天の瞳 幼年編1 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043520206

作品紹介・あらすじ

破天荒な行動力と自由闊達な心を持つ少年、倫太郎の成長を通して、学ぶこと、生きること、自由であることのすばらしさを描く、灰谷文学の集大成。生きることを問うライフワーク。

感想・レビュー・書評

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  • もう何度読んだかわからないくらいの小説。
    小学生の時に出会ってから、ずっと読んでいて、私のバイブルみたいな小説。
    昔は、この小説の世界がすごく好きで正しくて自分の中の指針だった。
    大きくなってから読み返すと、昔とはまた違ったことを感じることも多い。ここは同感だけどここはちょっと考え方違うなって思う部分も出てくる。
    でも、それ以上に、細かなところで、こんなにも優しさに溢れてたんやと思うことがめちゃくちゃ増えた。
    なんやろう、人間であることを肯定してくれてる感じの優しさ。こんなにも人間らしくて優しい小説なんやと、最近になってから気づいた。

    あの時出会っていて、この小説を大好きでよかった。
    私が幸せであるということの根っこの部分に、たぶんこの小説の存在はずっとある。

  • 何回目の再読だろう

    何かに 行き詰ったとき
    どこに向かうのか わからなくなった時
    自分の立ち位置が わからなくなった時
    いや 自分の立ち位置を再確認したい時

    付箋をつけたところから
    読み直せばいい
    そんな一冊です

  • 小学生の頃から大好きだった灰谷健次郎。
    天の瞳も何度か読んだことがあるのですが再読。

    子供の頃読んだ時の印象と、大人になり母の立場から読むのとでは、目線が違うので当たり前ですが
    全く違った小説となりました。

    娘と接する時のヒントが得られれば良いなぁ。

  • ストレートな倫太郎の感性がすごく面白い
    倫太郎を取り巻く大人の考え方は、母親として保育士としてとても勉強になった

  • 中学の時に大好きだったシリーズを再読。
    教員になって三年目,二年間いろんなことで悩んで,自分の不甲斐なさや何もできないことにも悩んできて,今も悩み続けているけれど,なんでこんなに自分の言動(感情)と頭で考えていることにしっくりこないのかわからなくて,なんでこんなにも理解力に欠けるのか悲しんでいた理由が,読み返してみてなんとなくわかったように感じました。この本は「わたし」を構成してる一部なんだなぁと。
    大切ないろんなものを,とっても大切だから,忘れないようにこの本の中にしまっていたんだと思います。

    理科の時間にホウセンカとヒマワリの種を「仲良しな方がええやん」と同じ鉢植えに植える倫太郎がとっても好きでした。放課後に給食室の裏やトイレのそばになどにヒマワリの種を蒔いて歩き,「ションベンしながら、ヒマワリの花、みれるな」という倫太郎がとっても好きでした。

    幼年編の1はそこで終わるのだけれど,いま読み返してみて,すごく素敵だと感じる反面,素敵だけど…と困っている自分がいます。理科を教えているからかもしれません。わたしならどう倫太郎に添うてやれるだろかと悩みます。そしてこれはわたしの中でとっても大事になる問いかけで,大事にしたい問いなんだと思います。

  • 俺のバイブル

  • 社会人になってからは初めての天の瞳再読スタート。
    なぜ仕事をするのか、とか、
    大人になってからまた新たに感じるものがある、素晴らしい本だ。

  • 『兎の眼』を読んで感動したのですぐに本屋さんへ行って
    この本を買った。
    最初はこんな子供、いるんだろうか?と疑いつつ読んでいたが
    読むうちに自分がいかに子供のことをちゃんと見ていなかったかを
    知らされた気がした。
    「じいちゃん」の言葉が一つ一つ心に響く。

  • 反抗期真っ盛りの時に読んで感銘を受けました。幼少編の中で一番印象に残っているのは“添う”という言葉。子供を甘やかすのではなく、かと言って突き放すという意味ではない。添うてあげるって言葉が胸に響きました。叶うなら、倫太郎たちの成長を最後まで読みたかった… 

  • 灰谷健次郎が亡くなって5年経ちました、その作品の数々を思い出してました。
    『兎の眼』『太陽の子』など読んだのはかなり前です。

    『天の瞳』はかなり後に読んだのですが、強い衝撃を受けました。
    子どもを見る目は大人にとって、都合のよい子という考えになってないか、子どもに教える立場、導く立場という大人だから偉いのだ、と思い込んでいないか。。。

    実は子どもと同じ目線で見ることが出来る、寄り添うことが出来る人こそ大人だといえるでしょう。
    それは、とても難しいことです。

    でも主人公の倫太郎を取り巻く人たち、特にじいちゃんのありのままの偽りない言葉に、真実があるのに心打たれました。
    子どもは素直な心で、大人の真実をいつも見ているのだと思います。

    子どもといて、実は子どもから多くのことを教わっているのだということに気付かされる本です。

    書評でも書いてありましたが、生きる意味や人にとって大事な心はどう育つのか、灰谷健次郎の集大成の本なのだと思います。

    いつの時代にも問われる教育や子育ての基本。
    その文章からは、子どもっていまを生きているんだよ、よく見てごらんと言われてる気がします。

    灰谷健次郎が亡くなって、とっても残念です。

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著者プロフィール

1974年に発表した『兎の眼』が大ベストセラーに。1979年、同作品で第一回路傍の石文学賞を受賞。生涯を通じて、子どもの可能性を信じた作品を生み出し続けた。代表作に『太陽の子』『天の瞳』シリーズなど。2006年没。

「2009年 『天の瞳 最終話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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