生きる歓び (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043567010

作品紹介・あらすじ

にんじんが嫌いな父とその娘、サラリーマンだったころを思い出す老人、自分に物語が足りないことに気づいたOL、入社3年、肥満を気にし始める青年…。なんでもない「ふつう」の人々が生きる、ごく「ふつう」の人生。そのささやかな歓びと淡い哀しみを切々と描く短編集。名手・橋本治が紡ぎ出す、九つのほのかな感動。

感想・レビュー・書評

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  • 「生きる歓び」橋本治
    ”ほのかな感動”短編集。竹色。

    普通の人たちの、日常生活を切り取ってきた、何とはない物語が収められています。自分と自分を取り巻く環境に、なんだかちょっと立ち止まって考えてしまった人々の物語。
    いろんな人がいて、いろんな考えをもって、いろんな人生を生きている。そんなことが読んでいるとしみじみと染み渡ってくる作品でした。
    パッと見たかんじ、宗教系の雰囲気を感じてしまうようなタイトルですが、決してそんなことはないのでご安心を。

    際立ってドラマティックなストーリーがあるというわけでは決してないのに、フィクションとしてゆったりと読ませられる作品。
    巧い・・・っ!の一言です。
    星5つのおすすめ度は決してつけませんが、こういう作品に出会えるのが散発読書の楽しみなんだよな、と思います。

    ps. レビューを載せようと思ったら、同名の書籍がたくさんあっておどろきました笑 (3)

  • 誕生日プレゼントで頂きました、ありがとうございました。
    包みから出した瞬間、タイトルを見て、じわーっと心が温かくなりました。それは多分、今の私が求めてたものだったからかもしれません。

    橋本治の短編は『蝶のゆくえ』、『夜』に引き続いて、この『生きる歓び』。「日本に一億の人間がいれば、一億の物語があるはずである」という橋本の発言には共感しますが、これまで私は自分の物語を紡ぐことに精一杯で、橋本の指摘するその点に、あまりにも無自覚だった気がします。
    『生きる歓び』なんて、大層な名前だけど、日常を丹念に描いた作品には、読者にページをめくらす力を確かに秘めているものでした。甲乙つけがたい作品群ですが、やはり自分に照らし合わせて読んでしまうものには、惹かれるものがあります。「オレンジにはなれないみかん」という表現が多発する20代のOLを描いた「みかん」。70歳になる女性が女でなくなっていく様子を自覚していく過程を振り返る「あんぱん」は何度もかみ締めたくなるような作品だ。女性の心理描写をこのように描ききる橋本治という人間には感心するばかり。
    橋本作品には必ず1作、同性愛を主題にした作品が収録されるんですが、その場合の微妙な心の揺れは彼の体験からきてんのかなあと想像しながら読みます。今回の「きりん」もその類の作品でした。

    総体的に、久しぶりに小説と分類されるものを読み、懐かしいような気持ちでいます。

  • 私の思春期を支えた、橋本治さんの短篇集三部作 読了。
    どの話も何も事件は起こらないけど、心の中はいろんなことが起こっています。そりゃそうだ、うんうん。
    橋本さんの、小説で出来る事を真摯にやり続けている姿勢が好き。

  • 79/100

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