冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 11190
レビュー : 1154
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043480036

作品紹介・あらすじ

穏やかな恋人と一緒に暮らす、静かで満ち足りた日々。これが私の本当の姿なのだろうか。誰もが羨む生活の中で、空いてしまった心の穴が埋まらない。10年前のあの雨の日に、失ってしまった何よりも大事な人、順正。熱く激しく思いをぶつけあった私と彼は、誰よりも理解しあえたはずだった。けれど今はこの想いすらも届かない-。永遠に忘れられない恋を女性の視点から綴る、赤の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 未来へ向かって進もう!前へ進もう!誰かを好きになったら想いを伝えよう!!
    みたいな考え方が、いまの世の中の主流だと思う。

    うんざりするほどの上昇思考の現代。
    過去の恋愛にとらわれたり、うしろを振り返るのはネガティブだとされる。
    前向きであることが、ポジティブであることが、人生なのだろうか。

    忘れられない思い出、何年も前の約束、そんなものを心に秘めて生きているあおい。読み手によっては、悲劇のヒロイン気取ってる女だと思われそうな、陰のある女性。

    彼女は前向きではないし、想いを伝えることもしない。
    それは自己満足に過ぎないと彼女は知ってる。

    堕胎のことを引きずるあおいを献身的に支えようとしたマーヴは救われなかった。あおいは彼に甘えたけど、頼りはしなかった。

    みんなが一緒に幸せにはなれない。
    それをネガティブとか、後ろ向きとか、悲劇のヒロインというのは簡単。
    いつだって過去には勝てない。思い出に勝るものはない。

    さみしいけどそういうことなんだと思う。

  • 多分一番多く読み返している本。そして私がイタリアに憧れを抱くきっかけとなった作品。

    初めて読んだ時は高校生。正直つまらないと思った。
    映画と辻仁成の「青」は素晴らしく面白かったけど、この「赤」はつまらない。
    お風呂と読書とセックスしかしていない、ただ優雅で怠惰な女性の単調な話じゃないかと。

    大人になってからはそんなあおいの生活に憧れ、こんな恋を羨ましいと思った。

    そして今、今まで苦手だった江國さんに何故かいきなりハマってしまった今。
    素晴らしいと思った。
    江國さんの他の作品を読んでいると分かる。
    江國さんだけの小説だったら、こういう台詞は出てこないと思う言い回しが多々ある。
    でも恋愛を始め、人との交流というものは自分では予期出来ない台詞の応酬だ。
    これは共作のなせる技だと思う。
    それに、それでも江國さん色は失っていないのだ。

    来月、念願が叶ってイタリアに行ける。
    この本は絶対に持っていこう。

  • 大学生の頃から繰り返し読んでいる。
    辻仁成さんのblueの方も対として読んだけれど、それぞれが男性と女性の視点から語られているのでどうしてもrossoを読み返すことが多く、かつ共感する部分が多い。

    江國さんの本が好きな理由は主に2つ。

    ひとつ目は、江國さんの文章そのもの。
    江國さんの小説、エッセイは書き方が他には無い書き方で、瑞々しくそれでいてからっと乾いていて軽やかで良い香りがするような文章。そして独特の表現。(特に恋愛について)変わった表現だなと思うのに、どこかしっくりきて共感してしまう不思議さに魅了されて、一時期江國さんの本をかなり集め、片っ端から読んでいた。

    ふたつ目は、繰り返し読んでいると、読み返すたび自分が共感する部分、フレーズが変化するところ。
    この本についても、フェデリカの「人の居場所なんてね、誰かの胸の中にしかないのよ」という言葉にも初めて読んだ時は「居場所を誰か自分以外の人に委ねるなんて、不安定すぎる」と思った。でも時間を経て、心を預けられるような人との出会いを重ねたあと読むと、全く違う言葉のように聞こえる。

    学生時代の思い出も蘇るから懐かしさもあり、読むたびに見方が変わる新鮮さもある大好きな一冊。

  • 再読。学生時代江國香織が大好きで、殆どの作品を貪るように読んでいました。大人になってからは彼女の描く女性像がどこかフワフワと心許なく、着実に地に足付いた生活をするようになった私には合わない世界になっていきました。今回この作品を再読したのは、秋にフィレンツェに行く予定があったから。舞台になった物語を読もうと手に取ったら、ミラノだったことに驚き、先を読むにつれてちゃんとフィレンツェに行きついてホッとしました。物語はほとんど覚えていなかったけど、昔よりも面白く読めた気がします。あおいに幸せを。

  • 恋とも愛とも友情とも憎しみとも言えない、名前のつかない感情、空気感を表現させたら、このひとの右に出るものはいない。そしてそういう名前のつかないなにかで、ひとの一生は占められることが多いのではないだろうか。

  • こっち(ロッソ)側だけでだいたい何が起こったかわかるなーと思いつつ読んだけど、ラストと江國香織さんのあとがきで「半分だ…!!」と思い知ったので小説の勝ち。

  • 恋をしているときを思い出せます。
    江國さん、いい本書きますね。
    そして2冊セットなのがこの本のミソです。

  • 原作、映画ともに大好きな作品♡
    フィレンツェにも行きました

  • 江國香織さんの恋愛小説が好きで読みました。
    穏やかな日常の中で完璧とも言える恋人といる主人公になぜか陰のある理由が明らかになっていくのですが…。
    複雑な物語でも無いのでほとんど一気に読んでしまいました。
    読了後に残った感情を忘れない内に(笑)青も読みたいです。

  • 名前聞いたことがあったから読んで見た本。
    赤と青があるのも知らなかった。
    多分僕にはずっとわからない女性が主人公なので、青から読むべきだったんだろうな。
    雨が好き、とか、合理的ではない、感情だらけで。
    でもなぜかページをめくってしまう本でした。

    イタリアに行きたくなりますね。
    あとは、青の方も読もう。

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著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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