アンダー・ユア・ベッド (角川ホラー文庫)

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  • 角川書店 (2001年3月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784043572014

作品紹介・あらすじ

三井は、10年前たった一度だけ会話を交わしたことのある、憧れの的だった千尋のことを、ある日突然鮮明に思い出す。彼女の自宅を調べ、近所に引っ越し、双眼鏡で千尋の生活を覗き見するようになるが……。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

一方的な愛情がもたらす複雑な感情を描いた物語では、主人公の三井が憧れの千尋をストーカーする姿が描かれています。彼の行動は異常でありながら、彼の孤独や繊細な心情が浮き彫りになり、読者はその愛情に心を打た...

感想・レビュー・書評

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  • 映画のティーザーをyoutubeで見て、なんじゃこりゃ!?思った→原作ある!探す→読む→読了。
    今に至る。

    読み始めて、三井の異常さに気持ちが悪く、こんな人が自分の近くにいたら、本当に怖い!嫌だ!なんて具合だったが、かつて想いを寄せていた千尋の夫が三井とはまた違った種類の異常で気持ち悪い人種だったので、気持ち悪いにも色々あるのだな。なんて馬鹿な事を思ったりした。

    しかし、物語もラストスパートに差し掛かると三井の行動と共に、三井を応援する気持ちがむくむくと出てきて、三井!いまだ!何やってるんだよ!千尋の為だろ!って叱咤している自分がいた。
    けれどそこに至るまでの三井の行動は許されるものではないだけに、三井が悪者なのかヒーローなのかどちらの位置付けするのかが難しいと感じた。
    著者は敢えてそういう位置に三井を置く事で、あとは読み手がどう捉えるか?というのをお任せしたのだろうか。
    最後にこの本の中に出てくる水島という男は、三井や千尋、健太郎と何かの関係性はあったのかがモヤモヤしている。

  • 三井の千尋に対する、一方的だが献身的な愛に心を打たれました。
    たった一度、一緒にコーヒーを飲み、幸福感を味わったお礼がしたいと思う気持ちで彼女を探し出し、様子を伺う、、、ベッドの下に潜り込んで。
    完全なストーカーです。
    ですが、三井の小さい頃からの孤独と繊細な感情、千尋への純粋な愛情が、その行為を正当化させる錯覚を起こしてしまいます。
    DV夫の健太郎が千尋にする酷い仕打ちを、読んでいるととても辛くなります。
    孤独がつらい、自分の名前を読んでくれるだけで嬉しく思う性質の三井は、見返りを求めず憧れの千尋を助ける。
    こんな愛の形があってもいいのかなと思ってしまいました。

  • 主人公のストーカーっぷりはとんでもなく異常なはずなのに、
    DV夫がひどすぎて霞むくらいでした。
    妻がDV夫から逃れられるように、主人公に頑張ってほしいと思っている自分に気づき、なんとも複雑で恐ろしくなりました。

  • 本書を星5つにすると、本書の内容に同意したことになるのだろうか。とにかくDV夫の凄まじい暴力描写が繰り返される。
    DV男と他人の家に忍び込みベッドの下で一晩過ごす男のどちらに同調するだろう。タイトル通りの変態男はキモいが、他人に迷惑をかけないだけマシだ。
    変態vs変態の対決の行方は?

  • 異常です。ド変態です。でも…読んでいるうちに主人公を応援したくなりました。

    ストーカーは犯罪なのですが、これは純愛なのかなとすら錯覚しそうに。実際に主人公の行動を想像すると本当にめちゃめちゃ気持ち悪いのですが、でも私はとても好きです。(好きって言って良いのか…)

