砂場の少年 (角川文庫 は 20-22)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043520244

感想・レビュー・書評

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  • 灰谷さんの本を読むとやっぱり涙... 読み終えていつの間にかそのまま寝ていた。(HPの日記より)
    ※表紙は異なり、黒いデッサン画のようで暗い感じの旧版
     1999.8.24読了
     2008.10.12売却済み

  • 自分が子供時代は、学校から規則を押し付けられること、言われたとおりに授業を受け、試験を受けることに特に違和感を覚えず、黙々と従っていた。今改めて大人の目線で見ると、明らかに子どもの個性を押しつぶしているし、それに黙々と従う子どもは気持ち悪くも思える。
    本書を読むと、そのような教育現場での理不尽さがよく分かる。
    登場する中学生は不良というタイプではないが、とにかく個性が強く、自分の意見をはっきりと述べる。このような中学生が実際にいるのかというのが素朴な疑問ではあるが、生徒を押しつぶそうとする教師、それに反発する生徒、生徒を理解し現状の教育現場に違和感を覚える新任の臨時教師、という構図にはすがすがしさが感じられる。
    理想とも感じられるが、現状の文句を言わなければ何も考えなくてすむ状態の方を好む生徒もいるのだろう。当時の自分のように。

  • 脱サラ後に農場経営をしていた35歳の葛原順が、ある日妻の病をきっかけに中学校教師となり、「札つき」生徒たちの本音に触れ合うストーリー。

    以前読んだときは中学生で、葛原の教師とは思えぬ謙虚さに惹かれたけれど、今読み返すと、彼の謙虚さの裏側にある、揺るぎない自信のほうに惹かれていく。

    きっと、肩の力を抜いて生徒の気持ちに心を傾けられるのは、色々な経験を経て、不完全な自分のまま、人に寄り添う自信を持った人なんだろうなと思う。そして、相手を完全に理解できるという傲慢さを捨ててはじめて、お互いのことを少しずつ理解していく喜びを味わえるのかもしれない。
    と、読んでいてふと感じた。

    最後に、教材という設定で引用されている印象的な文章をふたつほどメモ。

    「人間が本気で何かやろうとする時、過去に楽しい思い出をたくさんもっておくことは、困難を乗り越えるためのエネルギーの根源となる」(河合雅雄氏

    「もうすんだとすれば これからなのだ
    あんらくなことが 苦しいのだ
    暗いからこそ 明るいのだ
    なんにも無いから すべてが有るのだ 」(まど•みちお氏

  • 今は時代が変わってしまっているが、十分にいい話。
    でも、こういう中学生はもうほとんどいないんじゃないかなぁ。。。

  • 息子にも読ませたい本

  • よいぃ〜!!(T_T)

  • 灰谷健次郎氏は最も尊敬する作家の一人です。教師になるなら一度は読むべきじゃないかと思う。そういう環境に置かれる置かれざるに関わらず。奥さんはその後どうなったんでしょう…

著者プロフィール

1974年に発表した『兎の眼』が大ベストセラーに。1979年、同作品で第一回路傍の石文学賞を受賞。生涯を通じて、子どもの可能性を信じた作品を生み出し続けた。代表作に『太陽の子』『天の瞳』シリーズなど。2006年没。

「2009年 『天の瞳 最終話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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