兎の眼 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043520015

作品紹介・あらすじ

大学を出たばかりの新任教師・小谷芙美先生が受け持ったのは、学校では一言も口をきこうとしない一年生・鉄三。決して心を開かない鉄三に打ちのめされる小谷先生だったが、鉄三の祖父・バクじいさんや同僚の「教員ヤクザ」足立先生、そして学校の子どもたちとのふれ合いの中で、苦しみながらも鉄三と向き合おうと決意する。そして小谷先生は次第に、鉄三の中に隠された可能性の豊かさに気付いていくのだった…。学校と家庭の荒廃が叫ばれる現在、真の教育の意味を改めて問いかける。すべての人の魂に、生涯消えない圧倒的な感動を刻みつける、灰谷健次郎の代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 物語は1年生の鉄三がカエルを踏み潰す場面から始まる。
    小谷先生は顔を引っ掻かれても何度泣かされても見捨てずに、鉄三の中にある何かを見つけてあげようと奮闘する。そして鉄三だけでなく、クラスの子供達も一緒に成長させながら問題を解決していく。鉄三の言葉が増えるたび嬉しくて可愛くて。
    色々な家庭があり、親がいて、子供がいる。先生達の考え方も様々で真の教育とは何か、差別とは何かを考えさせられる。
    ヘタレな私は小谷先生や足立先生の様にはなれそうもない。兎のような優しい眼を持つ財前童子に会って私も美しくなりたい。

  • 児童文学の金字塔。初めて全部読んだが、いろんな要素が詰まった素晴らしい物語だった。新米教師の成長、貧困・差別問題、子供の成長や権力との闘いだったり。人間は抵抗する姿にこそ美しさがある、みたいな言葉にはハッとさせられた。何かに立ち向かう姿は確かに美しい。その美しさがこれでもかと物語に注入されていて、一つ一つの言葉に心を揺さぶられた。物語の登場人物は様々で、いろいろな立場といろいろな心を持つ。この中で自分は誰なんだろうとふと考えたが、小谷先生や足立先生でありたいと願うが立場によっては、差別する側の無視する側の人間でもあるかもしれない。でもそうありたい、と思わせることこそがこの本のすごいところではないだろうか。教育とはなにか、生きるとは何か、をきっちりと描いた小説だった。

  • H29.10.17 読了。
    ・『大学を出たばかりの新任教師が受け持ったのは、学校では一言も口をきこうとしない一年生の男の子。周りの人たちとのふれ合いの中で、苦しみながらも男の子と向き合おうと決意する。
    学校と家庭の荒廃が叫ばれる現在、真の教育の意味を改めて問いかける。』と裏表紙に書かれてある。いわゆる名作で、ずっと積読しっぱなしでした。
    今回、先に読んだ友人の勧めで読んでみました。灰谷さんの文章表現が良くて、とても読みやすくかった。また、生徒と先生の交流場面は、子供のちょっとした気持ちの変化に気づいて喜んでいる先生の気持ちが、温かい気持ちにさせてくれました。もっと早く読めばよかったなあと思いました。

  • 大学生の時以来に読み直した『兎の眼』(著:灰谷健次郎)。
    あれから20年近くの時を経てKindle版を読み返す。ハウツー本ばかり読んでいたので、小説、しかも、灰谷健次郎さんの世界観が心地よかったです。

    相手と向き合うことの大切さを改めて学びました。
    相手と向き合うことで、相手が心を開いてくれる。

    強烈に印象に残った文章。
    「よわいもの、力のないものを疎外したら、疎外したものが人間としてダメになる。」

  • 強くたくましく。
    そんな言葉が似合いそうな小説。
    良い作品。

    処理場の子供たちと先生とのやり取りが好き。この小説に出てくる子供達は、みんな素直で賢いなぁ。
    鉄三のハエの研究はほんまにすごい。

    女で働く身としては、語られていない小谷先生の家庭の結末がが若干心配。

  • 人から借りて読んだ。
    人間の、成長と悲哀。それをものすごく感じた。
    書かれたのは最近ではない。
    内容の端々にもそれを感じる。
    たとえば、携帯電話がどこにも出てこなかったりするところとか、
    戦争と人との重なりとかがそれだ。
    けれども、文章のみずみずしさというのだろうか。
    それは、とても新しく生き生きと感じられた。

  • 足立先生のクラスの教え方に感動するも、他の先生方が真似をさせて貰いますとか、教えて頂きたいとか言うのに対し、小谷先生はとても勉強になりましたとはいうが、「でも先生の真似はしません。苦しんでも自分で考えて、自分でつくりだすようにします」とはっきりいう。若くていちずで子供達に真っ正面からぶつかつていくそんな行動には、自然と応援したくなる。

  • 色々考えさせられましたが
    今の教育界はもっともっと複雑であり、
    この問題提起はあてはまらなくなっている気がする・・・


    兎の眼 

    「抵抗する」ことの美しさ
    ただ毎日毎日学校に行くということは
    「怠けているのと同じ」と五味さんが言っていた。
    ごろごろすることが「怠ける」ということではないと。


    「抵抗」の中に人間の美しさがあると言った
    灰谷さんの「抵抗」は
    五味さんで言うことろの「怠けない」ということだろう

    「ただ生きる」のが簡単な今
    「怠けるな」「抵抗せよ」

    二人の言葉が駆ける

  • 好きやな、灰谷作品。代表作といっていい。いかにして相手の心に添うか。それは教育だけに限らず、日常生活においても必要不可欠。でもそんなことは忙しい生活の中では忘れがち。奮闘する小谷先生の真っ直ぐな姿勢、子ども達の純真さに心うたれる。灰谷作品はおじいさん役が非常にいい味を出している。バクジイさん最高。

  • 【昔読んだ本】
    中学生位の時に読んだ。
    最初からカエルやらハエやらで当時の私にはかなり衝撃的だったけど、先生と鉄三が徐々に交流を深めていく様子を夢中で読んだ覚えがあります。
    子供だったのでどこまで理解してたのか分かりませんが。
    いま調べたら先生が22歳と知り新たな衝撃。
    いつの間にかかなり追い越してました。
    また読みたいなー。

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