泣かない子供 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 2551
レビュー : 154
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043480029

感想・レビュー・書評

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  • この人のエッセイは、赤裸々で気持ちがいい。

    それから、「流しのしたの骨」や「間宮兄弟」のような、江國さんの書く家族の話が、なぜ魅力的なのか、このエッセイの中に見つけたような気がする。
    家族のことを、「排他的集団」と称して、「変態的」と称して、実はものすごく敬愛しているのだ。
    こんな、家族に対する愛情のかけ方、初めて知りました。

  • サラッと読める。表現が柔らかくて綺麗。真似したくなるような言葉や漢字やひらがなの使い方が、ほんとうに一杯あった。

  • 『ありふれた変態たち』。家族という集団が外から見るといかに排他的で内にいるひとにとっても束縛に満ちていて寂しく、けれどもその集団だけのリズムには心地よさもあるかについて。それを「変態的」と表現しているのが良い。ほかには『父の小言』『「バンビ」のこと』が良かった。江國香織は、家族についての文章と本など何らかの作品の感想が良い。『「バンビ」のこと』で動物達の森における力関係の描写について「やさしい言葉で淡々と語りながらも、ザルテンの観察眼には容赦がない。」と書いているがこれは江國香織自身の文章にも当てはまると思った。自分の感覚や気持ちを大事にしていて柔らかいが、後ろにもう一人冷静な自分がいて、表現を選び抜いて文章を書いているのではないかと感じさせる。

     中学生のころよく読んでいた作家だが、都会的な雰囲気や恋愛が主題の文章が苦手で読まなくなっていた。大学院に進んでから雑誌「飛ぶ教室」のバックナンバーに載っていた文章が気に入って、ようやっとこの本を読むことが出来た。これからはエッセイや童話を読んでいこうと思う。

  • 薄紙をたちまち透明にしてしまう父の魔法「ママには内緒」。幼い著者と父の「秘密」の共有をつづったこのエッセイはとても可愛らしい。
    執筆当時著者がまだ年若いためか、集められたエッセイは玉石混交で、のちの作品に比べてより繊細な印象が増すように思う。ことばに厳格なお父様に育てられただけあり、ことばの選び方、使い方がとても綺麗。少女の薔薇色の頬のような感性――「として見えるよう」計算され尽くした少女性。例えば武田百合子のような「本物」の少女性に感じる危うさやこわさとは違い、見目に儚く美しくあることを身上として飾られたパステルピンクのドラジェのよう。(カズハ)

  • 夜のコーヒーショップで人を待ちながら、
    ひといきに読んだ。

    日々の小さなかなしみとか、ときめきとか、
    本当に大切に記されている。

    ひとつひとつ読み進めていくと、
    ああわたし生きているなあ、と安心する。

    結局、待ち人には会えなかったけれど
    まあ仕方ないかと思えた。

  • 私が江國さんの本を好きな理由がはっきり分かった本。
    強く主張したり押しつけがましくない。江國さんは、読者のためというよりも、自分のために書いているなと思った。だから素直に静かに自分と向き合っているのが分かった。読者と向き合っているようなエッセイをよく目にするから、江國さんみたいな姿勢で文章を書く人が大好き。

  • 足かけ8年分の出来事や読書日記をまとめたエッセイ。他のエッセイに比べると、少し雑多な印象。書簡形式の「ラルフへ」に、不倫に対する思いがはっきり書かれていて、決して悪い意味ではなく、こんな感じ方もあるんだと新鮮な気持ちになった。不倫の恋愛が持つ悲しみに、「びしょびしょ泣いて」しまった江國さん。その繊細さは、家族というものが内包する 異常性と愛情の絡まったもの に向ける思いからも垣間見えて、これらの気持ちはどこかで繋がっているのかもしれないなと、「妹の不在とその影響」「ありふれた変態たち」を読んで感じた。

  • 2018.3.21
    江國さんのエッセイ。可憐な中に芯がある、そんなイメージの人。疲れた仕事帰りの電車の中では、なかなか読み進められなかった。ちょっと切なさを感じたりするからかな。
    自分の思い、考えを言葉にする。当たり前なんだけど、江國さんて本当に作家に成るべくしてなったような、なんだか偉そうながらそんなことを感じてしまう文章の数々。
    不倫の現し方とか夜中のブラブラ、喫茶店の話に妹さんへの想い。「どこまでがフィクションなんですか?て質問の意味がわからない」的なことを言っておられたのが印象的。

  • 夜寝る前に読んでいると、どうもこのところ寝落ちしてしまって。
    これも二度読みだ。
    やっぱりこれも彼女だからこそ書ける言葉がたくさんあって、自然と添える。

  • とてもいい空気のエッセイでした。柔らかくてキラキラしていて、でもしっとりと上品で。江國さんはかわいい中にもしっかり芯のある人だなと、改めて感じます。江國さんの小説の登場人物のように、自由で素敵です。気持ちがほっとしました。江國さんの小説をまた読みたくなりました。エッセイは、川上弘美さんのまごまごしたものも良いですが、江國香織さんのふわふわしたものも好きだなと思いました。

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