飼育する男 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043572144

作品紹介・あらすじ

昔、昔…。春のある午後、少年は森の中で、日にさらされて色褪せた雑誌が落ちているのを見つけた。何げなくページを開いた瞬間、若い女性の全裸写真が視界に飛び込んで来て、思わず息を飲んだ。少年はまだ7歳か8歳だったけれど、そんな少年でさえ、それが普通のものではないことくらい理解できた。幼い少年にとって、それは目が眩むほどの衝撃だった。そして思った。いつか僕もこんなふうに女の人を、と-。

感想・レビュー・書評

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  • 刺激が少なくなってきた。
    最後のどんでん返しは、
    いつもの大石さんと違う感じで新鮮だった。
    大石さんの作品は心が揺れる。

  • いいね。
    男の生活の一部分を切り取っただけ。
    ただ、その男が残忍で凶悪で、猟奇的なのだが。
    グットエンドでもバッドエンドでもなく、ある瞬間からある瞬間までを切り取って一つの作品としている。
    もっとも、この作品のグッドエンドとは?
    そして、バッドエンドとは?

  • 女性を誘拐し、密室に閉じ込めて、飼育する。大石圭 著「飼育する男」、2006.7発行。この種の物語は作られて久しいですね。1965年のコレクターという洋画が有名でしょうか・・・。フレディとミランダの物語。この映画は、惚れた女性を監禁し、紳士的に?振る舞って、自分を好きになって欲しいというストーリーだったと思います。大石圭さんの「飼育する男」は嫌がる女性をコレクションにして自分の欲望を満たすだけ。三分の一ぐらい読んで終わりにしました。

  • H30.11.25 読了。

    うーむ。かなりサディスティックな内容の作品だった。
    色々な描写も容赦が無く、胃のむかつきを覚える程ではある。

    が、なんだろう、作品全体を通して、『旨味』が無いんよね。
    なんかあっさりしていて、調味料が足りない感じ。
    大筋の味はついてるんだけど、美味しくはないんだよなぁという感じ。

    きっと、こういうストーリーの作品となると、個人的に浮かぶのは桐野夏生先生の雰囲気。
    だけど桐野夏生先生の場合は、もっとおぞましさ、深さがあってすごく完成度の高い味がついてるんよね。

    それがこの作品には感じられなかったし、最後ももう少し捻りのある話にして欲しかったなぁ。

  • 夏の角川ホラー祭。記念すべき登録600冊目だったのかこれ。600冊目にこんなの読んでしまったのか。

    親の遺産で、いくらでも贅沢もでき、いかなる攻撃にも対応できる身体能力をもった男が、コレクションと称して女性を捕まえて監禁する。

    それだけ。
    エロ小説にもなってないし、破綻も無いし、何が面白いのんこれ?

    前に読んだ http://booklog.jp/item/1/4043572026 同様、ホラーの要素もほとんどなく、せっかく捜査が動き始めたと言うのに最後まで何の接点もなく、盛り上がりもなく終わる。料理とワインとピアノの薀蓄が微妙に混ざるというか、文章の嵩上げに使われている程度。

    出来損ないのエロ小説。こんなのしか書けないのかこの人は。

  • なんかちょー変態の話ww
    もうここまで変態だと応援したくなるわ!www

    なんか男の人のやり方が中途半端だなぁって思った。

    いやー
    うーーん
    なんか終わり方もこういう感じしかなかったのかねぇ?

    でもすごく読みやすかった!!

  • 設定はいいんだけど肝心の内容が薄くて今ひとつだったかな。
    もっとアブノーマルな感じを期待してたんだけど、割とフツー。
    飼育するにしても多頭飼いはなあ。
    男が彼女たちをコレクションしていく中で、例えば香山早苗を模範囚と言っていたけど、それで終わりなの?と思ってしまう。
    少年期に見た雑誌とは少し嗜好が違うのではないかと。
    そもそも彼の試みは飼育という言葉に当て嵌めて良いのかも疑問に思う。
    あまり愉悦を感じなかった。

  • SM描写がどうにも中途半端。せっかく、焼印を押し付けるという『O嬢の物語』にも出てくるような調教があるのに、その場面の描写がないのは残念だ。また、そもそもこの男がやっていることは調教とは言えない。本来は嫌がる相手に無理強いするものではなく、納得するまで調教した上でのプレイの一つであるべき。これではただの虐待である。ただ、地下室に専用の部屋を作って監禁するという妄想力あふれる設定や、救いのないラストは良かった。

  • 最後は助かったほうが面白かった気が。
    気持ちはわかる…

  • 乙一さんのSEVEN ROOMSを
    かなり深くした感じ
    性的な描写が多いので
    人にお勧めできません。
    あとがきが素晴らしい

    気になってしまったのが、「けれど、そこにいる女は間違いなく玲奈だった。その証拠に玲奈が右手を動かすと、ガラスに映ったお化けなような女も右手を動かした。」の部分

    そこに全部持っていかれました

  • 女を飼育する妄想にとりつかれた、ひとりの男。
    男はありあまる金と暇と性欲を駆使し、複数の女性を監禁調教する。

  • 終盤までは面白かったのですが、終わりが残念でした。
    ページ数が足りなかったせいなのか、終わり方がお粗末な感じで、好きになれませんでした。
     破滅するまでも見たかったです。

