • 積読崩しました。いい感じに気持ち悪かった……。
    にしてもこの作者さんの会話文は独特ですね。倒置法が癖なのかな。あと凄く芝居掛かっているように見える。

    「玩具修理者」
    女の語り口が怖い。人体解体シーンはこうなるだろと流れ的に分かっているのにも関わらずいざ目にするとうぇぇ……と生理的にくるものが。淡々と詳細に描いている感じがよかった。オチもそうくるか! という感じで、珍しくはないんだけど綺麗にまとまっていました。その後がとても気になる話。

    「酔歩する男」
    頭おかしくなりそう~ドグラマグラを読んだ時の感覚と似ている。途中から現れる専門用語の波も相成ってなんだかくらくらしてきます。解釈にかなり頭を使う話なのでそのうち改めて読み返したいな……。自分の立ってる位置があやふやになりそうな不思議な読後感がとても良いので現実を離れて架空の世界にどっぷり浸りたい時にオススメです。

  • 小林泰三作品は初読み。完全なホラーのイメージだったけれど、こういう作風だったのか。

    表題作の「玩具修理者」は、いかにもホラーな感じでグロさもあり。「酔步する男」のほうはタイムトラベルものでSFっぽくもある。
    共通するのは、今まで当たり前に信じていたものが当たり前でなくなる恐さ。生物と無生物、過去・現在・未来という時間の連続、哲学的とも物理学的とも取れるやり取りに、常識が覆され、何を信じたらいいのか奇妙な感覚に引き込まれる。

    とりあえず他の作品も読んでみようかな。

  • 表題作も凄いんだけど、もう一遍がとてつもない。
    こんなに複雑で気持ち悪くなるタイムパラドックス物初めて読んだ。

  • クトゥルフ神話に興味があって、この作品がモチーフとして扱っていると聞いて読んだ。
    だが、それ以上の不気味さ、恐怖を味わうことができたと思う。
    玩具修理者関しては、身体の描写がよくこんなにも気持ち悪く描けるなと感心した。そして最後のオチ。今思えば何となく読めそうな展開だったが、話に引き込まれて考える隙もなかった。
    酔歩する男は、読み終わった後、自分がちゃんと今ここにいて、昨日と同じ自分なのか、不安にさせられた。ただただ絶望で、希望のきの字もない。もしかしたら、こういうことあるのかもしれない。
    どちらの話も、ただグロテスクな表現をするだけではなくて、理論というか、議論をしているのが面白いなと思った。例えば、生物と非生物の違いは何か?とか。ホラーでもあり哲学でもあるのかもしれない(?)
    個人的にはSAN値チェックが入るような本だと思います笑

  • 評論家が小林泰三は「いちびりだ」って言っていたのが印象的です

    意味は傷口を相手が嫌がれば嫌がるほで見せたがる性格のことだそうです

  • 久々にホラーっぽい読み物がしたくなったので気まぐれに買ってきました。

    玩具修理者。子どもの頃、大人にないしょでみんなが通っていた不思議な存在。独楽も、ラジコンも、ゲームカセットも、死んだ猫も、何でも直してくれる不思議な存在。幼い弟を死なせてしまった「私」は、弟の修理をお願いした………『玩具修理者』
    今まで気が付かなかった場所にできた店。知らないうちになくなった学校。今挨拶をしてきたあの人は知り合いなんだろうか。明日は本当に明日なんだろうか。ある日出会った知らない親友に聞かされた話はあまりにも突飛で、しかし真実なのかもしれない……『酔歩する男』

    日常に潜む異質な非日常を、もしかしたら自分の身近にあるかも、と思わせるじっとりとしたホラー小説でした。
    グロ耐性のない方は読まないほうが懸命かと思います。
    読み終わってあたまがくらくらする異様な雰囲気がよかったですね。



    いわゆるクトゥルフ神話系統の不気味なお話です。
    タイトルだけでは絶対にわからないですね。読むまで知りませんでした。
    特に、『玩具修理者』の方は露骨にクトゥルフ、ヨグ=ソトース、ニャルラトホテプの名が登場します。
    生きてくのが不安になるようなコズミックホラーがお好きな方、おすすめです。

  • 短編の表題作と長編「酔歩する男」が収録されている。表題作のほうは短編らしく、捻りの効いたオチで面白いと思った。だが、表現が少し悪趣味なので、その方面に弱い人はやめたほうがよいかもしれない。
    長編は圧巻だった。量子力学や、不完全性理論などを少しかじっていると面白さがわかると思うが、その方面の知識がないと難解なのではないだろうか。
    ホラーというような恐怖は余り感じなかった。

  • 2作ともきれいなオチに感服。
    玩具修理者は直球なクトゥルー物でうれしい。
    酔歩する男もややこしいが楽しめた。登場人物の名前はクトゥルーものからとられているのだろうか?
    読みにくすぎて何度も読み返してしまった。

  • 昔読んだ時、特に『酔歩する男』には衝撃を覚えた。 今読むと軽い麻薬みたいに気持ちよくなれる。

    『玩具修理者』……最初は女の話に度々口を挟んでいた「ぼく」が気づくと何も声を出せなくっている。読んでる自分もそのことに違和感を覚えないほど「ぼく」と同じ心情になっていることに気づいたときの悪寒。もうやめてくれと言いたくなるしつこさ。くせになる。

    『酔歩する男』……快感に似た眩暈を覚える。今まで読んだ時間SFの中で一番もしかしたら起きうるかもしれないと思わせる論理を提供してくれた。それはフィクションにもかかわらず、自分のいる現実に非現実が割り込んできたかのような感覚を覚えさせてくれた。それが昔読んだときの衝撃の原因であり、今読んだときの快感なんだと思う。人は波動関数の収束によって安心し、波動関数の発散によって希望を捨てられない。

  • 人物と人物の会話は面白いのだが、長たらしくクドい。もう分かったから・・・と思ってしまう。
    現実ではありえないことを淡々と話すサングラスをかけた女と、それを突っ込みながらも聞いている男(主人公)。タイトルの「玩具修理者」自体は短い小説だ。「顔の肉が〜」や「内蔵が〜」などの類いに触れまくるので(しかもそれらをカッターナイフで・・・)、耐性のない人は読まない方がいい。

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プロフィール

1962年京都府生まれ。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門を受賞。『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他の著書に『人獣細工』『肉食屋敷』『家に棲むもの』『脳髄工場』『忌憶』『臓物大博覧会』『人造救世主』など多数。

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