    古代魚や熱帯魚が出てくるシーンを丁寧に描いてあるところも、私は魚が好きなので嬉しかったです。淡々と描いてあるので独特の不気味さもあります。

    何度も読み返している好きな話なので本当は☆5にしたいですが、この本を好きですと言う勇気が…☆4.5くらいの気持ちの☆4です。

  • 偶然図書館で借りた本が、この数日後に映画化するという不思議な御縁。高良健吾主演らしいです。
    影が異常に薄く家族からも同級生からも空気のように扱われる主人公。それを高良健吾かよという気もしますが、イケメン使わないで流行る映画なんてないだろうと思うので仕方ありますまい。

    ストーカーの純愛という何とも心掴まれる舞台設定。旦那のDVに耐えるかつての同級生。その夫婦のベッドの下に潜むストーカー・・・。これだけでなんとなくワクワクします。
    読む前、乙一の「暗いところで待ち合わせ」を頭に思い浮かべました。
    勝手なイメージで読んでしまったので、勝手な期待を裏切られたような気になった部分も有りましたが、これは全くもって自分の不徳の致すところであります。やはりまっさらな気持ちで読まないといかんです。
    角川ホラー文庫で出ているのが少々疑問ではありますが、あの当時は角川ホラー文庫全盛でしたから仕方もない話だと思いますです。正直ホラーではありません。

  • 佐々木千尋との思い出を大切にしてきた三井直人。

    三井には夢があった。
    もう一度千尋と見つめ合ってコーヒーが飲みたい。

    千尋は結婚して、姓が浜崎になっていた。
    ただ…その夫である健太郎はDV夫だった…。

    三井は完全なるストーカーだけど、千尋と同じように三井をヒーロー的な存在として読み進めていました。
    危害を加えない、お金くれる、娘・木ノ美に優しくしてくれる、内職手伝ってくれる…なんて、そんなストーカーいないよ!

    守ってあげられて良かった。
    犯罪者だけど、千尋にとってはヒーローだよ。

    「三井くん」って呼んでもらえて良かったね。

  • 学生時代に一回だけコーヒーを飲んだだけの女性を追いかける、ピュアで一途なストーカー男が主人公。
    女性の結婚相手が本当に外道なので、ストーカー主人公がいい人に見えてきて、応援したくなるという、ある意味やばい話。
    でも男性と女性で評価が分かれそうです。
    ストーカーはストーカーですしね。

    終始暗い雰囲気で、淡々と話が進んでいきますが、淡々としているのが逆に恐怖心を煽るのに一躍かっていて、引き込まれました。
    山場っぽい山場がないといえばそれまでなんですが、平行線で先がどうなるかわからない不気味さが好きです。
    個人的にはかなり記憶に残る作品でした。

  • 何もない人生の中、自分を認識し微笑んでくれる相手とコーヒーを向かい合って飲む幸せ。その幸せの恩返しにちょっと歪んだ、でも限りなく純粋な愛な為に身を呈する健気な三井くんのお話。屋上で情熱に満ちた恋と喜びを噛みしめ夢を叶えるラストシーンは、涙無しに読み進めれない!!

  • ホラー?ホラーではないと思う。純愛小説です。

    一言で言えば変態が一人の女を愛する話ですが、その変態が読み進めていくうちにその変態さに納得してしまう。非現実的なのに読み進めるうちに現実味を帯びていく。

    はじめの100ページは正直、(言い方は悪いけれども)胸糞悪かった。DVがあまりにリアルに描かれすぎていた。でも、100ページを超えたあたりからページをめくる手が止まらない。

    本筋の他にももう1つの物語が並行で進んでいきます。その2つが絶妙にマッチする最後の数ページは心地よいです。

    ハッピーエンドなのかどうかはわかりません。でも、心に温かさを残してくれる小説です。

  • 文庫本の初版が出てから15年以上。今の表紙はこれではなくて、映像化されるさいなどに付けられる二重表紙とかでもなくて、壇蜜の上半身写真なのです。このタイトルで壇蜜で、ストーカーの話となると、エロ系なのか。そうじゃない。

