- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043470075
作品紹介・あらすじ
犯罪抑止のために開発された「人工脳髄」。健全な脳内環境を整えられることが証明され、いつしかそれは一般市民にも普及していった。両親、友達、周囲が「人工脳髄」を装着していく中で自由意志にこだわり、装着を拒んできた少年に待ち受ける運命とは?人間に潜む深層を鋭く抉った表題作他、日常から宇宙までを舞台に、ホラー短編の名手が紡ぐ怪異と論理の競演。
感想・レビュー・書評
-
(2024/01/10 2 h)
かなり面白かった
哲学的問やSF 的要素の強いホラー詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編が11篇収録された小説。
特に気に入ったのは、この2つだった。
ペットも子供も機械だったら食事も排泄の世話も何もしなくていい。けれどいつかは終わりがきてしまう「綺麗な子」
弟から届く手紙の一通一通を読んでいくと、どうにも様子がおかしくて……?という「タルトはいかが?」 -
・世にも奇妙な物語や意味がわかると怖い話みたいな話の短編集
・タイトルと表紙からグロいのを想像していたが、あくまで気味の悪さを演出する程度のグロさで、不快にはならなかった。
・ホラーやSF、恋愛など、話のジャンルのバリエーションが豊富で驚いた。
・好きな話は「友達」と「停留所まで」 -
この頃の作品が一番好きだった。
-
2021年9月 1冊め
-
グロテスク版世にも奇妙な物語。小林泰三は癖になる。
-
犯罪抑止のために開発された「人工脳髄」。健全な脳内環境を整えられることが証明され、いつしかそれは一般市民にも普及していった。両親、友達、周囲が「人工脳髄」を装着していく中で自由意志にこだわり、装着を拒んできた少年に待ち受ける運命とは?人間に潜む深層を鋭く抉った表題作他、日常から宇宙までを舞台に、ホラー短編の名手が紡ぐ怪異と論理の競演。(背表紙)
脳髄工場
友達
停留場まで
同窓会
影の国
声
C市
アルデバランから来た男
綺麗な子
写真
タルトはいかが? -
読書録「脳髄工場」3
著者 小林泰三
出版 角川ホラー文庫
p142より引用
“ 早いものだ。あれから、二十年もたつの
か。感慨深げにそう思ってはみたが、回りで
騒いでいるかつての同級生たちを見ていると、
とてもそんな遠い昔のことのような気はしな
い。”
目次から抜粋引用
“友達
停留所まで
声
アルデバランから来た男
タルトはいかが?”
日常生活の続きにありそうな恐怖を描いた、
ホラー短編小説集。全十一話。
少年は父と母の頭に付いている物に違和感
を持っていた。ある時父親に抱き上げられ、
気になっていたそれに触れると…。
(脳髄工場)
上記の引用は、同窓会についての話での一
節。若い時代の濃密な時間を共に過ごした仲
間との再会は、合わなかった時間なんて無
かったかのように感じさせるものなのですね。
しかし、若い時分の写真と見比べてしまうと、
やはりはっきりと時の流れを見て取ってしま
います。
ホラーなのですから当たり前かもですが、
全体的に後味が気持ちよくありません。
沢山の怪物とガンガン戦うようなホラーを期
待すると、当てが外れるでしょう。
しんみりとする話もありますが、気持ちが落
ち込んでいる時に読むと、より一層どんより
としてしまうかも知れません。
ーーーーー -
どれも好きだけど、やはりタイトルにもある脳髄工場が好きかも。
C市もよかった。 -
ホラー短編集。全体的に粒揃い。「脳髄工場」「友達」「C市」「綺麗な子」が特によかった。