我利馬(ガリバー)の船出 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 163
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043520145

作品紹介・あらすじ

生まれ変わりたい、自分を取り巻く家庭や社会から解放されて、自由に生きたい-幼い頃からそう望み続けてきた十六歳の少年・我利馬は、自作のヨットでこの国を離れる決意をした。貧しい生活の中で何とかヨットを完成させた我利馬は、家族の誰にも告げずにたったひとりで航海へと出発する。さまざまな苦難の末、我利馬がたどりついた場所とは?自立への道を模索する少年の姿を描いた長編。

感想・レビュー・書評

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  • 我利馬は25年前の私だった。
    自分が嫌いで、生まれ変わりたい私にそっくりだった。
    だから、この本の内容に凄く共感した。
    我利馬は、生まれ変わるために、ヨットで航海に出かけ、
    私は、生まれ変わるために、アメリカへと渡った。
    我利馬は、自分の居場所を見つけた。
    50歳の私も、結婚して居場所を見つけたような気がしている。
    居場所を見つけるまでの、時間と空間の旅、
    苦しみと悲しみを乗り越える旅、
    嵐の中、彷徨い、何度、雨の中立ち尽くしたのか?
    自分を受け入れてくれる人と場所、
    自分が苦しみと共に成長することで勝ち取った
    現在。
    でも、今でも、25年前と少しも変わってないな、と自分に対して感じることがある。
    三つ子の魂百まで、と言うか。
    結局、生まれ変わることは出来なかった。
    でも、少しはマシになれた。
    人生とは旅だろう。
    昨日の自分より少しマシになるくらいの旅だ。
    生まれ変わることは出来なかったが、我利馬と共に、
    居場所を見つけ、お互い良かったね、と思いながら、
    僕は、これからも、この本を読んでいくのかもしれない。

  • 出だしの一文、「生まれ変わりたいと思うことが生きがいの人間にとっては、自分の国も家族も必要ではない」でひきこまれた。(おっさん)に出会って我利馬は変わっていく。誰でもの住人であるおっさんは人間が不確かなものである限り、それを正直に見る勇気を与えてくれた。一人の人間がこうだと信じている世界はほんとうは小さくて狭いものだ。自分を改造するためには、自分の中にものの不思議を不思議なものとして認める態度を持つべきだった。そこから自分の中にも存在する不思議が見え出してきて、せかいを大きく捉えようとするし、なによりも自分の持っている不可解さ、あるいは何かの時に人がたじろいでもそれを軽蔑するような人間にならないで済む。我利馬は自己愛以外の愛に気づいていく。

  • 少し内容の難しい児童書といった印象でした。
    恐らく子ども向けだと思うんですけど私が子どもの頃読んでも理解出来なかっただろうなあと思います(普段から本に親しんでる子なら楽しめるかもしれませんが)。

    個人的には教訓と感動は所々ありますが共感はしづらかったですね。
    灰谷さんが教育者であること前提で、その視点から学ぶべき点はありましたが、普通の物語としては少し説教くさくてあまり好みではありませんでした。

    母親と弟たちはどうなったのでしょうね…。

    2013.08.06

  • 灰谷健次郎作品の中でも、とても気に入っている一冊です。

    読んだ時期も関係していたのでしょうけれど
    とても心に響いた本です。

    とても思い合っている2人がいたとして、どちらかが幸せでなければ別れを決断しなければならない。

    ズシンときましたねー。

  • 重松清の疾走と同様に、余計なものを全て削ぎ落とす小説。人の強さと繋がりを思い知らされる。

  • ファンタジー作品の割にはなんかリアル。
    灰谷さん特有の心温まるような感じは少なかったがこれはこれで面白かった。

  • 意外な結末である。題名の意図するところは何であるのかを考えた。スウィフトの「ガリバー」のことも考えたが、著者は(他の作品を読んで感じたのだが)非現実的なことを書くのだろうかか?また、「ガリバー}同様に、物語が進むにつれて、漂流し大人の国へ行き着き、最後には夢であったと落ち着くのかと思った。しかし、それは裏切られた。面白いように。
    第1章、だれでものおじさん。人生のつらい面を見ていて現在がある。第4章クチェ老人、多くのことを悟っている。ガリバー少年が、これから、だれでものおっさんのように苦労を超えていくということが予想された。他方、時代背景とは何らかの関連があるのだろうか?だれでものおっさんに感動はあったものの、その他のところは他の小説の受け売りのような感じがした。

  • 小学校低学年の時に読んだ本。
    現実からファンタジーへの飛びっぷりに混乱して、
    何読んでたのかわからなくなって最初に戻った本って印象が強い。
    同じくらい面白かったって記憶も強い。
    そのうちまた読み直したい。

  • 前半と後半の差異が大きすぎてとまどいますが;
    どうにも良いとしか。
    色々な問題を詰め込みつつ読後感が凄く良い。

  • これはホントにおススメ!「生きててもいいことなんかない‥。」とか思ってる人、これ読んで考え直してください。
    そして強くなってください。自分がとても小さな世界にいたことに気付きますよ。
    ってか誰が読んでもどこか自分に当てはまるようなところが出てくるはずです。まじで超おススメ。

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著者プロフィール

1974年に発表した『兎の眼』が大ベストセラーに。1979年、同作品で第一回路傍の石文学賞を受賞。生涯を通じて、子どもの可能性を信じた作品を生み出し続けた。代表作に『太陽の子』『天の瞳』シリーズなど。2006年没。

「2009年 『天の瞳 最終話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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