アンダー・ユア・ベッド (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.61
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  • (16)
  • (5)
本棚登録 : 632
レビュー : 84
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043572014

作品紹介・あらすじ

三井は、10年前たった一度だけ会話を交わしたことのある、憧れの的だった千尋のことを、ある日突然鮮明に思い出す。彼女の自宅を調べ、近所に引っ越し、双眼鏡で千尋の生活を覗き見するようになるが……。

感想・レビュー・書評

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  • 映画のティーザーをyoutubeで見て、なんじゃこりゃ!?思った→原作ある!探す→読む→読了。
    今に至る。

    読み始めて、三井の異常さに気持ちが悪く、こんな人が自分の近くにいたら、本当に怖い!嫌だ!なんて具合だったが、かつて想いを寄せていた千尋の夫が三井とはまた違った種類の異常で気持ち悪い人種だったので、気持ち悪いにも色々あるのだな。なんて馬鹿な事を思ったりした。

    しかし、物語もラストスパートに差し掛かると三井の行動と共に、三井を応援する気持ちがむくむくと出てきて、三井!いまだ!何やってるんだよ!千尋の為だろ!って叱咤している自分がいた。
    けれどそこに至るまでの三井の行動は許されるものではないだけに、三井が悪者なのかヒーローなのかどちらの位置付けするのかが難しいと感じた。
    著者は敢えてそういう位置に三井を置く事で、あとは読み手がどう捉えるか?というのをお任せしたのだろうか。
    最後にこの本の中に出てくる水島という男は、三井や千尋、健太郎と何かの関係性はあったのかがモヤモヤしている。

  • 三井の千尋に対する、一方的だが献身的な愛に心を打たれました。
    たった一度、一緒にコーヒーを飲み、幸福感を味わったお礼がしたいと思う気持ちで彼女を探し出し、様子を伺う、、、ベッドの下に潜り込んで。
    完全なストーカーです。
    ですが、三井の小さい頃からの孤独と繊細な感情、千尋への純粋な愛情が、その行為を正当化させる錯覚を起こしてしまいます。
    DV夫の健太郎が千尋にする酷い仕打ちを、読んでいるととても辛くなります。
    孤独がつらい、自分の名前を読んでくれるだけで嬉しく思う性質の三井は、見返りを求めず憧れの千尋を助ける。
    こんな愛の形があってもいいのかなと思ってしまいました。

  • 本書を星5つにすると、本書の内容に同意したことになるのだろうか。とにかくDV夫の凄まじい暴力描写が繰り返される。
    DV男と他人の家に忍び込みベッドの下で一晩過ごす男のどちらに同調するだろう。タイトル通りの変態男はキモいが、他人に迷惑をかけないだけマシだ。
    変態vs変態の対決の行方は?

  • 偶然図書館で借りた本が、この数日後に映画化するという不思議な御縁。高良健吾主演らしいです。
    影が異常に薄く家族からも同級生からも空気のように扱われる主人公。それを高良健吾かよという気もしますが、イケメン使わないで流行る映画なんてないだろうと思うので仕方ありますまい。

    ストーカーの純愛という何とも心掴まれる舞台設定。旦那のDVに耐えるかつての同級生。その夫婦のベッドの下に潜むストーカー・・・。これだけでなんとなくワクワクします。
    読む前、乙一の「暗いところで待ち合わせ」を頭に思い浮かべました。
    勝手なイメージで読んでしまったので、勝手な期待を裏切られたような気になった部分も有りましたが、これは全くもって自分の不徳の致すところであります。やはりまっさらな気持ちで読まないといかんです。
    角川ホラー文庫で出ているのが少々疑問ではありますが、あの当時は角川ホラー文庫全盛でしたから仕方もない話だと思いますです。正直ホラーではありません。

  • 佐々木千尋との思い出を大切にしてきた三井直人。

    三井には夢があった。
    もう一度千尋と見つめ合ってコーヒーが飲みたい。

    千尋は結婚して、姓が浜崎になっていた。
    ただ…その夫である健太郎はDV夫だった…。

    三井は完全なるストーカーだけど、千尋と同じように三井をヒーロー的な存在として読み進めていました。
    危害を加えない、お金くれる、娘・木ノ美に優しくしてくれる、内職手伝ってくれる…なんて、そんなストーカーいないよ!

