天の瞳 少年編II (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 475
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043520299

作品紹介・あらすじ

あの倫太郎が中学生になった。不登校、暴力・・・、厳しい子供のいまをじっくりかつ朗らかに描き出す必読の小説。

感想・レビュー・書評

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  • 暴力による非行が横行していたころの学校の姿。
    小学校での担任ヤマゴリラと、本音を話せる時間の共有から、制服や規則を守らせようとする中学校の先生とのいざこざまで、学校とか、先生のあり方を考えさせられる。
    制服を着てこない生徒にじぶんだったらなんていうだろう。
    制服を着てこない、規則を守らない、それだけで非行少年と認定して、その子の中身に寄り添えない、それは人と人の関係として、やはり何か異様なものを感じてしまいました。
    暴力に訴える少年たちに、少林寺拳法の使える倫太郎はどう立ち向かうかが見どころでした。
    人として誠実に正直に、そして主体的に生きていくことは難しいけれど、そうしようと賢明な倫太郎は確実に成長して、大人になってきている。

  • 小学6年生から中学1年生にかけての倫太郎と、倫太郎を取り巻く人々の物語。

    中学生になり、新しい枠組みの中で、新しいタイプの先生方と出会う倫太郎たち。

    自分たちの枠組みから外れる子どもたちを許そうとはしない先生方。
    その一方で、子どもたちのために豊かな引き出しを準備して下さっている先生方。

    そして引き続き、ほどよい距離をもちながら、見守ってくれる大人たち。

    批判に流されるでもなく、
    力による解決に走るのでもなく、
    地に足をつけて、恥ずかしくない生き方を選び取っていく倫太郎がかっこいいです。

    中学校の先生たちのあまりの頼りなさにガッカリしますが、がっつり頼りになる先生が出てきちゃうと物語が成立しなくなっちゃうので、仕方ないのかな?と思うことにします。

  • 登録番号:0142341、請求記号:J913.6/H15/2-2

  • 読んでよかったなと思う小説だった。
    幼稚園の頃とは違い、倫太郎を取り巻く状況が厳しく危なくなっていく。

  • 中学生になった倫太郎。私の人生を振り返っても、中学生時代が一番理不尽なことが多かった気がします。夫婦関係についても触れられている部分もあり、物語なのだけど、本当に人としての勉強になります。

  • - シンナーとかレイプとか、先輩からさらっと説明される中学の荒れ具合が思った以上で、心配になる。これまでたとえやんちゃしてても大人達に暖かく見守られていた子供達が今後大丈夫なのだろうか、と。
    - 中学校の先生は相変わらずの残念さで。まあ小学校の先生もみんな最初はそんな書かれ方だったけど。この人たちに守ってもらえることはないんだろうな…と。結論いつも通り倫太郎頑張れとなる。
    - 倫太郎がメリケンサックでボッコボッコにされる描写と、園子先生が暖かい話をしてくれる描写が近すぎて、何とも言えない気持ちになる。

  • 主人公の倫太郎が幼少期から成長する姿を色々な人との関わりを通して描かれている。人との関わりの中で成長すること、人との繋がりの大切さを実感する。連作ものだが、是非読んで欲しい。
    (選定年度:2016~)

  • やんちゃな主人公倫太郎やその友だち、彼らを取り巻く大人たちを通して、大人は子どもにどう向き合ったらよいのかを教えてくれます。人間としての必読書!といっても過言ではありません。

  • 全くこの本を読むと、自分の教員としての自信がなくなる。
    と、同時にここで気づいてよかったと思いさえする。

    分かち合わんといかんな。

  • 社会の理不尽さに徒手空拳で戦いを挑む倫太郎。好きです。

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著者プロフィール

1974年に発表した『兎の眼』が大ベストセラーに。1979年、同作品で第一回路傍の石文学賞を受賞。生涯を通じて、子どもの可能性を信じた作品を生み出し続けた。代表作に『太陽の子』『天の瞳』シリーズなど。2006年没。

「2009年 『天の瞳 最終話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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