だからドロシー帰っておいで (角川ホラー文庫)

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レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (491ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043522033

感想・レビュー・書評

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  • 「お義母さんちょっと行ってきます」
    「困ったら小津さんを訪ねなさい」
    平凡な主婦が家を出た。
    ここではない、見知らぬ土地で目覚めた彼女。待ち受ける困難の数々、仲間との出逢い。
    抑圧され続けた自己を解放する冒険の旅が始まる。そして“リアル”で巻き起こる恐怖…。
    オズの魔法使いをモチーフとした作品です。ダークと言うより狂気ファンタジー、かな。
    本家は犬、ライオン、ブリキの木こり、かかしが仲間のかわいらしい冒険物語ですが
    本作では餅のような生き物、詐欺師じみた老人、奇形の生き物、動く死体が仲間です。
    あちらの世界とこちらの世界、二つの物語が交互に語られるため結構な長編作品でしたが
    なかなか楽しめました。狂った世界の話が繰り広げられるが、不思議と違和感なく読める。

  • 角川ホラー月間。何だこの本?

    一介の主婦が、ビールを買い忘れて買いに行く際、ふとめかしこんだドレスとハイヒールを履いてしまったところから、異世界に放り出され、元の世界に戻るため「オズノ王」を目指す。一方で…。

    一方でってなんだ一方でって?となるのがこの本の醍醐味でもあり、よくわからないところでもある。

    ネタバレにもならないだろうから書くと、異世界の「伸江」というドロシーの世界と、現実の方の「ライオン」というライオンの世界。どちらもで、「オズの魔法使い」を進行させようとする。どちらもナイフで首を掻っ切るような世界だが。

    「伸江」の世界は、筒井康隆の影響なのだろうか、それとも「不思議の国のアリス」または「家畜人ヤプー」の世界なのだろうか。なかなか魅力的な世界であり、実は記憶であり。記憶をネタにするのであれば、もう少し門番だとか、過去の思い出などを具現化できなかったものだろうか。せっかく最初の方で、呪文的なものを作ったのも生かされずにいるのはもったいない。

    「ライオン」の方は、ホラー文庫らしく、怖くはないが血がいっぱい出るような話。深さはないのだが、視点を「ライオン」にしてみたり「大和田」にしてみたりするので、非常に胡散臭くて、片側が見えないスリリングな展開となる。

    しかしなあ、オチがこれでよかったのかなーと言うのが一番の難点で☆減点ポイント。また、全体にもうちょっと丁寧な表現で引っ張ってくれないかなあと思う部分が多く、それができなくて詩のようにバラバラと改行しまくって書くのも減点。お陰で情報が落ちまくっているし。

    最後に、「屍の王」でも有ったけど、あとがきにごちゃごちゃ書くのはやめて欲しい。「読み方」を指南するようなあとがきなので、作品自体を面白くなくしている。

  • これ読んだの何年も前ですが、未だに印象に残っています。狂った主婦の妄想世界というか。
    オズが大好きなのもあって面白さ満載でした。
    まずオズのストーリーを知らないと面白さも半減かも。
    痛い痛い主婦だけどそうなるまでの過程も面白かったです。

  • 妄想と現実を交互に読ませるお話。
    オズの魔法使いを変態にした感じ笑
    タイトル、内容、表紙に惹かれて読み始めましたが、どの要素もしっくりきます。
    初牧野作品でしたが、他にも読んでみたくなりました。

  • ホラー。
     オズの魔法使いをモチーフにしていても、仏教を主体にしちゃったので、どこが??ってところもあります。が、オズらしいです。

     簪(かんざし)町に住む、平凡な主婦伸江。
     ボケた義理の母の世話をしている彼女は、ある日義母から「小津(おず)さんから」といわれてハイヒールを貰う。
     それを履いた彼女は妄想の世界に入り、殺戮を繰り返す。
     ライオンという名前のついている老いた浮浪者。首吊り自殺をしようとしていたら、伸江に手助けされて殺された青年教師の手首(妄想世界ではクビツリという名で、アンデッドとして登場)、精神病院にいたらしいブリキ人形と呼ばれる体の動きの角張った老人。妄想の仔犬(餅みたいなスライムみたいな)コト。

     妄想部分のファンタジーは生臭いながらも、無夜は好きだな。きしょいところがなんか良くて。現実よりも俗っぽい。
     妄想世界の最大の敵非天を倒して帰還するのは伸江ではなくてドロシー。平凡に抑圧された主婦の妄想の集合体。それが帰還すると、主婦達は夫を殺しだす。

     分厚いわりに(P491)一気に読める本でした。この種の世界が無夜は大好きなのでした。

  • オズの魔法使いがモチーフの、ファンタジーホラー的な。
    オチまでは引き込まれたが、オチいまイチ…

  • なんだか無性にタイトルが気に入ってしまった一冊。妄想電波系ダークファンタジー。ひたすら不気味で気持ちの悪い「オズの魔法使い」。だけど不思議に楽しい話だったりするのが妙。ていうかそう思ってるの私だけだったりして(笑)。
    異世界と現実とがだんだん交差していって、妄想が現実に溢れ出す様はホラーだといえなくもないけれど。あえて「ダークファンタジー」という形容をしたい作品。

  • 主人公が非現実の世界で成長する過程と相反して、現実の世界で巻き起こしている行為の残酷さの差が良かったです。
    でもあのオチはいかがなものか。

  • 展開ドキドキ、オチでガックシ。

  • 平凡な主婦が、ある日赤い靴をはいて不思議な世界で冒険する。筋はオズの魔法使いだけど、ホラー文庫というからにはそんなファンタジーな内容ではない。主人公の視点の世界と、現実でおきている事実を同時進行で読んでいると読んでいるこっちまで不思議な気分になってくる

    ☆一個ないのは、終わり方が個人的にはいまいちだったから

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著者プロフィール

'58年、大阪生まれ。高校時代に筒井康隆氏主宰の同人誌「ネオ・ヌル」で活躍後、'79年に「奇想天外新人賞」を別名義で受賞。'92年に『王の眠る丘』で「ハイ! ノヴェル大賞」を受賞。他に、『MOUSE』、『スイート・リトル・ベイビー』等々著作多数。また『バイオハザード』ほかノベライズも多数手がける。

「2017年 『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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