奇跡島の不思議 (角川文庫 に 8-1)

著者 :
  • KADOKAWA
3.15
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本棚登録 : 194
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (684ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043495016

作品紹介・あらすじ

孤島、"奇跡島"。昭和初期、名家の娘の手により享楽の館が築かれたが、彼女の不可解な死以来封印されてきた魔島。そこに眠る膨大な美術品を鑑定するために島を訪れた美大の芸術サークル。彼らを出迎えたのは凄惨な連続殺人だった。脱出不可能のパニックのなか、メンバーは自ら犯人を探し始める…。これぞ、本格推理小説!著者が全霊を込めて取り組んだ"フーダニット(犯人探し)"。厳密な論理と巧妙な道具立てで読者に挑戦する意欲作。

感想・レビュー・書評

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  • 3

  • 茨城の旭村沖にある、島なのに、なぜ舟が北茨城からなの???
    作家さん、地図見てないよね…^^;
    水戸にそんなすごい財閥ってのも、笑えちゃうけど。
    島を所有ってだけで、すんごいお金持ちって思うけど、別荘やその内装,調度品が美術館並、いや、以上で、読み進めるうちにだんだん食傷気味になります。
    きわめつけは、淫乱なものすごい美女w
    動機とか、どうなんだろ?って思うけど、この美女の魔力にかかっちゃったと言われちゃうと、へーそうなんだと思うしかない。のか?

  • 『陸地から足を離すという行動は、考えようによっては非常に不安定な状況だ。船乗りならいざ知らず、普通の人間にとっては、両足の下に固い地面が存在することが、無意識における精神的保険になっている。

    人間は日頃、大地を意識していない。けれども、これは途轍もなく重要なことだ。何故なら、心的にも肉体的にも、自己の存在感の立脚に関する拠り所でもあるのだから。

    だから、それが急に失われたら。

    象徴だ。

    存在基盤の象徴。

    極端なことを言えば、自我の喪失との符合だ。陸地を離れること。それはあらゆる自信喪失に繫がり、果ては、人間としての魂の尊厳を失うことにもなりかねない。』

    孤島、館、見立て、人形、謎解き。理想的なクローズドサークル物。それだけで素晴らしい!
    (@ ̄ρ ̄@)

  • あれっ、もしかして期待値上げ過ぎたか?!(滝汗)
    人狼城を読んだ直後だからでしょうか。久しぶりに、良くも悪くもここまでテンプレな「本格」を読んだぞ〜とちょっぴり残念な気持ちになってしまったのでした(・ω・;)うーん…


    若者言葉の違和感、地の文での「?!」多用が終始気になってしまって、とうとう最後まで文体が馴染みませんでした。…時代なのかなあ。
    外界と断絶された孤島や、見立て・密室・死体装飾・曰く付きの館など、これぞ本格の様式美…といつもなら問答無用で酔い痴れるファクタてんこ盛りなのですが、上記を始め、色々なところに粗が目立ったような気がするのですよねえ(汗

    食事を食べる前に「たいしたことのない味だ」とか言っちゃうし、先ずは事故の可能性を判断できる状況なのに直ぐに殺人と断定しちゃうし、会話が何だかチグハグだったりするし…。
    一番「ええ〜(・・;)」ってなっちゃったのは、「俺は殺してない!証拠はあるのか!」って声高に主張した犯人が、次の瞬間、仲の良い人物に詰め寄られて簡単にゲロっちゃった点ですかねえ…うむ…。

    こんなに評価が辛口になっちゃうのは、人狼城を読み終わった満足感を味わった直後だからなあ。
    前に読んだ作品が面白かった!ってなると、必要以上にハードル上げる悪い癖あるからなあ、私( ; ; )自業自得やん( ; ; )およー


    膨大な美術品が眠る無人島、奇跡島。昭和初期に建てられ、令嬢の奇妙な死以来、無人となっていた白亜の館に、美術鑑定のため訪れた8人の美大生。ところが、鑑定中にメンバーの一人がシャンデリアに押し潰されて死亡する痛ましい事件が発生する。やがて、事態は凄惨な連続殺人へと発展し…。

  • この作品に限らず、ネタバレを会話に盛り込むのはやめてほしいです。
    キャラ立てがいちいち鼻について好きじゃありませんでした。
    それ以外はかなり楽しめました。二階堂 先生のほかの作品も読んでみたいです。
    ところで、謎解きの上で最初の見立てはかなり親切なヒントなのでしょうか?

  • 「孤島」「館」「見立て殺人」「密室」「過去の事件」などなど、とにかく本格モノの要素をこれでもかと詰め込んだ魅力的な作品です。
    真犯人に意外性がなかったものの、「見立て殺人」理由はオリジナリティーがあり好印象でした。
    ただ、事故死体の首を切断して皿に乗せた理由は最後まで明かされなかったので、やや消化不良でした。

  • 約一週間かけて読みました。
    読みごたえは抜群です( *´艸`)
    「孤島の連続殺人」
    犯人あてといかにもな本格派!

    島に閉じ込められ、追い詰められる様子。
    容疑者達の疑心暗鬼、心の奥底に隠していた本音。
    そんなスリルがひしひしと本文から伝わってきました。
    あと「芸術サークル」となっているだけに、二階堂先生らしく有名作家がゴロゴロ出てきます。

    今回へぇ~と、思ったのは「色盲」
    私も中学くらいまでこの検査をしていました。なんか3Dみたいで面白かったんですがこれが差別に繋がるなんて。
    しかもこの検査が始まったのが戦時中の徴兵検査だなんて思いもしなかった。
    検査が通っても、通らなくても地獄。
    そんな中、有香子姫に落ちた天罰は当然だったかもしれない。
    自分だけ「戦争」という地獄から逃れようとしていたのだから。

    誰に感情移入したかはシオン!
    可愛い子です。
    でも、彼もきっと今からが生き地獄となるだろう。
    じっくり読んでも色々考えた作品です。

  • 一応はシリーズもの。
    これぞ新本格という雰囲気ですが、今初めて読んでも目新しい感じはしないだろうな、というのが正直なところ。

  • キャラクターがかなりウザイけど、それなりに楽しめた。
    犯行の動機は全く分からなかったけど、犯人は分かっちゃった。

  • ラストが蛇足な気もしますがエンターテイメントとして面白かった!
    エピローグはじわじわきます。

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著者プロフィール

1959年7月19日、東京都生まれ。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第一回鮎川哲也賞で「吸血の家」が佳作入選。92年に書下ろし長編『地獄の奇術師』を講談社より上梓し、作家デビューを果たす。江戸川乱歩やJ・D・カー、横溝正史の作品を現代に再現したような作風は推理界の注目を大いに集め、全四部作の大長編『人狼城の恐怖』(1996〜99年。講談社ノベルス)では「1999年版本格ミステリ・ベスト10」第一位を獲得。アンソロジー編纂や新進作家の育成にも力を注ぎ、2000年代は合作ミステリの企画も多数行った。SFの分野にも精通し、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年。徳間デュアル文庫)や『アイアン・レディ』(2015年。原書房)などの著書がある。近年は手塚治虫研究者として傑作選編纂や評伝「僕らが愛した手塚治虫」シリーズの刊行に力を入れている。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

二階堂黎人の作品

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