古今和歌集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

制作 : 中島輝賢 
  • 角川学芸出版
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本棚登録 : 283
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043574186

作品紹介・あらすじ

春夏秋冬や恋など、自然や人事を詠んだ歌を中心に編まれた、第一番目の勅撰和歌集。総歌数約一一〇〇首から七〇首を厳選。春といえば桜といった、日本的美意識に多大な影響を与えた平安時代の名歌集を味わう。

感想・レビュー・書評

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  • 和泉式部日記の冒頭、亡き為尊親王の小舎人童が和泉を訪ねて来て橘の花を差し出す。和泉は咄嗟に「昔の人の」と言う。

    これは古今和歌集の「五月まつ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする」という和歌の一節。源氏物語などの平安文学には、そのときの心情や情景に相応しい著名な和歌の一節が口ずさまれる場面がよく登場する。初の勅撰和歌集である古今和歌集は、平安貴族の基礎教養だった。

    そんなわけで、お馴染みとなったビギナーズ・クラシックスシリーズの古今和歌集を読むことにした。
    ビギナー向けに選ばれているので、百人一首にも選ばれている著名な歌や、どこかで見かけたことがある歌が多い。
    全体を通して読むと、万葉集時代の素朴さ、おおらかさは薄れ、なるほど「たおやめぶり」と評される優美さがあるのを感じる。謎解きのような理知的な歌、軽妙洒脱な歌、掛詞や縁語を組み合わせた凝った歌も多く、間違っても万葉集の「なかなかに人とあらずは酒壺になりにてしかも酒に染みなむ」なんて歌は選ばれそうにない(笑)

    ただ、本書の現代語訳は生真面目な感じでイマイチだった。直訳すぎてスッと理解しにくいものもある。

     色見えで 移ろふものは 世の中の
     人の心の 花にぞありける

    例えば小野小町のこの歌の現代語訳には「色には見えないであせてしまうものは、世の中の人の心の花なのだなあ」とある。

    でも一読したときに「色には見えないで」って意味がよくわからない。
    解説を読むと、色があって色あせていく様が目に見える現実の花と、色がないのに色あせてしまう(外見上わからないのに移ろいゆく)人の心を対比させていることがわかるのだけど。
    現代語訳はもっと大胆に意訳してほしいなぁとビギナー的には思う。その点、ビギナーズ・クラシックスシリーズの万葉集や百人一首は、情感も込めたさりげなくわかりやすい訳になっていたような気がする。

    わからないなりにも、続けて和歌を読んでいるうちに何となく情景が浮かんでくることが増えて、和歌の面白さ、奥深さを味わえるようになってきた。新古今和歌集も読みたい。

  • 君が代の歌の由来を初めて知った

  • 本シリーズの万葉集読んだので次は古今和歌集かなと。
    万葉集好きなのですが、古今和歌集もめちゃくちゃ好き〜〜!!!となりました。技巧を凝らした歌が多く、何言ってるのか分からないものも多いのですが、それがまた31文字でいくらでも表現できる自由さも感じました。

    そして国歌は古今和歌集から採られていると初めて知りました。
    これはまた全首読みたいですね。
    いつものことですが本書の解説も古今和歌集や和歌に対する愛情を感じました。寸評のおかげで理解が難しい和歌も背景まで理解することができ、おもしろさがよくわかりました。

    ちなみに、中でも好きな歌は下記です。
    秋口に詠みたい。

    秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる

  • ビギナーズクラシックシリーズの百人一首の後に、もう少し和歌が読みたいと手に取った一冊。以下の六首が特に印象に。/むすぶ手の雫に濁る山の井の飽かでも人に別れぬるかな 紀貫之/吉野川岩切り通し行く水の音には立てじ恋ひは死ぬとも 読み人知らず/色見えで移ろふものは世の中の人の心の花にぞありける 小野小町/世の中は何か常なるあすか川昨日の淵ぞ今日は瀬になる 読み人知らず/桜花散りぬる風のなごりには水なき空に波ぞ立ちける 紀貫之/白露の色は一つをいかにして秋の木の葉を千々に染むらむ 藤原敏行

  • 時代が近づいたためか「万葉集」と比べて歌そのものの意味が捉えやすいように感じました。

    ただ、洒落とか比喩とか、つまり技巧のようなものが何かと鼻につく気がします。
    万葉人の時代から、生活のあり方も制度化されたり形式化されたりといったことが進んだのか、自由な感じがしない、なんとなく窮屈な印象を受け、感情を真っ直ぐに表現したような歌が少なかったように感じました。
    うまく言えませんが、特定の誰かに伝えるとか、思ったことを素直に述べる、というよりも、不特定多数に読まれることを前提にしているような、そんな雰囲気があります。
    そのためか、読みやすさの割にあまり共感できませんでした。

    そして解説が授業的に感じる節がありました。せっかく古典を楽しみにきたのに、こう読みなさい、ここはテストに出ますよ、と言われている気がして、その点も窮屈に思いました。また、同じ歌の解説とその直後のコラムでまったく同じ記述があったりして、その点はいかがなものかと思いました。

  • 『古今和歌集』読了。正月に飲んだり食べたり近所の氏神様に参ったり、その合間あいまにパラパラと読むのに、このビギナーズ・クラシック版のとっつきやすさって最高じゃないですか。手弱女ぶりの作風も、万葉集と新古今の間っていう程よさもいいですね。

  • なんとなく購入したものですが、買ってよかった。興味を掻き立て、「じゃあ、全集なり他の解説書なり、読んでみたい」と思わせてくれる。編者の解説も、生き生きとした文で、昔の人たちも今の人たち同様に笑ったり悩んだり、いろいろ思いながら生きていたんだなあと思いを馳せて、楽しく読み進めた。今度旅に行く時は、持って出ようと思う。

  • 1100首の中から70首を取り上げたビギナーのための本です。
    春夏秋冬、賀歌、離別歌、物名、恋歌、哀傷歌、雑歌、
    大歌所御歌、東歌とあります。
    やはり恋歌がいいですね。想像を掻き立てられます。
    他の歌もわかりやすく解説してくれているので
    ビギナーにはうってつけの本ですね。表紙もきれいです。

  • かな文字の練習教材として常に携帯中。

    読んでいて切に思うのが、

    ・・・・暗い。


    7、8割の和歌が、惚れた腫れたの千々に乱れる心と嫉妬。いつの世も恋とは身を焦がすものなのですね。歌を認めた当時、この歌人はおいくつだったのかしら、などと微笑ましく思を馳せつつ筆を走らせ書に勤しみ。残り2、3割の心温まる句を、お手紙にさらっと書き綴り、そこはかとなくあたたかい心が伝えられる様になれたら素敵だな、と思ふ毎日です。

  • 季節毎に読み返したい一冊。ビギナーズ・クラシックスはコラムや解説があり予備知識にも触れられるので、歴史や古典をそんなに勉強してこなかったひとでも楽しめます。

    毎年繰り返される自然の営みを、不思議に思い、喜び、悲しむ。昔のひとの繊細な感性や想像力に触れると、当たり前だと思っていた風景がすこし違って見えそうです。

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