    11年前の学生だった頃にたった一度、向かい合ってコーヒーを飲んだだけの憧れの女性。もう一度だけ一緒にコーヒーを飲めたら。そんな思いを抱いて彼女をストーキングする男・三井。合鍵をつくって彼女の家に侵入し、ベッドやソファの下に潜り込んで一部始終を観察するのですから、明らかに変態。なのにストーカー男に感情移入してしまうのはなぜでしょう。

    存在感がまるでなくて、誰からも忘れられてきた彼は、妄想を募らせたりしないから。ひとときの夢を見させてくれた彼女に、幸せでいてほしい、それだけ。幸せになる相手が自分でなくたっていいし、自分がその相手になれるとは少しも思っちゃいません。

    ストーカーを応援することになって苦笑。だけどちょっぴりほろ苦く、甘酸っぱい、情熱に満ちた恋と喜び。もう少しだけ、望みを抱いてもいいかもよ、三井クン。

  • 「彼女は今頃どうしているだろう?」
    孤独な人生に唯一の幸せをくれた、彼女に一目だけでも会いたい。
    探し出した11年ぶりの彼女は変わり果てた姿だった。何があったのか?理由を知る為に取った手段は…

    「どんなにおどろおどろしい話なのだろう!」と期待しました。
    期待通りの働きを見せた主人公でしたが、不思議と嫌悪感を持たなかった。
    最終的には純愛小説にすら感じられましたが、フィクションだから許されるよなぁ。
    ストーカーか、純愛か。面白かった。

  • 大石圭の人気ホラー。

    過去ログ。

  •  読み終わって本を抱きしめキスしたくなった作品。タイトルからは想像も付かない爽快な一冊。ストーキングをしている対象の女性が、夫から凄まじいDVを受けているという話。ストーカーを応援したのは初めて。最後はどうなるんだろう?とページを捲る手を止められなかった。快作。

  • 家族にもクラスメイトにも忘れられるような存在の主人公。
    友達もいなく、仕事もあまり続かない。趣味もなく、生きがいもない。たったひと時幸せだったときの記憶を思い出し、そのときの女性を探し、盗聴やプレゼントを始める。
    でも悪気はないのです。

    物語を読んでいるようでいて、主人公の内面をかなり重視した描き方になっているからどんどん同情的になって切なくなってしまった。

    あと、私映像のグロは大丈夫だけど小説の家庭内暴力シーンは結構キツイんだな、と発見。


    読んでてしんどかったけど、いいお話だった。

  • 友達に勧められたので読んでみた。自分からは手に取らないジャンルの小説で、この作家さんとの相性が悪かったので今後も読むことはない……と思う。
    ストーカー行為と家庭内の虐待、というシリアスな内容を描いている割に文章は平易で、良く言えば読みやすく、悪く言えば味わいがない。一人称で進むんだけどただただ事実を書き連ねている感じが強いので、三人称の方が良かったのでは……。
    主人公が観賞魚店を営んでるんだけど、魚の描写が執拗すぎて、そこに文章を割きすぎるあまり、見識のある人からのツッコミを必死に避けようとしているように見えてしまう。熱帯魚が後半の展開に大きく影響を及ぼすとかならまだしも、ただ知識を披露されるだけなので「いや、それはもう分かったからさ……」となってしまって……。
    一番気になったのはどこかちぐはぐなリアリティと、人物造形の弱さ。「暴力夫の家に忍び込んで初恋の相手を見守る」って、結構大きめの嘘だと思うんです。現実的に考えれば絶対にバレるし、妻の方が薄々気付いているなら、潔癖症っぽく書かれている夫が気付かないわけがないよなぁと。なので、その大きな嘘をこの物語の一番面白いところとして採用しているのだから、それ以外の部分はリアリティの担保に努めてほしかったというのが自分の感想。それに付随するイメージなのかもしれないけど、人間造形については、3人とも一貫した人間としての書かれ方がされてないように感じてしまった。食に全く興味が無いと描写されていた主人公が夫婦の食卓に並んだ料理について触れてしまっていたり、世間体をもの凄く気にする夫として書かれている割に、簡単に顔殴ったり……(会社の同僚や自分の両親に会わせる機会を想定するなら徹底して服の下のみを痛めつけるべきでは)
    これもある種の純愛、みたいなテーマ自体は嫌いじゃないです。でもまあ、これで主人公の容姿がもの凄く醜いものだったとしても、同じ結末になったかなぁとは思ってしまう。最後までこれといって予想を裏切る展開もなかったので、評価は低め。とか書いちゃって平気かな……この作者の人、めっちゃエゴサしてそうなんだよな。まあいいか。

