いちばん初めにあった海 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 1242
レビュー : 137
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043539017

作品紹介・あらすじ

堀井千波は周囲の騒音に嫌気がさし、引っ越しの準備を始めた。その最中に見つけた一冊の本、『いちばん初めにあった海』。読んだ覚えのない本のページをめくると、その間から未開封の手紙が…。差出人は"YUKI"。だが、千波にはこの人物に全く心当たりがない。しかも、開封すると、「私も人を殺したことがあるから」という謎めいた内容が書かれていた。"YUKI"とは誰なのか?なぜ、ふと目を惹いたこの本に手紙がはさまれていたのか?千波の過去の記憶を辿る旅が始まった-。心に傷を負った二人の女性の絆と再生を描く感動のミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 2つが繋がりスッキリ。

  • よかった~。2つの話が結局はつながっていたという。やられた~。この小説好きです。

  • 読了後、心の表面が、しん、と凪ぐ。
    加納朋子さんの紡ぐ物語は素晴らしいな。
    そう、何度目か分からないけど、思う。

    優しい語り。
    クルクルと、目まぐるしく変わる場面。
    静かな情景。
    たくさんの謎。

    初まりは、緩やかな混沌。
    転げ落ちるかのように、どんどんと速度を増し、目眩くような急展開。
    突然に訪れる、ふっと息を詰めるかのような空白。
    それに続く、光が弾けたように煌めく台詞。

    本書は、「いちばん初めにあった海」と「化石の樹」の二部構成になっています。
    この二部構成に秘められた技法は、本当に巧いです。
    一見、無作為に散りばめられたかに見えた粒子たち。
    実は、綺麗な計算に基づいて配置されていたのだな、と最後に気付く。
    そういう、非常に後味の良い、爽やかな読後感です。

    「いちばん初めにあった海」のLast scene。
    初めて読んだとき、嗚咽が漏れるほどに号泣しました。あまりの感動で。
    そして、何度目か分からない再読で、また涙が伝いました。
    本当に素晴らしいsceneだと思います。
    そして、続く「化石の樹」の謎解きsceneもまた、極上の場面です。
    ここでもやっぱり、涙が頬を伝うのです。

    人の持つ弱さ。
    人の持つ優しさ。
    人の持つ信頼。
    人の持つ哀しさ。
    それらが交差して、紡がれていく。

    物語の力を感じられます。
    それは、静かに、内側から広がってくる力。
    傑作です。

  • 再読。

  • 中編が二つ収められています。
    最初の一編が表題作で、ラスト近くで不覚にも泣いてしまいました。
    面白い構成の作品だと思います。
    二編目、解説を読んでやっと気付いたというところがちょっと悔しかったけれど、僧と解って読むと、やっぱり胸にぐっと来るものがありました。
    心洗われる気持ちになるというか、素敵な作品だったと思います。
    読後感の良さがいいですね。この作者さんを好きになりました。

  • <いっとうはじめの,海の話を―>
    印象に残る比喩が多く,言葉の海をたゆたっていける.
    しかしストーリーは決して明るく軽やかではない.
    それでも救いと希望の光が見える本書.
    必ず、収められた「いちばん初めにあった海」と「化石の樹」の2編を続けて読んで.

  • 「泣ける小説」って何だろう?と友人と話していて勧められたのがこの小説。加納朋子さんの小説はこれが初読でした。幸せな出会いでした。

    最初は正体がつかめなかった千波の"設定"が徐々に明らかにされ、それにつれて深まる謎と重くなるストーリー。全体像はあまりにも哀しく、しかしそこからの転回はお見事でした。

    残された謎は続編「化石の樹」でタッチを変えて。ハートフルな連作、加納朋子さんのまさに真骨頂です。

    表題作の締めがシンプルだけど本当に美しくて、哀しいけどどこかが満たされる、どこまでも優しい傑作です。

  • 夢見がちなおとぎ話って印象。優しい世界にいる人におとずれたご都合主義な悲劇!かわいそうにね!でもよかったね!みんな優しくて!ってかんじ。私には面白いと思えない

  • この方のミステリの感想は、なにを書いてもネタバレになってしまう。
    うーん。
    作品の出来や物語本来の意味をべつにして、世の中の女性には(男性もだろうか)この千波のこと、千波が(無意識とはいえ)したこと…つまり恋しい男性の死に痛んだ自分の心を優先し母であることを放棄したこと、を忌み嫌い批判するひとが多いのではないかしら、と考えて暗い気持ちになりました。
    (勝手な妄想)
    ただ著者には少女の見る夢みたいな作品が多いけれども、この作品の主人公、千波も成長を拒否して憚らない、と見えるほどあまりにも子どものままです。
    これも毎作のことだけど、登場する女性たちの喋りかたもみんな、どこか幼い。
    そういうことのほうが私は気にかかります。

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著者プロフィール

加納朋子(かのう ともこ)
推理作家。福岡県北九州市出身。夫は、同じく推理作家の貫井徳郎。1992年『ななつのこ』で、第3回鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。1995年には『ガラスの麒麟』で、第48回日本推理作家協会賞受賞。2008年、『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。自身の急性白血病闘病記録『無菌病棟より愛をこめて』も話題に。2019年6月26日、『いつかの岸辺に跳ねていく』を刊行。

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