死なう団事件: 軍国主義下のカルト教団 (角川文庫 ほ 11-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043556014

作品紹介・あらすじ

「死のう!死のう!死のう!」昭和12年2月17日、国会議事堂、外務次官邸、宮城前、警視庁、内務省で、5人の青年が「死のう!」と叫びながら次々と切腹自決を試みた。さらに翌13年3月、盟主が病死したとき、団員5人が殉死した。当時、日本中を震撼させた"死なう団事件"である。既成宗教の堕落を批判した彼らは、なぜカルト化していったのか。どうして死を選ばなければならなかったのか。そして事件発生から60余年後の今、明らかにされた新事実とは…。気鋭のノンフィクション作家が「昭和史の謎」に挑んだ名作。

感想・レビュー・書評

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  • 以前から「人はどうして宗教に惹かれるのだろう?どうしてカルトにはまっていくのだろう?」という疑問があったので新聞広告で見かけてから気になっていた一冊。

    宗教的情熱、外部からの弾圧と隔離、正義感などからカルトにはまっていくという過程がよくわかり興味深い。当時の日本が右傾化していく状況の中で、特高を含む警察が彼らをカルトに追い込んだひとつの要因となってしまっている。

    当時の新聞記事だけを読むと一面的な部分しか捉えていないことがわかり、事実とはこうしたメディアの裏側にあるという点も興味深い。

    しかしいくら信仰に篤いからといって自分の命を捧げるようなところまで人間はいくのだろうか。それは単なる信仰心だけではなくその時の社会情勢などの外部的要因(「死なう団」の場合は右傾化し戦争に突入していく時代の狂気)が大きく影響するようにも思える。

  • 2009年12月14日読了。思ったよりも普通の教団で、特公に追い詰められたという内容になっていた。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    「死のう!死のう!死のう!」昭和12年2月17日、国会議事堂、外務次官邸、宮城前、警視庁、内務省で、5人の青年が「死のう!」と叫びながら次々と切腹自決を試みた。さらに翌13年3月、盟主が病死したとき、団員5人が殉死した。当時、日本中を震撼させた“死なう団事件”である。既成宗教の堕落を批判した彼らは、なぜカルト化していったのか。どうして死を選ばなければならなかったのか。そして事件発生から60余年後の今、明らかにされた新事実とは…。気鋭のノンフィクション作家が「昭和史の謎」に挑んだ名作。

  • この人たちは確かに「異物」だけど、だからってここまでして排除しなきゃいけなかったんだろうか。
    間違った使い方をされると国家権力って本当に怖い。それに踊らされてしまう「一般大衆」も怖い。今でも起こり得ると感じてしまうのが怖い。

    教祖の人の(信仰にかかわる部分はわからないけれど)筋の通った考え方を見ると、確かに魅力的な人だったんだろうと思うけど、ここまで信じちゃえるのって何なんだろう。

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著者プロフィール

1939年生まれ。同志社大学卒業。ノンフィクション作家。とくに昭和期の軍事主導体制についての論考が多い。

「2022年 『時代の反逆者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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