島物語〈1〉 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043520251

作品紹介・あらすじ

急に引っ越すなんて無茶苦茶や!小学4年生のタカユキと姉・かなの反対をよそに、「田舎でたくさんのいのちに囲まれて生きたい」と考える絵描きの父親は、一家揃って島への移住を決意した。都会で暮らした家族には不安いっぱいで始まった島の生活。だが、畑での格闘、ヒヨコの誕生と死、魚採り、などなど、心ときめく体験を経てタカユキはたくましく成長してゆく。島に暮らす人々、友達、家族の心温まる交流を交えて描く、自然といのちの物語。

感想・レビュー・書評

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  •  「いのちを大切にしなければいけない」
     こんなことは至極当然のことのように思える。しかし、この「いのち」という言葉はただ、人間を殺してはいけないなどと単純に言える言葉ではないと気づかせてくれたのが本書であった。
     本書の主人公は、タカユキ。彼が姉、父、母と一緒に都会から島の生活に移り住み、その島の生活を描いたものである。最初、タカユキは嫌がるものの、だんだん島の生活を好きになっていく。その中で、彼が「いのち」に気づいていく場面がとても印象的に描かれている。
     これだけを聞くと、なんだか説教的に「いのちを大切に」と訴えられる本ではないのかと思ってしまうが、本書には少なくとも私にとっては、その説教臭さが感じられなかった。それは、タカユキの姉が島の生活は好きだが、家出をしてしまう姿。いのちを奪いながら生きていることに「生き物にうらまれるぞ」と考えているタカユキの姿。これらの姿が「いのち」を食べて生きているということを直に、そして素直に感じさせてくれているように思える。
     本書には、ハッとさせられる言葉がたくさんあり、自分自身が「都会の人間」になってしまっていることに気づかされる。特に、次の二文が印象に残っている。
     「不公平やな、とうちゃん。都会で暮らしている人は、ハクサイを食べてもキャベツを食べてもなんにも辛い思いをしなくていいんやもんな」
     「食べものはみんないのちや。いのちでない食べものなんてひとつもない。だけどスーパーでパックづめされた肉や野菜を、これをいのちやと思って買う人は少ないね。いのちを食べているのに、そのことに気づかない人を気持ちのやさしい人だと思うかタカユキ。感情のこまやかな人だと思うか」
     これまでどんな気持ちでご飯を食べていたのか自然に振り返る契機となる本書であった。
     
     

  • 父のひらめきで、島に移住することになった一家4人。
    大人の勝手だと、猛反発する姉弟だったが、慣れない自給自足の生活の中で、いのちについて、豊かな生活について、考えるようになる。

    自分の生活が、ほんとうに豊かだと言えるのか。
    考え直した一冊。

  • 島での生活が始まった。
    いつの間にか自然、動物、虫、隣人と密接にならなくなってしまったことがいいのだろうかと思わせるような気がする。
    わかりやすぎるこのお話、田舎暮らしという視点含めて楽しみです。

    しかしお姉ちゃんの知恵とガッツはすごいな。

  • 【あらすじ】
    急に引っ越すなんて無茶苦茶や!

    小学4年生のタカユキと姉・かなの反対をよそに、「田舎でたくさんのいのちに囲まれて生きたい」と考える絵描きの父親は、一家揃って島への移住を決意した。
    都会で暮らした家族には不安いっぱいで始まった島の生活。
    だが、畑での格闘、ヒヨコの誕生と死、魚採り、などなど、心ときめく体験を経てタカユキはたくましく成長してゆく。
    島に暮らす人々、友達、家族の心温まる交流を交えて描く、自然といのちの物語。

  • 田舎暮らしがしたい。
    畑を耕したい。
    自然と共に暮らして生きたい。
    と思った本です。灰谷さんらしいですね。

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