病の世紀 (角川ホラー文庫 66-9)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043522095

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭から一気に加速するバイオホラーの快作。主役のイメージは岸田 森と断言しておく(名前も同じだし)。登場する黴やら寄生虫やら病原菌がディテール含め矢鱈とリアル。それだけでもグロくて怖い物語なのに、さらに電波までトッピングされる大盤振る舞い。
    後半ミステリ要素が加わり意外な展開を見せるが、個人的には前半のパワーで突っ切って欲しかった。兎に角、おそろしくリーダビリティの高い徹夜必至本(実際、私は徹夜した)。オススメ。

  • 奇病と絡ませつつ、オウムやテロリズム、陰謀論や差別主義といった世紀末的雰囲気に満ちている。IRNIは「INRI」の反転か。被害者の人生の虚無感と死にゆく描写が濃厚。

  •  奇怪描写にお腹いっぱいになってしまって、あっけにとられてるうちに読み終えた。あまり掘り下げて読めなかった。この人こんなに襲われてよく死なないなあとは思った。

  • なんとも煮え切らない小説であった。
    内容が薄いのである。バイオテロ、聖書伝説、警察小説、ハードボイルド等などの、上澄みを掬って書きました、結果がこれです。という感じ。
    これじゃ解説書く方も大変ですよね、西上さん。と感じたのは私だけですね、多分(´・ω・`)
    とにもかくにも時間のムダであった。

  • 最近読んだ中で一番面白かったのがこれ。
    検疫機関みたいなところの話なんだけど、未知のウイルスとか寄生虫によって起こされる事件とその背後にある黒幕を追う話なんだけど。全体的な流れはありふれているとしても起こる事件の中で「クチマネ」っていう寄生虫だったかな、そいつが口の中に寄生するとどんなものでもすげーおいしくなっちゃうんだって。こういうの好きなんだよねー、味とか匂いとか。ドンだけうまいんだろうって想像しちゃうんだけど、まあ作り話だし。結構楽しめた。

  • 角川ホラー文庫は、ワタシの好きな作家さんが多く、背表紙が黒いとつい手にしてしまうシリーズです。
    牧野氏の著作は「リアルヘヴンへようこそ」で入ったのですが、その作品が結構おもしろかったのと、オビに記された「6・6・6」の文字が気になったこともあり、購入してみました。
    作中に出てくる病気は、作者の創造の産物らしいのですが、読んでいると「そんな病気があったんだ!」なんて、存在していそうな感覚に陥ります。思わずネットで検索したのはワタシだけじゃないはず…。

    とはいえ、この作品、それなりに面白く読ませてもらったのですが、表現が分かりづらい部分もあり、

    今の「男」は誰を指しているの?

    といった感じで、何度も前のページを読み直す場面があり、ストレスを感じたのは残念。

    あと、作者さんなんだかお疲れなのかしら…と思う部分があり(書き方が雑というか、何か違和感を感じるところがあった)、少し後味の悪い結果に。
    個人的にはリアルヘヴン~の方が面白かったです。

  • 感染する死の恐怖。この病からは誰も逃れられない。
    人体を発火させる黴、口腔に寄生し人を死に至らしめる蠕虫、性交渉で感染し人を殺人鬼に変えるウィルス。人々を恐怖に陥れる病を通し現代社会の抱える矛盾を暴き出す、細菌テロをも予見していた牧野ホラー最高傑作!

  • いろんな意味で面白いホラーでした。
    牧野さんこんなネタまで隠し持っていたんですね……。
    この方、毎回毎回違う味を出した話を書くので大好きです。


    簡単な粗筋。
    人体が突然発火するという事件が相次いで起こる。
    これは人々の知らない「黴」が引き起こす病気だった。
    それを追っていくうちに、今度は……。


    バイオホラーのくせに本当に初めての感覚でした。
    個人的には『パラサイト・イヴ』だとか『らせん』とか『水霊』だとか好きなんで、普通のバイオホラーでも全然構わないんですよ。
    なのに何が違うって……

    新種の病原体じゃないんです。

    いや、ストーリー上の設定では、ですが。
    普通、未知のウイルスがとか出てきて「これはこのウイルスのせいだったんだ!」みたいな展開になるじゃないですか。
    なのにこの話では事件が起こったと同時に病原体の説明が始まるんです。

    この違いから何が変わるかって、ホラー臭さが抜けるってことですよね。
    どちらかといえばサスペンス。
    まぁ個人的には面白かったのでOKです。


    個人的な意見としては、ちょっと詰め込みすぎたんじゃないかという感もありました。
    これ1つの作品、2つくらいに分けても足りそうな気がします。笑



    まぁ牧野さんが好きな人は一読の価値アリです。

  • 黙示録見立てバイオホラー。
    テーマはバイオ、ではあるけれど、人間心理の「病」ってな部分もあるかと。「病の世紀」というタイトルは、どちらかといえばそれを指してもいるのかなあ、なんて思ったり。
    やはり心理的な「病」の方が怖いかな。もちろん「炎上疥癬」なんてめちゃめちゃ怖いけどさ。「山羊の仔」とか「リーライト・ユズナ症候群」の、狂気とか妄想だとか、人間の心理に関わる部分が一番怖いんじゃなかろうか。

  • パニックでもホラーでもなくキャラものでもなく
    サイコものでもなく科学心理また科学サイコでもなく
    宗教ものでもなく刑事ものでもなく
    グロでもなくハートフルでもなく
    すべてを盛り込んでみようとしてすべて失敗していた
    主人公すら途中で変わるし
    テーマもふらふら

    つまらんかった
    読み始めはキャラ設定とかおもしろいなって期待したのになー

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著者プロフィール

'58年、大阪生まれ。高校時代に筒井康隆氏主宰の同人誌「ネオ・ヌル」で活躍後、'79年に「奇想天外新人賞」を別名義で受賞。'92年に『王の眠る丘』で「ハイ! ノヴェル大賞」を受賞。他に、『MOUSE』、『スイート・リトル・ベイビー』等々著作多数。また『バイオハザード』『貞子』ほかノベライズも多数手がける。

「2022年 『貞子DX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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