  • 端的に言うと、異常性欲者の主人公が気に入った女性をさらってきて監禁し、性奴隷となるよう躾をする話。
    これだけだとホラーより官能小説という感じですが、何が怖いかというと作者のあとがきが一番怖いです。

    他の本のあとがきも読んでいると、大石さんの書くホラーは、それが自分の願望だからこそ、狂気じみていても冷静な主人公が書けるのだと思います。そう思うと、ぞっとしました。

  • 久々の大石氏の新刊書き下ろしッ!
    と喜んでてに取ったのですが…

    えーっと…これ、角川ホラー文庫ですよね???
    と確認したくなってしまいました。

    ホラー…というより 官能小説じゃないでしょーかー。
    ひたすらエロい…な気がします。
    いや、官能小説読んだことないけど。

    うーん、確かに「こういう人がいたら怖いだろうな」とは思いますが
    ホラーの怖さじゃなくて…

    ちょっと私としては、期待と違いました。
    文章の読ませ方はさすが大石さんだけあって読みやすかったです。

  • 題名通りの物語。
    幼少期に与える影響の大きさについて考えさせられるものの、内容はそこまで人間の歪みに言及しておらず、淡々とした切り口のせいか誰にも感情移入はできそうもない。
    内容に嫌悪感を抱く人もいるかもしれないが、個人的には嫌悪感は皆無。だからといって共感も皆無だが。

  •  タイトル、そのままです。
     女を拉致してきて飼育している男の狂気。

     親の遺産があって、働く必要もなく有り余る金と時間を女の飼育にかけている男。
     えげつないです。
     えげつないんだけど、妙な純粋さがあって、それを物語として成立させているのだろうなと思う。

     にしても、毎度思うんだけど、大石圭の作品は食べるシーンが多い。
     でもって、わりとそれが凝っている、というか、食べ物にリアリティがある。
     食べることは生きることにつながっていると思っている。
     
     狂った情欲に支配されて、いつ逮捕されてもいい、みたいな投げやりな生活をしてる主人公だけど、根底ではまともに生きたいと、この狂った欲から解放されたいと願っているのだろうかと、感じる。

     うん。
     淫靡で暗い世界を描いているけれど、奥底には生きることへの正しさがあって、それが大石圭の作品を一味違うものにしているのかもしれない。

  • オイラの大好きな人間禁忌系統ですよー笑。


    簡単な粗筋。
    男は幼い頃、森で怪しい雑誌を見つける。
    そこには今まで想像したこともない世界が広がっていた。
    次第に男はその雑誌に載っていた男性のように、女性を飼ってみたいと思うようになった――。


    まぁ……ぶっちゃけて言うならば、山はない。
    大石氏のオリジナル作品はそういうものが多いけれど、今回は特にでした。
    私的には嫌いではないけれど、もう一歩……といった感じですね。

    ちなみに今回のは完璧な官能小説でしたよ。笑
    久々に大石氏の小説でほとんど人を殺さない(殺されない)ものを読んだ気分でした。
    だから味気ないと思ったのかもしれない……すでにオイラの思考はおかしいと見た。笑


    正直、主人公に魅力がないというのが欠点だったような気がしてならないです。
    何だかイメージしにくいんですよね。
    まぁそういう人物設定だったのだろうが……。
    どうも何を考えているのかとか、何を訴えたかったのかとかが伝わってこないものでした。

    どうしたんだ大石氏……。


    まぁいつもの大石氏らしさは出てるのでお好きな方はどうぞー。



    余談ですが。

    今回何が一番面白かったかってあとがきですよ。
    大石氏がこんな話ばかり書く理由が分かります。笑
    これが本当ならばかなりの狂人だと思われます。いや、マジで。

    ……まぁオイラも人のこと言えないけども。

  • いつもこの人の作品を読むと真っ先に思うのは、「凄い」。特に今回はあとがきも凄かったですよ。そうか、数々の「凄い」作品が作られた裏にはそんな思いが……。
    今回のはいつもにもまして「変態度」が高いかも。でもやっぱりやたら淡々と進むものだから、あまり生々しさを感じさせないのがちょうど良いんじゃないかとも思う。とはいえいつものとおり、「お薦め」とは言いにくい作品です。苦手な人にはすごく気分悪いかも。

  • 例えば、男女各々がお互いに、
    性癖嗜好としての主従関係を望むなら、
    成立する世界だろうが、
    この作品の主人公は、
    残虐性はないまでも、
    自らの性欲のためだけに女たちを拉致監禁し飼育するという身勝手さ。
    角川ホラーから出ているが、
    これはホラーではないだろう。
    SMでもなくエロスもなく、
    中途半端なイメージ。

  • 怖くないけど、恐かった。

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著者プロフィール

1961年、東京都出身。法政大学文学部卒業。93年、『履き忘れたもう片方の靴』で第30回文芸賞佳作を受賞し、デビュー。『アンダー・ユア・ベッド』『殺人勤務医』『絶望ブランコ』『愛されすぎた女』『裏アカ』など、著書多数。2019年には『殺人鬼を飼う女』『アンダー・ユア・ベッド』が立て続けに映画化され、話題に。

「2023年 『破滅へと続く道 右か、左か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大石圭の作品

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