ひとを<嫌う>ということ (角川文庫 な 35-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043496020

感想・レビュー・書評

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  • 人は普段から「嫌われたくない」と思いながら生きている。それでも人から嫌いと言われると、ショックを受けた上にその相手を憎み続けてしまう。日常的にふりかかる「嫌い」の現実とその対処法を、家族にとことん嫌われた哲学者が徹底的に考え抜いた一冊。

    「自他のうちに「嫌い」を確認したら、いたずらに恐怖心を募らせたり、無理やり抑圧することはやめて、冷静沈着に正視し、その凶暴性を適当にコントロールし、それを自分の人生を豊かにする素材として活用すべきでしょう。」

    人を嫌いになる八つの原因をあげて、なぜそれが起こるのかを解説してくれています。私もすぐ人を嫌う割には、自分が嫌われることは極度に恐れています。そんな私が嫌いに向き合うのに非常に役に立ちました!この八つの原因を元に分析し、嫌いを冷静に見つめて受け止めていけるようになりたいです。

  • どんなに強がっていても人間、他人から嫌われたくないと思う。しかし著者は「ひとを好きなるということと同じように、ひとを嫌いになることもまた人間として自然なこと」と言う。

    確かに自分の胸に手を当てて思い出してみても、(あとから思い出してみると)理不尽な理由であるひとを嫌っていたり、自分の勝手な思い込みで嫌ったりしているのである。そのくせ他人から嫌われたりすると「なぜ」「どうして」と悩み落ち込んでしまうのである。考えてみれば全く手前勝手である。

    そんな日常的にふりかかる「嫌い」の現実と対処法を、家族から蛇蠍のように嫌われた哲学者、中島氏が徹底的に考えたのが、この作品である。

    たまに理解しがたいところもあるが、全体としては面白く、示唆に富んだ作品であると思う。

  • ひとを好きになることと同様、ひとを嫌いになることの自然性にしっかり目を向けよ。という主張です。それに、自分も人を嫌うのだから、嫌われることもあるのは最もであるとも。確かにそのとおりですね。人を嫌うことの罪悪感に悩んでいるときに手に取った本ですが、なんら罪悪感を抱く必要はないと思えました。自分をとりまく好きと嫌いを色に例えて考えたら、それまた色とりどりで人生さらに楽しいですね!心に残ったフレーズ…「嫌い恐怖症候群」の人生ではなく、様々な強度のさまざまな色合いの「好き」と「嫌い」が彩っている人生こそ、すばらしい。いかなる職場でも適度にアナタを嫌う人がいたほうが、そこから様々な他人との関係を学ぶことができる。どこに配置されても、あなたを大好きな人ばかりはいないのだから、そして、その理由は理不尽なのだから、そこで抵抗力をつける技術をつけることが必要です。他人は、あなたを合理的には遇してくれませんよ。

  • 自然に『好き』と言う感情があると同様に、『嫌い』もあって当然。
    (確かに!)
    だから、『嫌い』の感情を抹殺せずに認めよう!

    日常的な『嫌い』の8つの分類を、古今東西の文学や有名人の事例を挙げて説明。

    『嫌い』を認めて、その感情を直視することにより、
    人生がより豊になる…

    と言うことです。

    『豊か』かどうかは別として、疲れないかなぁ〜
    そう言ってたら駄目なんですね。

  • 妻と子にずーっと憎まれているらしい著者の「嫌う」ことのススメ本。

    嫌うことは悪いことと思ってたけれど、それはそれとして、ひとつの感情なだけなんだなぁというか、
    本当に好みの問題だから、嫌いでいいじゃない。無理に好きじゃなくてもいいじゃない、と思わせてくれる。

    ……が、著者の妻と子との関係性が泣けので、ちょっとだけ強がり?とも思ってしまう、そこがまたいい味を出しているともいえる。

  • 中島先生は最強の厨二病患者だぞ?

    「ひとを「好きになる」本が巷にあふれていますが、ひとを「嫌いになる」本というのはありません。これはおかしい。」
    嫌いな人のことも逃げずに嫌いな人として見つめ、そこから新たな人間関係を開いていく、とかそういう。
    嫌うということは当然、という感じで進められるので嘘がなくリアル。

  • とても読みやすい。
    ちょっと人がこわくなくなった、気がする。
    少しずつ実践してみたい。こんな心の在り方。
    あー・・・都合よく解釈しすぎかな?ノ(´д`*)でもいーや。

  • 他人を嫌いになることはとても自然なことなのだ、ということを1冊かけて力説している本。
    とてもよくわかる&#12336;。けれど、本1冊かけて「嫌い」という感情について書くほどの衝動を持った著者に同情を感じざるを得ない。
    できれば、嫌いな人のことも、「嫌い」と思ってしまったこと自体も早々に忘れてしまいたい。

  • ■目的
    大好きな中島さんの世界観に触れる。


    ■本の内容・特徴
    哲学的視点からの中島流、日常的な人に対する「嫌い」の考察。また自他への対処法。
    (著者の基本的立場)
    人を嫌うことは人間であれば自然であり、理不尽なものである。その感情を誤魔化すのではなく正視すべき。
    (結論)
    その凶暴性をコントロールし、自分の人生を豊かにする素材として活用しましょう。


    ■メモ
    ・嫌いの原因は客観性に欠けた、かなり歪んだ自己正当化である。(8つの分類)
    ・「ひとを好きになることと同様、ひとを嫌いになることの自然性にしっかり目を向けよ」(P210)
    ・絶対(零度)的無関心
    ・生理的・観念的な拒絶反応
    ・カール・ヒルティの言葉

  • よんでみて!

    ひとを嫌うということについて中島義道がアツく語っていますと。
    個人的には当たり前だと思うことを言ってます。
    が、
    世間では認められてない考え方みたい。

    はっきりとした考えが書いてあるから、自分の考えの糧としても面白いと思う!!

    この本もだけど、中島義道は面白いのでよんでみて!

    俺が思うに経済界での八代さんとか大前研一的な感じ!

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著者プロフィール

1946年生まれ. 東京大学法学部卒. 同大学院人文科学研究科修士課程修了. ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士). 電気通信大学教授を経て, 現在は哲学塾主宰. 著書に, 『時間を哲学する──過去はどこへ行ったのか』(講談社現代新書),『哲学の教科書』(講談社学術文庫), 『時間論』(ちくま学芸文庫), 『死を哲学する』(岩波書店), 『過酷なるニーチェ』(河出文庫), 『生き生きした過去──大森荘蔵の時間論, その批判的解説』(河出書房新社), 『不在の哲学』(ちくま学芸文庫)『時間と死──不在と無のあいだで』(ぷねうま舎), 『明るく死ぬための哲学』(文藝春秋), 『晩年のカント』(講談社), 『てってい的にキルケゴール その一 絶望ってなんだ』, 『てってい的にキルケゴール その二 私が私であることの深淵に絶望』(ぷねうま舎)など.

「2023年 『その3 本気で、つまずくということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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