    守ってあげられて良かった。
    犯罪者だけど、千尋にとってはヒーローだよ。

    「三井くん」って呼んでもらえて良かったね。

  • 異常です。ド変態です。でも…読んでいるうちに主人公を応援したくなりました。

    ストーカーは犯罪なのですが、これは純愛なのかなとすら錯覚しそうに。実際に主人公の行動を想像すると本当にめちゃめちゃ気持ち悪いのですが、でも私はとても好きです。(好きって言って良いのか…)

    古代魚や熱帯魚が出てくるシーンを丁寧に描いてあるところも、私は魚が好きなので嬉しかったです。淡々と描いてあるので独特の不気味さもあります。

    何度も読み返している好きな話なので本当は☆5にしたいですが、この本を好きですと言う勇気が…☆4.5くらいの気持ちの☆4です。

  • 学生時代に一回だけコーヒーを飲んだだけの女性を追いかける、ピュアで一途なストーカー男が主人公。
    女性の結婚相手が本当に外道なので、ストーカー主人公がいい人に見えてきて、応援したくなるという、ある意味やばい話。
    でも男性と女性で評価が分かれそうです。
    ストーカーはストーカーですしね。

    終始暗い雰囲気で、淡々と話が進んでいきますが、淡々としているのが逆に恐怖心を煽るのに一躍かっていて、引き込まれました。
    山場っぽい山場がないといえばそれまでなんですが、平行線で先がどうなるかわからない不気味さが好きです。
    個人的にはかなり記憶に残る作品でした。

  • 何もない人生の中、自分を認識し微笑んでくれる相手とコーヒーを向かい合って飲む幸せ。その幸せの恩返しにちょっと歪んだ、でも限りなく純粋な愛な為に身を呈する健気な三井くんのお話。屋上で情熱に満ちた恋と喜びを噛みしめ夢を叶えるラストシーンは、涙無しに読み進めれない!!

  • ホラー?ホラーではないと思う。純愛小説です。

    一言で言えば変態が一人の女を愛する話ですが、その変態が読み進めていくうちにその変態さに納得してしまう。非現実的なのに読み進めるうちに現実味を帯びていく。

    はじめの100ページは正直、(言い方は悪いけれども)胸糞悪かった。DVがあまりにリアルに描かれすぎていた。でも、100ページを超えたあたりからページをめくる手が止まらない。

    本筋の他にももう1つの物語が並行で進んでいきます。その2つが絶妙にマッチする最後の数ページは心地よいです。

    ハッピーエンドなのかどうかはわかりません。でも、心に温かさを残してくれる小説です。

  • 文庫本の初版が出てから15年以上。今の表紙はこれではなくて、映像化されるさいなどに付けられる二重表紙とかでもなくて、壇蜜の上半身写真なのです。このタイトルで壇蜜で、ストーカーの話となると、エロ系なのか。そうじゃない。

    11年前の学生だった頃にたった一度、向かい合ってコーヒーを飲んだだけの憧れの女性。もう一度だけ一緒にコーヒーを飲めたら。そんな思いを抱いて彼女をストーキングする男・三井。合鍵をつくって彼女の家に侵入し、ベッドやソファの下に潜り込んで一部始終を観察するのですから、明らかに変態。なのにストーカー男に感情移入してしまうのはなぜでしょう。

    存在感がまるでなくて、誰からも忘れられてきた彼は、妄想を募らせたりしないから。ひとときの夢を見させてくれた彼女に、幸せでいてほしい、それだけ。幸せになる相手が自分でなくたっていいし、自分がその相手になれるとは少しも思っちゃいません。

    ストーカーを応援することになって苦笑。だけどちょっぴりほろ苦く、甘酸っぱい、情熱に満ちた恋と喜び。もう少しだけ、望みを抱いてもいいかもよ、三井クン。

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著者プロフィール

1961年、東京都生まれ。法政大学文学部卒。93年『履き忘れたもう片方の靴』で第30回文藝賞佳作を受賞してデビュー。著書に『アンダー・ユア・ベッド』『殺人勤務医』『湘南人肉医』『復讐執行人』『飼育する男』『檻の中の少女』『甘い鞭』『殺人鬼を飼う女』『殺人調香師』『あの夜にあったこと』『甘い監獄』『わたしの調教師』『優雅なる監禁』『百二十歳の少女 古美術商・柊ニーナ』『モニター越しの飼育』『溺れる女』など多数。2019年には『アンダー・ユア・ベッド』が映画化。同作は反響を呼び各地でロングラン上映された。

「2020年 『死体でも愛してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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