  • ストーカー行為に及ぶ人に興味が湧いて読んでみました。

    現実に存在するストーカーが、実際にこの小説の主人公のような生育環境を理由に生まれるのかは定かではありませんが、少なくとも、なるほどと納得し、いつのまにか自分もストーカーになっていました。

    こういった奇異な行動をとる人も、読者と地続きの場所にいる存在だと感じさせることができることが小説の良いところだと思うので、そういった点において私にはとても愉快なエンタメでした。ただし、暴力的な描写が多いので、苦手な方にはお勧めしません。

    ひとつ残念だったのは、読者に余白があまり与えられない点です。読み進めて得られる情報は、登場人物の苦渋だけに終始しており、文中の言葉の深遠さや人物描写に陶酔することはありませんでした。

  • ハラハラ感を求めて読んだけど、意外とそういう読感にはならず、主人公を応援したくなる恋愛小説のようでした。(読書中、早くその男を殺してしまえ!と思ってしまう)

    犯罪が起きた時、他人はああだこうだ言うけれど本当の中身のことなんで当事者にしか絶対に分からない。

    自分的には最後はハッピーエンド寄りかな。よかった。
    最初らへんを読んで、ああ〜このDV男の両親もこういう関係だったんだろうな〜と思ってたら、そこの説明もやはり在ったのでよかった。DV男の母親が千尋を罵ってる描写が一番リアルで怖いわ。

  • 主人公?の「ぼく」はそこそこ順調にイカれてる粘着気質のストーカーなのですが、その主人公の気持ち悪さを遥かに凌駕するほどのヒロイン夫婦の破綻ぶりが素晴らしく、主人公が幸せになっても良いんじゃないかなあ、と思わせるようなストーリー展開でした。ラストも美しさを感じて良かったです。サスペンスと言うより、ラブストーリーですね。

  • ストーカーの主人公が昔好きだった女性の家に潜んで、いかれた暴力夫に酷い扱いを受けている彼女を歯ぎしりしながらただ眺めているというような話。

    あらすじだけ見れば江戸川乱歩の『人間椅子』か、乙一の『暗いところで待ち合わせ』かといった風で面白そうに見える、んだけど、とにかく出てくるキャラクターの行動や思考が類型的で薄っぺらく、主人公のストーカーも、暴力をふるう旦那も、ふるわれるヒロインもみんな予想のつくようなセリフしか言わないしやりそうなことしかしない。とにかくこちらの予測から一歩も足を踏み出してこない。

    50頁ほど読み飛ばしてあとから不明な点をこちらの想像で補ったとしても大体当たってるから問題ないのではないかと思えてしまうような小説だった。

    全体に平易な文章でまとまっていて読みやすくはあった。

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著者プロフィール

1961年、東京都出身。法政大学文学部卒業。93年、『履き忘れたもう片方の靴』で第30回文芸賞佳作を受賞し、デビュー。『アンダー・ユア・ベッド』『殺人勤務医』『絶望ブランコ』『愛されすぎた女』『裏アカ』など、著書多数。2019年には『殺人鬼を飼う女』『アンダー・ユア・ベッド』が立て続けに映画化され、話題に。

「2023年 『破滅へと続く道 右か、左か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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