ネクロダイバー: 潜死能力者 (角川ホラー文庫 66-10)

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043522101

感想・レビュー・書評

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  • もうちょっと読み足りない感じ。主人公がヒーローなので、これ以上の悪意描写は難しいか。

  • 最初は少し世界観に入りこむことが出来なかったが、話がクライマックスに近づくにつれ面白くなった。しかし、結末が微妙なものになってしまったのが残念。また、要所要所に散りばめられたアニメの知識は読んでて面白い。

  • 中高生向きかな。

  •  大学受験に失敗し、人生の目標を見失いながらコンビニのバイトを続ける青年・物部聖はある夜、何者かによって命を奪われかける。やがて目が覚めた時、彼は出口のない手術室にいた。そこで出会った男に物部は意外な事を告げられる。
     彼は潜死能力者=ネクロダイバーとして蘇ったのだ。

     ネクロダイバー、それは人の死に潜行し、残された想いを消去する者。公表されてはいないが、警察庁特別処理班、通称イザナギ機関に所属している。
     人の死に潜るには特別な能力がいる。努力してネクロダイバーになれるものではない。物部はその能力を認められたのだ。
     そして彼は様々な死と、残された想いに直面する事になる。悩み、苦しみながら物部はネクロダイバーとして成長していくのだった。

     「文庫読み放題」ほか携帯サイトに掲載された人気作品の文庫化。『死に潜る』という発想が面白い。
     守護蟲とそれらが書き残す蟲文。残された死者の悲しみに直面する主人公たち。死の真相が明らかとなっていく中で残された想いに触れた時、言いようのない虚しさに襲われる。
     そんな内容なので、単なるホラーではなく、人生とは何かを描くドラマの要素も強い。またコミカルなキャラも登場し少しだけアニメチックなコメディの部分もある。そしてネクロダイバーと残された想いとの死闘、それを通じてネクロダイバーはダークヒーローとして描かれる。
     他にも死神と呼ばれるキャラクターも登場し、ネクロダイバーたちの闘いを盛り上げてくれる。

     ただし、小説の中でのルールが複雑で少しわかりにくい感じはする。ルールを駆け足で説明しているうちに物語が終ってしまう感じがした。
     また携帯サイトで連載されていたためかはわからないが、妙にひとつひとつの文章が短いような気がする(いわゆる「ページの下の方が白い」状態)。意識してやっているのかたまたまなのかは判らないが、本来はもっと密度の濃いストーリーなのではないだろうか。

     死という闇の部分で活躍する男たちの物語である。痛切な想いを残したままこの世を去った人は多い。そんな人たちの想いをどう消去するのか。仕事を続けていくなかで物部は自らの死の秘密にも直面する事になる。

     ラストは続編がありそうな終わり方。この男が死とは何かを見つけるまで、物語は続くのかも知れない。

  • ほんの一行でも、すばらしいワードに出会ったら、私にとって、それは文句なしの良書だ

  • 毎度毎度新しい切り口で攻めてくる方だと思っていましたが、まさかこう来るとは。
    とりあえず今回は明らかにホラーではないと思います。
    (最近のホラーを定義するのは難しいけども)


    簡単な粗筋。
    通り魔に襲われ、気がつくとそこは出口のない手術室だった。
    そこで出会った男に、ネクロダイバーという存在を教えられる。
    それは死に潜り、暴走した人の想いを消去する者だった――。


    簡単に表現してしまうなら「ライトノベル」の雰囲気でした。
    (勝手な偏見かもしれませんが)
    ストーリーがすごく漫画的なんですよね。面白いのだけど、どことなく軽い。
    まぁ初出が携帯ネット小説だそうなので、それも影響しているのかもしれません。

    で、ホラーではないと思ってしまうのは一目瞭然。
    「恐怖」というものが描かれていないんですよ。
    心霊現象にしてみても、その「恐怖」ではなく、人を消してしまうことへの「苦悩」。
    それはそれで面白かったのだけど、終始シビアな空気なわけではく冗談混じりな部分が多かったんですよね。
    申し訳ないけれど「微妙」の一言になってしまいました。


    けれど何がよかったかって、所謂「幽霊」や「心霊現象」の新説です。
    これまでもいろんな人の新説を読んできましたが、これはこれで面白い設定でした。
    (信じられるか否かは別の話)
    その世界観も多少グロテスクながらもSFっぽいんですよね。
    例えるなら……何だろう。小難しくないマトリックスのようなイメージ。
    ここら辺の設定のうまさはさすがというものでした。


    さらっと読む分には面白い。
    けれどホラーだと思わない方が賢明かもしれません。
    そして未だサイトで連載しているのかは分かりませんが、何だか続編が出そうな予感。
    あんま完結しているとは言い難い終わり方だったしな……。



    最後に余談ですが。
    友人とこの小説の話をしていた時のこと。
    表紙の絵がカッコイイ!という話になり、ふと誰が描いているのだろうという疑問が浮かぶ。
    とりあえずカバー裏のイラストレーターの名前を見る。

    オイラは知らない名前。
    けれど友人はそれを見て驚愕。

    吉崎観音さんって方、知っていますか?
    上の絵をよーく見てください。



    この絵、『ケロロ軍曹』と同じ人だそうな。



    聞いた瞬間、表紙を二度見してしまいましたよ。
    いやぁ、マジでびっくりした。雰囲気違いすぎやしませんか……?
    (元々こういう絵を描く人だったのなら申し訳ない。。)

  • ライトノベル感覚で読めるホラー。でもライトな雰囲気を持ちながらもさすがは牧野さん、しっかりこってり気持ち悪いです(誉め言葉)。
    お気に入りは「舌鏡」。「復讐」というものの意味について考えさせられます。うーむ、私も物部と同じように思ったのだけれど。悪人だからといって、誰にとってもの悪人であるとは限らないんだよなあ……。

  • これ、人の死に潜るって設定がすごーく面白くってシリーズ化しないかなあ、なんて思ってたんだけど。その気配もなく残念ですわー(しょぼーん)

  • とてもラノベ。読みやすい。

  • 3.5

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著者プロフィール

'58年、大阪生まれ。高校時代に筒井康隆氏主宰の同人誌「ネオ・ヌル」で活躍後、'79年に「奇想天外新人賞」を別名義で受賞。'92年に『王の眠る丘』で「ハイ! ノヴェル大賞」を受賞。他に、『MOUSE』、『スイート・リトル・ベイビー』等々著作多数。また『バイオハザード』『貞子』ほかノベライズも多数手がける。

「2022年 『貞子DX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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