家に棲むもの (角川ホラー文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 451
レビュー : 50
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043470051

作品紹介・あらすじ

ボロボロで継ぎ接ぎで作られた古い家。姑との同居のため、一家三人はこの古い家に引っ越してきた。みんなで四人のはずなのに、もう一人いる感じがする。見知らぬお婆さんの影がよぎる。あらぬ方向から物音が聞える。食事ももう一人分、余計に必要になる。昔、この家は殺人のあった家だった。何者が…。不思議で奇妙な出来事が、普通の世界の狭間で生まれる。ホラー短編の名手、小林泰三の描く、謎と恐怖がぞーっと残る作品集。

感想・レビュー・書評

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  • ホラー短編集。不安と狂気に満ちてるのに、どこかユーモアがある。
    一話目の表題作「家に棲むもの」が秀逸。嫁いだ先の旧家には見えない何かが潜む。過去の住人の話も織り込みながらじわじわ不安を煽ってくるサイコサスペンス的な進行と妙に生々しい描写が怖い王道の屋敷ホラー。オチを生かす構成と伏線も上手い。
    「お祖父ちゃんの絵」も好み。じわじわ狂気が滲み出てくるサイコホラー。ラストの解釈に少し悩んでいる。

  • 好きな人はすごく好き、小林氏らしい内容の短編集。面白く読みました。

  • 各家庭で起こる不思議な現象や、侵入者による事件なんかを、想像して読み始めたが皆、何処かおかしい人たちのお話だった。 「肉」で登場人物のキャラに安心しかけるも、後半はどんどん気持ち悪くなるばかり。 魔女のがもう少し長編で読みたかったかな。

  • ホラーではないような?

  • 【図書館本】短篇集。タイトルの「家に棲むもの」が、不気味さ気持ち悪さ最大で割りと良かった。あとは「食性」かな。小林泰三さんの本は、万人向けではないと思うけど、気になる方は、どうぞ。

  • 「この家には≪何か≫が居る」っというホラー作品の王道を綴った表題作『家に棲むもの』をはじめとした小林泰三によるジワジワ『来る』7作から成る短編集。
    ≪食べ物≫とは他の命を屠り、生存権を奪って己の栄養分とする人間の利己的な行いに対するその罪とは?を独特の「屁理屈」とロジックで綴る『食性』。
    それぞれ微妙に異なる四人の視点による一つの殺人事件の状況とは?『5人目の告白』
    先出の「肉食屋敷」登場するウルトラマッドサイエンティスト、丸鋸遁吉(まるのことんきち)先生が登場する作者自身によるセルフパロディー作品『肉』。
    「裏・赤ずきんちゃん」なエロティシズムホラーの『森の中の少女』。
    現在と過去、現実と妄想、そして男と女。というアダルトホラーな『魔女の家』。
    小林泰三の得意とする淡々とした語り口による回顧譚はやがて狂気の所業による描写にすり替わってゆくという作者の得意とするロジックを堪能できる『お祖父ちゃんの絵』。
    恐怖やホラーというよりも、生理的嫌悪のドロドロ、グチャグチャな描写で、少しずつ崩されて行く正常な感覚を認識しながら読む事で得られる「活字による快感」が体現できる一冊。

  • 2015年の二冊目は、昨年下半期、最も多くの作品を読んだ、小林泰三のホラー短編集。七編収録。
    この短編集も振り幅が大きい。
    「森の中の少女」、「魔女の家」はダーク・ファンタジー的。
    「五人目の告白」は、ミステリーホラー的。
    「家に棲むもの」も、ミステリーホラー的だが、この中では、王道的なホラーの部類かな?!
    残る三作が自分としては、好み。
    「肉」は少々天然なリケジョの物語。味付け的気持ち悪さもあるが、ソレも含めて、コメディ・タッチ。
    「お爺父ちゃんの絵」はヤンデレなお婆母ちゃんの話。展開は想像出来たが、ソゥいう大オチか……。オチはコレが一番かも?!
    「食性」コレを書いた時点では、「肉食女子」「草食男子」なんて言葉はなかっただろうに……。「お爺父ちゃんの絵」と逆に大オチは予想通り。ラスト、不自然に感じる部分もあるが、この中では一番好みかな?!
    後半紹介の三編は再読すると順番変わるかも?って感じ。
    全体的に今作も、安定的な面白さ。ただ、「コレ!」という目玉作はなかったのが、残念な気がする。そこで、評価は★★★☆☆。

  • 面白いですが、ハード目なのが好きな私にはちょっと物足りなかった。。。

  • ホラーの短編が7本載ってます。

    どれもあんまりおもしろくなかったなぁ。
    えっ?ギャグ?って思っちゃうようなオチとかさ。

    読んでて、怖いってほとんど感じないホラーって
    どぉなんだろ。

  • “「食べれば罪にはならないのよ」易子は微笑んだ。
    「罪にならない……」
    「そうよ」易子は器用に小さな体から肉を切り出して、大皿に丸く並べていく。「食べるために動物を殺すことは悪いはずがないわ。もし、そうだとしたら、肉食動物たちは生まれながらに罪を背負っていることになる。それにほとんどの人たちは他の人に殺して貰った肉を食べているじゃない。それは罪深いことかしら?」
    「わからない」わたしは首を振った。
    易子はセーラー服をぬいで全裸になっていた。血で汚れるのが厭なので、捌く時はいつも裸になるという。蜜柑のように明るい若い肌に点々と鮮血が飛び散り、華やかな色取りを添えている。心なしか上気し、女の匂いを放ち始めている。”[P.81_食性]

    「家に棲むもの」
    「食性」
    「五人目の告白」
    「肉」
    「森の中の少女」
    「魔女の家」
    「お祖父ちゃんの絵」

    普通はぬめぬめしないものがぬめぬめしたりべちょべちょしたり。
    一人称がわたしだったり僕だったり俺だったりゆらゆらしてる。食性も、二重人格もの?

    “「残念ながらそうじゃない」わたしは無理に白女の目から視線を引きはがし言った。「僕はあくまで君の代弁をしただけだ。最初に言った通りこれは僕自身の推理ではない。僕は五人目ではない」
    「何ですって?!あなたは正しく推理したはずだわ。どうして、自分が五人目でないと断言できるの?根拠は何?」
    「探偵が犯人なのはルール違反だからさ」わたしは微笑むことができた。「いや、今のは冗談だよ。僕は実はもう一つ情報を持っている。つまり、僕自身の知識だ。ここに一つの知識がある。この知識によって今までの推理はすべて覆る」”[P.134_五人目の告白]

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