脳髄工場 (角川ホラー文庫)

著者 :
制作 : 森山 由海 
  • 角川書店
3.51
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本棚登録 : 592
レビュー : 64
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043470075

作品紹介・あらすじ

犯罪抑止のために開発された「人工脳髄」。健全な脳内環境を整えられることが証明され、いつしかそれは一般市民にも普及していった。両親、友達、周囲が「人工脳髄」を装着していく中で自由意志にこだわり、装着を拒んできた少年に待ち受ける運命とは?人間に潜む深層を鋭く抉った表題作他、日常から宇宙までを舞台に、ホラー短編の名手が紡ぐ怪異と論理の競演。

感想・レビュー・書評

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  • 犯罪抑止のために開発された「人工脳髄」。健全な脳内環境を整えられることが証明され、いつしかそれは一般市民にも普及していった。両親、友達、周囲が「人工脳髄」を装着していく中で自由意志にこだわり、装着を拒んできた少年に待ち受ける運命とは?人間に潜む深層を鋭く抉った表題作他、日常から宇宙までを舞台に、ホラー短編の名手が紡ぐ怪異と論理の競演。(背表紙)

    脳髄工場
    友達
    停留場まで
    同窓会
    影の国

    C市
    アルデバランから来た男
    綺麗な子
    写真
    タルトはいかが?

  • 読書録「脳髄工場」3

    著者 小林泰三
    出版 角川ホラー文庫

    p142より引用
    “ 早いものだ。あれから、二十年もたつの
    か。感慨深げにそう思ってはみたが、回りで
    騒いでいるかつての同級生たちを見ていると、
    とてもそんな遠い昔のことのような気はしな
    い。”

    目次から抜粋引用
    “友達
     停留所まで
     声
     アルデバランから来た男
     タルトはいかが?”

     日常生活の続きにありそうな恐怖を描いた、
    ホラー短編小説集。全十一話。
     少年は父と母の頭に付いている物に違和感
    を持っていた。ある時父親に抱き上げられ、
    気になっていたそれに触れると…。
    (脳髄工場)

     上記の引用は、同窓会についての話での一
    節。若い時代の濃密な時間を共に過ごした仲
    間との再会は、合わなかった時間なんて無
    かったかのように感じさせるものなのですね。
    しかし、若い時分の写真と見比べてしまうと、
    やはりはっきりと時の流れを見て取ってしま
    います。
     ホラーなのですから当たり前かもですが、
    全体的に後味が気持ちよくありません。
    沢山の怪物とガンガン戦うようなホラーを期
    待すると、当てが外れるでしょう。
    しんみりとする話もありますが、気持ちが落
    ち込んでいる時に読むと、より一層どんより
    としてしまうかも知れません。

    ーーーーー

  • どれも好きだけど、やはりタイトルにもある脳髄工場が好きかも。
    C市もよかった。

  • ホラー短編集。全体的に粒揃い。「脳髄工場」「友達」「C市」「綺麗な子」が特によかった。

  • “「何を言ってるんだ?」ドッペルが真顔になった。「他人てのは俺のことか?俺はおまえじゃないか。自分で自分の記憶を思い出す切っ掛けを作ってるだけなんだから、おかしくもなんともない。それとも、まさか、おまえ俺を自分から切り離して考えてるんじゃないだろうな」
    「そんなことはないよ」僕は慌てて首を振った。
    「それで安心した」ドッペルに笑顔が戻った。「俺はまた、おまえが俺に名前でもつけたんじゃないかと冷や冷やしたぜ」
    僕の全身にゆっくりと鳥肌が広がる。”[P.114_友達]

    「脳髄工場」
    「友達」
    「停留所まで」
    「同窓会」
    「影の国」
    「声」
    「C市」
    「アルデバランから来た男」
    「綺麗な子」
    「写真」
    「タルトはいかが?」

    “「ムッシュムラムラ!」先生が呪文を唱えた。
    まるでビデオを巻き戻すかのように、すべての針はそれが発射されたのと全く同じ軌跡を後戻りして、六型の体内に戻っていった。どんなに頑丈な鎧に守られていようが、針の発射口は無防備だ。六型は動きを止めたかと思うと、不気味な軋む音を発し、粉々に砕け散ってしまった。
    「先ほどのお言葉を返すようですけど」先生は退屈そうに言った。「やっぱり核兵器の方が厄介だと思いますよ。以前、食らった時には、爆風と放射能を無効化するのに苦労しましたもの」
    わたしは左目から飛び出す舌の先を握り締めると、七型をぐいと引っ張った。七型は床の上で滑ってひっくり返った。
    「先生、こいつどうしましょう?」
    「吸収しちゃえば?あなた最近鉄分不足のようだから、ちょうどいいわ」”[P.251_アルデバランから来た男]

  • 角川ホラー文庫創刊20周年記念アンソロジー『二十の悪夢』で平山夢明、恒川光太郎に続き、手にしたのが、小林泰三。
    当初は『玩具修理者』を探していたのですが、コレと『臓物大展覧会』のタイトルにガッツリやられ、BOOK・OFFの¥108コーナーでコレを見つけ、短編集で傾向探るのもイイか…と即買いしました。
    SFホラー的な作品の合間に、オーソドックスなショートショート的ホラーを挟み込んだような構成もけっこう良かった。
    個人的には静かな立ち上がり、理不尽さ連打からのバッド・エンド「綺麗な子」が一番好みかな。ショート系ではベタな感じの「停留所まで」。ゾクっときたのでは「影の国」。といった感じ。
    ただ、どれも悪くないが、飛び抜けてコレ!というモノもなかったかな。
    分量のわりにはコレも読了までに時間がかかってしまっった。
    積読消化したら、小林泰三、他の作品も読んでみよう。

  • 短編によって当りハズレが大きい本だなぁ。
    完全な文系脳ということもあって、物理だか、科学だかが絡んでくる話は分かりにくくてつかめなかった。
    でも「友達」とか「停留所まで」とかミスリードを誘うような普通のタイプの話は面白かった。
    これは読み手を選ぶ本じゃないかな。

  • C市が好き。
    人知を超えたおどろおどろしい恐怖でたまりません。
    ただ、塩の秘術はどう考えてもギャグ、、、笑

  • タイトルからもっと陰惨な想像をしていたが、小林泰三にしてはちょっと物足りない気もする。

  • ほどよいグロさ。

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著者プロフィール

1962年京都府生まれ。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門を受賞。『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他の著書に『人獣細工』『肉食屋敷』『家に棲むもの』『脳髄工場』『忌憶』『臓物大博覧会』『人造救世主』など多数。

「2016年 『失われた過去と未来の犯罪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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