邪な囁き (角川ホラー文庫)

  • 角川書店 (2007年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784043572151

作品紹介・あらすじ

--こんなことをしたら大勢の人を嘆き悲しませることができるぞ。「あいつ」の思いつきはいつだってとて魅力的だった・・・。

感想・レビュー・書評

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  • きっと誰もが、「今、こんなことしたらどうなっちゃうんだろう…」という想像をしたことがあると思う。
    それを悪意増し増しにして、実際に行動に移してしまったら…そんな話。

    後味の悪い、何とも言えない読後感を味わいたい方はぜひ読んでほしい。

    そして相変わらず、作者のあとがきが気持ち悪くて(褒め言葉)、いつも楽しく読んでいます。

  • 現実にこういう人居たら怖いなと思いゾッとしました。いわゆるサイコパスみたいな感じですかね?
    さすがに主人公がこんなに犯罪してるのにバレないのは少し現実味が無かったですが…この話の中の警察は無能なんですかね?
    最後のシーンが少しあっさりしてましたが読みやすくて面白かったです。

  • 期待したほど怖くなかった。ホラー小説ってこういう感じ?なのかな?

  • 純粋な悪意の恐ろしさ。ラスト、全く怖くなかったはずの自分の死に恐怖する姿は人間らしかった。

  • 読みながら自分の中の「邪な囁き」を何度も考えていた。
    昔、駅のホームで電車を待っている時、液体を積んだタンンクのみの重厚な列車が轟音で通り過ぎるのを眺めながら、ホームから一歩踏み出せばそこには明確な死が待っており、生と死がとても身近にあるものだと一種の恍惚感のようなものをよく感じていたものである。その感情は他人に向けたものではなかったが。
    あとがきにもあるように、子供の風船を割って回るような小さなものであれ、他人の不幸を喜ぶような邪な気持ちを持っている事は自分自身否定できない。それが実際に行動に移され表に出てくることは非常に稀であるが。
    あの感情はなんだろうかと本を読みながら考えていたが、一種の全能感への憧れのようなものではないかと思う。
    パイロットという特殊な職業、イケメンで高収入、高層マンションに住み好きな酒はウィスキーのオン・ザ・ロックという中二的な大人の男像にやれやれと思ったり、正田が引き起こす数々の事件に「そんな何回もバレずに事が運ぶ訳ねーだろ」と思いつつも、墜落のシーンで死の恐怖と愛に目覚める、邪悪さと人間らしさの対比には戦慄を持って読む事ができた。

  • なかなか。

    過去ログ。

  • 大石圭さんは「呪怨」の作家さんとして知られているかな。
    「呪怨」も発売禁止寸前までいったんだけど…。
    この「邪な囁き」もよくR指定にならなかったなと思ったくらいに…底暗い。

    まぁ、R指定っていうのは映倫が指定するものなわけで、書物に対してどうなのかは分かんないけど、あの「スワロウ・テイル」ですらR指定になってるのに…。
    この本はあまりにも刺激が強すぎる。
    非現実的ならそうは思わなかったかも。
    どこか現実に近くて、危険すぎる。

    けど、人間の真理を問うような類は結構好きで、思わず読み進めちゃった。
    誰しも心の中に闇の部分を持っていて、それは些細なことを発端にすることが多いんだけど、たとえば運転してて渋滞にはまった時に、『今アクセルを全力で踏んだらどうなるんだろ」みたいな。
    その一線を踏み越えるか留まるか。その一線が犯罪に至るところなのかな。

    明るくオススメ!
    とは言えないけど、この手の話を書かせたら大石さんは一級品。

    ★★★★★

  • 人の中に巣食う囁き、その正体は。

    大石圭作品の中では、少し薄めで少し異質。「飼育したい男」の弱い版、という感じで…でも、もっと奥深くを掘り下げて、という感じ。

    誰もが一度は考えたコトがある「if」が描かれている。
    考えこまない人用。

    文章の表現による「怖い」は無いかな。
    想像して、自分と重ね合わせることの「怖い」は人によって違うので、難しい。

  • とても面白い\(^o^)/

  • 新年早々泣かされたました。
    最後の方の飛行機事故は結構悲惨だろうけど、あっさりした描写。

    「死にたくない。もう一度、彼女に会いたい」
    「あの人が地獄にいるのだとしたら…そこでもう一度、あの人に会いたい。あの人がどれほど邪悪な人だったとしてもかまわない」
    穢れた純愛って言葉が浮かんだ。

    『あいつ』ってそういうオチか…
    少し肩すかしだった。

  • この気持ちは、若干分かる。一瞬自らの中に浮かび上がった悪意を、形にしてみたくなる感じ。

    ラストは壮大だったけど、若干物足りない。。。

  • 僕のなかには、あいつがいる。あいつのいうことは、危険だけど、とても魅力的で情動的だ。それを行えば、僕はいつも官能的な興奮を覚える。
    そんな中、自分の過去と関係のある女性が現れ、彼女への償いを始める。償いの気持ちしかなかったが、次第に彼女との生活を大切だと思うようになる。しかし、究極の思いつきをしてしまう。僕はそれを実行してしまうのか。

  • 人の「悪意」について書いた作品。主人公は「悪意」取り憑かれたパイロット、その日常を書いた作品。あまり面白くなかった。

  •  主人公は、幼少の頃から自分の中でささやきつづける「あいつ」の存在を意識していた。彼は、「あいつ」に言われるまま、罪の快楽へ落ちていく。

     子供は元来残虐なものだ。
     けれど、それは長じるにつれ、恥ずべきものであると認識、あるいは、別の興味を得、あるいは、他者の気持ちとシンクロすることを覚え、脆弱になったり深層の奥に埋もれていくものだ。
     なぜなら、それは自分の中の闇だから。
     人が無意識に「闇」を恐れるように、人は自分の心の「闇」も恐れる遺伝子があるのだと思う。

