天の瞳 幼年編2 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043520213

作品紹介・あらすじ

破天荒な行動力と自由闊達な心を持つ少年、倫太郎の成長を通して、学ぶこと、生きること、自由であることのすばらしさを描く、灰谷文学の集大成。生きることを問うライフワーク。

感想・レビュー・書評

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  • 子供の頃から大好きな灰谷さん。
    大切な、素敵な言葉が沢山詰まっている本。

    登場人物の子供も大人も真っ直ぐで、真摯に生きている。
    真っ直ぐすぎて胸が少しチクッとしてしまう。

    ついこの間、主人が娘に『悪いことはするな!』
    と説教をしていました。
    その瞬間、スイッチが入ってしまい
    『じゃああなたは悪いことを全くしないのか。あなたの中での悪い事とは何か。自分の中にある悪い事とちゃんと向き合ったことがあるのか。』
    と逆に説教をしてしまい、シュンとさせてしまいました。

    私はまだ『悪いこと』を子供に説教出来るほど理解できていないので、そんなアホくさい言葉で子供と話せない。
    大人にとって都合の悪いことを『悪いことだ!』と言うのはとっても罪だと思う。

    そんな事を思い出しながら、読み進めていました。

  • この巻も良かった。人として大切なことを、倫太郎とまわりの人々とのやり取りから学ぶことができる。少林寺拳法を通じて、あんちゃんが伝えていることも心に響く。そして教える人もそれが完成形ではなく、教えることでまた成長していく様子が描かれているのも素晴らしい。子どもたちの冒険もリアリティがあった。

  • 登録番号:0142270、請求記号:J913.6/H15/1-2

  • じいちゃんの死、あんちゃんの少林寺拳法の指導、などなど、倫太郎のいる環境が変わっていきます。
    幼年編1では親世代や先生の視点で描かれていくことも多かったのですが、より倫太郎の視点から物語が進み、内面の成長が鮮明に描き出されています。

    人の心を見る目を持つ。
    どんな人と接するときも、心の目をもって、全身全霊で相手の心に問いかける。

    描かれていることは、古い道徳観かもしれませんが、静かにずっしりと人間性に問いかけてくる、とても生きること、人と接することに真摯な気持ちにさせられる本です。

  • 主人公の倫太郎が幼少期から成長する姿を色々な人との関わりを通して描かれている。人との関わりの中で成長すること、人との繋がりの大切さを実感する。連作ものだが、是非読んで欲しい。
    (選定年度:2016~)

  • 大人は気安く支配者になり、子供は気安く反逆者になる。

  • 灰谷作品はやはり特徴がある。使われてる言葉は子供でも理解できるようなシンプルなものなんだけど、大人が読むと味わいと感じるような感じ。

    幼年編は、ところどころに学校や教師の批判が含まれているが、ほんとにありそうな感じ。灰谷氏自身の経験が含まれているのだろう。
    嫌な大人に毒されることなく真っ直ぐ育つ子供達の姿には救われる思いがする。

    話はまだ続くので最終的な評価はおってすることになると思う。と言ってもこの作品自体未完成のようだけど。

  • やんちゃな主人公倫太郎やその友だち、彼らを取り巻く大人たちを通して、大人は子どもにどう向き合ったらよいのかを教えてくれます。人間としての必読書!といっても過言ではありません。

  • 倫太郎のおじいさんの残した言葉が頭から離れない。

    目はものを見るためだけではなく、人の心を見るために生まれ持ったもの。

    先日のお坊さんの話も目についての話だった。視界に入っていたとしても意識していないところに心は宿らない。見えているようで見えていないものばかり。

  • 幼年編を1.2読了。少年倫太郎の成長を描く灰谷健次郎のライフワークの最初の2冊。ママ友のおすすめ。倫太郎という子供の個性、そのかけがえのない友人たち、周りの大人たち。倫太郎の視点に添えば素晴らしい物語だが、母の目で読むと、親としての自分の不甲斐なさに耳が痛い、それくらい周りの大人たちが素晴らしい。仕方ないから、倫太郎の視点で、子供の心で読み進めようか。まだまだ続く。

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著者プロフィール

1974年に発表した『兎の眼』が大ベストセラーに。1979年、同作品で第一回路傍の石文学賞を受賞。生涯を通じて、子どもの可能性を信じた作品を生み出し続けた。代表作に『太陽の子』『天の瞳』シリーズなど。2006年没。

「2009年 『天の瞳 最終話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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