- Amazon.co.jp ・本 (684ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043495016
作品紹介・あらすじ
孤島、"奇跡島"。昭和初期、名家の娘の手により享楽の館が築かれたが、彼女の不可解な死以来封印されてきた魔島。そこに眠る膨大な美術品を鑑定するために島を訪れた美大の芸術サークル。彼らを出迎えたのは凄惨な連続殺人だった。脱出不可能のパニックのなか、メンバーは自ら犯人を探し始める…。これぞ、本格推理小説!著者が全霊を込めて取り組んだ"フーダニット(犯人探し)"。厳密な論理と巧妙な道具立てで読者に挑戦する意欲作。
感想・レビュー・書評
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『陸地から足を離すという行動は、考えようによっては非常に不安定な状況だ。船乗りならいざ知らず、普通の人間にとっては、両足の下に固い地面が存在することが、無意識における精神的保険になっている。
人間は日頃、大地を意識していない。けれども、これは途轍もなく重要なことだ。何故なら、心的にも肉体的にも、自己の存在感の立脚に関する拠り所でもあるのだから。
だから、それが急に失われたら。
象徴だ。
存在基盤の象徴。
極端なことを言えば、自我の喪失との符合だ。陸地を離れること。それはあらゆる自信喪失に繫がり、果ては、人間としての魂の尊厳を失うことにもなりかねない。』
孤島、館、見立て、人形、謎解き。理想的なクローズドサークル物。それだけで素晴らしい!
(@ ̄ρ ̄@) -
あれっ、もしかして期待値上げ過ぎたか?!(滝汗)
人狼城を読んだ直後だからでしょうか。久しぶりに、良くも悪くもここまでテンプレな「本格」を読んだぞ〜とちょっぴり残念な気持ちになってしまったのでした(・ω・;)うーん…
若者言葉の違和感、地の文での「?!」多用が終始気になってしまって、とうとう最後まで文体が馴染みませんでした。…時代なのかなあ。
外界と断絶された孤島や、見立て・密室・死体装飾・曰く付きの館など、これぞ本格の様式美…といつもなら問答無用で酔い痴れるファクタてんこ盛りなのですが、上記を始め、色々なところに粗が目立ったような気がするのですよねえ(汗
食事を食べる前に「たいしたことのない味だ」とか言っちゃうし、先ずは事故の可能性を判断できる状況なのに直ぐに殺人と断定しちゃうし、会話が何だかチグハグだったりするし…。
一番「ええ〜(・・;)」ってなっちゃったのは、「俺は殺してない!証拠はあるのか!」って声高に主張した犯人が、次の瞬間、仲の良い人物に詰め寄られて簡単にゲロっちゃった点ですかねえ…うむ…。
こんなに評価が辛口になっちゃうのは、人狼城を読み終わった満足感を味わった直後だからなあ。
前に読んだ作品が面白かった!ってなると、必要以上にハードル上げる悪い癖あるからなあ、私( ; ; )自業自得やん( ; ; )およー
膨大な美術品が眠る無人島、奇跡島。昭和初期に建てられ、令嬢の奇妙な死以来、無人となっていた白亜の館に、美術鑑定のため訪れた8人の美大生。ところが、鑑定中にメンバーの一人がシャンデリアに押し潰されて死亡する痛ましい事件が発生する。やがて、事態は凄惨な連続殺人へと発展し…。 -
「孤島」「館」「見立て殺人」「密室」「過去の事件」などなど、とにかく本格モノの要素をこれでもかと詰め込んだ魅力的な作品です。
真犯人に意外性がなかったものの、「見立て殺人」理由はオリジナリティーがあり好印象でした。
ただ、事故死体の首を切断して皿に乗せた理由は最後まで明かされなかったので、やや消化不良でした。 -
一応はシリーズもの。
これぞ新本格という雰囲気ですが、今初めて読んでも目新しい感じはしないだろうな、というのが正直なところ。 -
キャラクターがかなりウザイけど、それなりに楽しめた。
犯行の動機は全く分からなかったけど、犯人は分かっちゃった。 -
ラストが蛇足な気もしますがエンターテイメントとして面白かった!
エピローグはじわじわきます。