- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043561018
感想・レビュー・書評
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何度読んでも楽しい、昭和初期の華族の暮らし。徳川家の誇りと、質素な暮らしぶり。作者の文才あればこその、生き生きとした描写がすばらしい。
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徳川慶喜の孫が幼少時代の日記から小石川での生活をつづったもの。慶喜亡き後に生まれた孫であり、しかも父親が早世していたため、武家というより有栖川宮家の母方である宮家の暮らしぶりの影響が大きかったように思う。特に女の子だったから、というのもあるかもしれない。
慶喜時代を偲ぶ記述がすくないが、明治2年に謹慎を解かれ、21年に従一位、35年に公爵と平民とはかけ離れた生活をしていた。
慶喜が静岡に住んでいたからなのだろうか、「ご縁が遅れれないように」と作って食べていた遠近団子というには、静岡のお月見に食べられるへそ餅にそっくり。 慶喜家独特のもの、と書かれているが、もかしたら駿河住期に地元の習慣を取り入れたのでは、と想像してしまう。
長じて結婚した榊原16代当主政春氏は時局を見れる人で東条の憲兵の監視下にあったとあり、さらりと書かれているが、本書とは切り離して、この時機の記録が残っていたら、読んでみたいと思う。 -
皇族の暮らしが垣間みられてとても興味深い内容だった。戦前まで人々の暮らしに階級が付けられていたという事実を実感した。戦後、一般人になっても昔の裕福な生活が染みついていながら社会に適応しようとしていく姿も興味深かった。
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昔が偲ばれるような作品だった。
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徳川慶喜の孫にあたる著者が幼少期に綴った日記を元に、明治以降の慶喜家の生活や社会を回顧するエッセイ。丁寧な言葉遣いがとても素敵。
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姉は高松宮妃殿下、祖父は徳川家最後の将軍。ご苦労はされたのだろうが、やはり浮世離れしている生活振りだ。
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慶喜さまのお孫さまのお話
慶喜さまなどはあまり出てはきませんが、
幼少期の第六天での生活の回想録はとても貴重
また、著者の書き方がとも読みやすく自分も第六天で暮らしていたかのような臨場感があります
華族の生活の一端に触れる本でした -
タイトルのとおり、東京、小石川の通称「第六天」と呼ばれた徳川慶喜邸で育った筆者が、家族とそこで暮らした思い出をつづる本です。筆者は徳川慶喜のお孫さん。お母さまは有栖川宮家の最後のお姫さまで、お姉さまは高松宮妃、喜久子さんです。もう、付属のお屋敷見取り図がすごい(笑)。日光江戸村?東映太秦映画村?と思ってしまう、現代日本ではありえないスケールのお屋敷。ここをお母さまがご当主として、家令(執事さん)をはじめ、多くの使用人を取り仕切る日々です。筆者の喜佐子さんは妹さんなので、その中をお姫さまとしてのびのびと暮らす日々。お姉さまは幼い頃から「雲の上にあがるかただから」ということで別格扱いだった…などのセレブライフいろいろが、文章のすみずみからよくわかります。喜佐子さんがずーっとセレブな生活と気分に浸っているかといえばそうではなく、お姉さまのお考えで「何でも自分でできるように」との突然の生活の変化にとまどったり、「坂の下に住む」、自分とほとんど年齢の違わない子たちのことを考えてしんみりする場面も描かれています。ご結婚されてから戦争をはさんで、まったくの世間知らずということを身をもって知ってご苦労なさったことも、率直に語っておられます。ややキレイな思い出になっているな…とも思いますが(笑)。個人的には、学習院の先生に「並ぶ者のいない鎖鎌の達人」がいた、というくだりがヒットです(笑)。ちょっと見てみたいー!日本の筋金入りのセレブライフが、いやみなく生き生きと描かれており、「すげえなぁー」と思った1冊でした。☆ 思い出本ですが、「ノンフィクション」のノートにもアップします。
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最後の将軍の孫娘による、自身の子供時代の話。
数十年前までこんな華やかな生活をしていたのかと思うと
ちょっと体験してみたい気もする。
李王殿下の話もびっくりした。