     主人公の不幸は、その囁きを自分のものだと認識しなかったことなのだろう。
     物語は、主に主人公の視点ですすむ。だから、彼がどんな嘆きを語ろうとも薄っぺらで、偽善的にしか捕えられない。が、結局は彼が自己と向き合うことから逃げていたからなのだと感じる。
     たとえば、勉強のできない子であったり、親の意に沿わない子であれば、親や周りとの確執の中で、自己を見つめるということができたのかもしれない。けれど、彼はいい子であり続け、自己を殺してそつなく生きる術までを手に入れる。

     罪は罪だ。
     けれど、そうやって抑圧された彼を、単純に責めることは難しい。

     彼は、美しい売春婦によって救われる。
     (結末はどうであれ、あれは一種の救済であり、昇華なのだと私は思った)
     ステレオだと片づけるのは簡単かもしれない。が、あえてここでこういうステレオな人物を配し、そういう展開にもっていった意味を考えてみたい。
     

  • 前回の『飼育する男』を読んだ方には、記憶にあるかもしれません。
    『飼育~』のあとがきにあった話、です。


    簡単な粗筋。
    僕の心には、忌まわしいな生き物が棲んでいる。
    「あいつ」の思いつきはいつでも魅力的だった。
    それをやってはいけないと思いながらも僕は――。


    ……あれ、これは粗筋か?
    まぁそれはさて置き。
    えー今回はちょっとしたネタバレと、大石氏の他の作品のネタバレを含みます。
    ストーリー性には問題はないと思いますが、気になる方は気を付けてください。


    前回の『飼育~』よりも個人的には好きでした。
    毎度お馴染みの「犯罪者視点」の話ですが、今までとは少し違ってちょっとした葛藤も見られます。
    無感情に犯罪を犯していくという点は基本的には変わらないのですが、何となく人間らしさが垣間見られるんですよね。
    誘惑に負けて何かしてしまってから後悔する。
    これが今回の主人公の魅力のような気がします。


    実は今回不思議に思ったのが、テーマ性なんですよね。
    それが主題だというわけではないのですが、何だか「愛情」という言葉が重要になっている気がします。
    少し切ない雰囲気を醸し出しているのは、勘違いではないと思います。
    何かと言われれば『自由殺人』に近い感じでしょうか。
    個人的には『自由殺人』結構好きなので、それで気に入ったのかなーとか思ってたり。


    ……『自由殺人』で思い出したのですが。
    どなたか教えてください。
    6月の「めでたい日」って何ですか?
    何か私的には『自由殺人』と同じ世界なのかなーとか考えてしまったのですが……。
    クリスマス・イヴがああいった日になったからこそ、「正月の次にめでたい日」が「違う日=6月某日」になったのかと妙なことを考えてました。
    同じこと考えた人いませんかね?



    今回のはホラー要素(というか殺戮場面?)が少ないので、大石氏のそういった話が好きな方には物足りないかもしれません。
    でも「殺人者視点」ってのが好きな人にはすごく面白いものだと思います。
    是非お読みくださいませー。



    余談ですが。
    前回&今回のあとがきを読んで、無性に大石氏に会ってみたいと考えたオイラは異常でしょうか?
    何だかめっちゃ語り合ってみたいです。笑

  • 大石さんの作品の中では割と好きな部類です。誰しも「もう一人の自分」みたいな悪意の塊を腹の中に抱え込んでいると思います。他の作品に比べて毒が少ない。笑。最後のほうもいい感じでしたが、最後の最後、終わりの部分はなんともいえません。

  • 心の中に悪魔が住んでいる男の話。
    こういう人が現実にいたらホント怖い。
    でも実際いるんだよね。きっと。
    人が傷つく姿を見るのが楽しいという心理。
    願わくば自分の近くにそういう人がいませんように・・・。

    ラストがなんか微妙だったので★2つで。

  • あいも変わらず鬼畜だこの人は。あとがきが一番怖かったと思うのは、私だけなのでしょうか(笑)。
    でも今回の主人公……「他人の不幸が最大の楽しみ」というなかなかにとんでもない人物なのですが。不思議と腹が立たないのです。なんだろうなあ、たしかに「悪意」が溢れてはいるのだけれど、なぜかそこに純粋さを感じてしまう気が。
    彼が選んだ結末は哀しいもので、印象的でした。でもこのラストは……ああ、これぞホラーだ。

  • 最後の方は面白かった

  • 悪魔に抗えない人が悪事を重ねてその先に・・・。
    うーん。「コレやっちゃったらどうなるかな」みたいなのはありありと伝わってきて面白かったです。
    ラスト。大石さんは何か考えが変わったのかな。意外でした。
    でもこういうのもいいかな、と思います。

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著者プロフィール

1961年、東京都出身。法政大学文学部卒業。93年、『履き忘れたもう片方の靴』で第30回文芸賞佳作を受賞し、デビュー。『アンダー・ユア・ベッド』『殺人勤務医』『絶望ブランコ』『愛されすぎた女』『裏アカ』など、著書多数。2019年には『殺人鬼を飼う女』『アンダー・ユア・ベッド』が立て続けに映画化され、話題に。

「2023年 『破滅へと続く道 右か、左か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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